? ヤンツー烈風隊
サッカー百鬼夜行

第1節 対ヴァンフォーレ甲府
2005.3.5(SAT) 山梨県小瀬スポーツ公園陸上競技場

ヴァンフォーレ甲府 2-2 コンサドーレ札幌
バレー【17分】
O.G.【65分】
1-1
1-1
岡田【12分】
田畑【81分】
スターティングメンバー
偽山本 GK 髙原
アライール
池端
アレックスオリベイラ
杉山
DF 画伯
池内
ひろゆき
藤田
倉貫
鈴木
長谷川
MF 岡ちゃん
たばたん
ゴンドー
美白
スナマコ
馬齢
小倉
FW アイカー
清野
藤田→石原【66分】
オグ→山崎【83分】
鈴木→保阪【89分】
交代 画伯→カガケン【71分】
ゴンドー→カズゥ【74分】
アイカー→謙伍【78分】
池端【16分】
藤田【54分】
鈴木【55分】
杉山【87分】
警告  

試合の感想
 2005年のJ2開幕戦。コンサドーレ札幌は去年に引き続きヴァンフォーレ甲府との試合です。ただし、去年と違って今年はアウェイ戦。昨季は終始試合の主導権を握りながらもGK藤ヶ谷が退場、後半ロスタイムにバロンに決められ引き分けで終了しています。当時は札幌の選手たちがサッカーを出来ているということに満足してしまったため「まぁ引き分けでもいいや」と思っていたのですが、その後の惨状なんぞ知る由もなかった当時だからこそ思えたことであり、今から考えればやっぱり勝っておけば良かったと今更ながらに思う次第。
 さて、相手の甲府はシーズン途中まで好調を維持していたものの、エース・バロンが鹿島アントラーズに引き抜かれて失速。結局15勝16敗13分の7位という成績で終わっています。結局バロンも鹿島では期待ほどの活躍を見せられませんでしたが、甲府にとって「バロンの移籍がなければ…」という気持ちであったことは間違いありません。J1からの降格組のいない今年こそは「昇格」を狙うのは当然のことであり、退団した松永監督の後任には以前甲府で指揮を執っていた大木武氏が就任。当時まだ弱小だった甲府を引き上げた立役者の復活に、甲府のサポーターも「今年こそ」という思いは強いでしょう。大木監督は昨季のチームをベースとして、昨季大宮で15得点を挙げて昇格に貢献したバレーや清水時代の秘蔵っ子(と思われる)鈴木隼人、守備力の強化にブラジル人DFアレックスオリベイラらを獲得、非常にバランスのとれたチームに仕上げてきました。

 そしてアウェイの札幌は今年ヤンツー2年目。こちらも昨季のチームをベースにピンポイント補強でシーズンに臨みましたが、長いキャンプ生活の中で怪我人や病人が続出。開幕戦を迎えても、FWの軸として考えられていた新戦力の中山元気が風邪で欠場。そればかりか、合宿中終始好調を維持していた地元甲府出身の岳也までもが風邪を引いて欠場。中山との相性も最もよかったからといって、何もそんなところまでコンビネーションの良さを強調することもあるまいよと思うのですが、一気に2人も離脱したFW陣には、ここまで主にサイドでプレイすることの多かった石井謙伍がプロ初のベンチ入りを果たします。
 というわけでスターティングメンバーはGK髙原、西澤、池内、西嶋という3バックに、ギリギリで間に合った田畑と権東といういい人と悪そうな人のダブルボランチ、左サイドは「微笑みの貴公子」韋駄天和波智広、右サイドはこちらも何とか間に合った岡ちゃん、トップ下砂川、相川と清野の2トップ。いつの間にやら180cmオーバーの選手が半分以上を占める大型チームになってしまっています。かつては180cm以上の選手は古川先生1人だけなんて試合もあった「ちっちゃいものクラブ」だったコンサドーレからは想像もつきません。まぁとにかく離脱者が多くベストには程遠い布陣ではありますが、開幕戦をものにして勢いに乗っていきたいところです。

 そんな感じで最初からすっ飛ばして行きたいところですが、札幌の選手の動きが妙に重いです。まぁ開幕戦という特殊な状況、甲府選手の動きも固かったことからやはり緊張があったには違いありませんが、プロとして初めての開幕スタメンとなる西嶋、髙原の2人は傍目からでもガッチガチ。特に髙原は飛べないわ出れないわでおそらく普段の実力の半分も出せてないようで、声こそ出ているものの全盛期の藤ヶ谷を見ているようでした。
 また、開幕滑り込み組の岡ちゃんと田畑は調整不足がありありで身体にキレがなく、ベテラン田畑はそれでも何とかギリギリ踏ん張っていたのですが、岡ちゃんはメロメロ。守備でも攻撃でもほとんどいいところありません。さらにはどこも痛めてないしどこも悪くないし別に若くもないはずの砂川が絶不調だったことに加え、同じくどこも痛めてないしどこも悪くないしお世辞にも若くない西澤までもが絶不調。札幌の右サイドは死んだも同然で、杉山に破られまくりでもうホント泣きそうです。
 しかしそんな岡ちゃんが先制点を入れてしまうのですからサッカーとはわからないもの。前半12分、相川のポストプレイから田畑がサイドに振ったボールを和波が受け、ファーサイドへ上がったクロスを相手GKがクリアミス、このボールを拾った岡ちゃんがループ気味のシュートを決めて劣勢だった札幌が先制します。

 思わぬ形で先制点をゲットした札幌ですが、このゴールでイマイチ動きの固かった甲府を起こしてしまいました。サイドではあまり機能していなかった藤田が真ん中でプレイするようになると、途端に甲府のパスが繋がり始めるようになります。パス&ゴーで小気味よく回るボールはまさにアクション&ムービングサッカー。ああ、こりゃあ追いつかれるのも時間の問題だなぁと思っていたら、やっぱり17分に何でもないようなクロスをガチガチくん2号の西嶋がバレーに競り負け、バレーの頭に当たったボールが中途半端なポジショニングだったガチガチくん1号の髙原の頭上を越えてゴールイン。同点に追いつかれてしまいました。
 その後も甲府の猛攻は続きます。札幌も何度かいい形を作るのですが、相川も清野も甲府の新助っ人アレックスオリベイラに仲良く抑えられ、いずれの攻撃も単発に終わります。それでも甲府の詰めの甘さに助けられ前半は1-1で終了。

 ヤンツーの説教タイムを挟んだ後半、前半は今まで一番と言えるほど悪かった砂川が突如復活。ハーフタイムの間に何があったのか。現在のところ最も有力な説は砂川に搭載されている乾電池(日立マクセル製単三電池)のプラスマイナスが逆だったのではないかというものです。これにより右サイドからの攻撃も見られるようになりました。
 しかしそれでも試合は甲府ペースのままで、ボールを支配される時間が続きます。後半20分、コーナーキックからのこぼれ球をオーバーラップしてきた杉山が右サイドから速いクロスを入れます。このボールに鋭く反応したのは、誰であろうガチガチくん2号の西嶋。見事なダイビングヘッドはドンピシャでゴールに突き刺さりました。西嶋、プロ初ゴール。相手ゴールに入れればもっとよかったのに
 まぁあのボールは仮に西嶋が触らなかったとしても甲府の誰かには決められてたと思うので、西嶋は責められません。杉山にフリーでクロスを上げさせた時点で勝負ありでした。

 是が非でも追いつきたいヤンツーは、家族がいないと力を発揮できない西澤画伯をあきらめて加賀を投入。よく考えれば加賀もJリーグ初出場のハズですが、さすがに緊張も何も言ってられないのか生来のやんちゃ坊主っぷりを発揮します。さらにヤンツーはその3分後に権東に替え上里カズゥを投入。権東よりも前でプレイできる上里の投入で攻撃を活性させる狙いでしょう。
 さて、そうなると残る交代枠1人に対し、ベンチ入りフィールドプレイヤーは2人。具体的にはソダンとルーキー謙伍です。どの時点で誰を投入するのか。個人的にはやはり謙伍を見たいのですが、1点負けている段階でルーキーを投入というのは考えにくい。「今年は勝ちにこだわる」のならば、特に攻撃陣が終始オリベイラに封じられていたことからも、ソダン投入→パワープレイというのが現実的かなぁと思っているうちにザイーコーチが最後の1人を呼びに行くのが見えました。さぁ、果たしてソダンか謙伍か。ウォームアップエリアから出てきたのは…ボウズじゃない。

 謙伍キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

 まぁ冷静に考えればルーキーに多くを望むのは酷というものですが、勝ちにこだわるとは言ってもあくまでこれまでのやり方にこだわるのがヤンツー流ということでしょうか。しかしそうは言っても残りはもう10分ちょい。ここまでの流れを考えればちょっと追いつくのは難しいかな、と思っていましたが、そんな後半36分に札幌はコーナーキックのチャンスを得ます。
 右からのキックを任されているのは上里。純朴そうな印象とは裏腹に結構えぐいキックを持つ上里の蹴ったボールは、これまたえぐい軌道を描いて甲府ゴール前へ。そこに待ち構えていたのが1点目の岡ちゃんと同じ滑り込み組の田畑。ドンピシャのヘッドはずばんと甲府ゴールに突き刺さり、なんと札幌が同点に追いついてしまいました。
 その後は甲府も札幌も何度かチャンスを迎えるものの、決めることが出来ずに2-2のまま試合終了。内容的には決して褒められたものではないものの、それでもメンバーが揃わない中アウェイで勝点1を拾ったのは悪い結果ではありません。ありませんけど、これだけは一言言っておきます。

 田畑のパーマはどうかと思う。

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