? ヤンツー烈風隊
サッカー百鬼夜行

第18節 対横浜FC
2005.6.25(SAT) 日産スタジアム

横浜FC 1-2 コンサドーレ札幌
オウンゴール【89分】 0-1
1-1
中山【6分】
上里【75分】
スターティングメンバー
菅野 GK シャイニング
早川
トゥイード
山尾
河野
DF カガケン
ソダン
アバレッド
佐藤
内田
貞富
小野智吉
MF タバタン
ワンコ
スナマコ
カズゥ
ヒロユキ

北村
FW アイカー
ゲンキ
佐藤→大友【66分】
北村→富永【78分】
小野智吉→小野信義【78分】
交代 スナマコ→カネコ【55分】
カズゥ→シャチョー【76分】
ゲンキ→セエノ【79分】
山尾【20分】 警告 ソダン【21分】
ワンコ【23分】
スナマコ【39分】
カガケン【49分】
カズゥ【74】

試合の感想
 アウェイ2連戦となる今節は日産スタジアムでの横浜FC戦です。横浜FCは昨年までは1度も勝てなかった相性のよくないチームですが、第1クールのホームゲームではソダンの怒濤のオーバーラップからの神ゴールが決勝点となり1-0で勝利。公式戦で初めて勝利を挙げています。
 その横浜FCは第5節でベガルタ仙台に逆転勝ちしてから12試合勝ちがなく、ここまでわずか2勝。順位も11位と振るいません。ジェフェルソンやシルビオといった身体能力の高い助っ人を擁しながらも、それに頼らないサッカーを目指していることについては評価できますが、うまく行かない時はとことんうまく行かないもの。もっとも、もう1人のトゥイードはDFの軸となっていますので、実際問題としてこの試合シルビオは出場停止、ジェフェルソンもコンディションが悪いのかベンチ入りすらしておらず、頼りたいけど頼れないのかも知れませんけどね。

 そして札幌は前節福岡を倒したメンバーそのままで試合に臨みますが、週中の練習で大事を取って休んだりしていた砂川が万全ではないためか、ベンチメンバーから徐が外れて横浜生まれ・横浜育ちの生粋の浜っ子である金子が入りました。もちろんそれが理由でヤンツーがベンチに入れたわけではないでしょうが、このかつては「横浜国際競技場」と呼ばれていた日産スタジアムには特別な思いがあるでしょうから、気合も充分だと思われます。仙台戦大敗のショックも癒えた感のある札幌は、福岡戦快勝の勢いをそのまま持っていきたいところなのですが、折しも関東地方は真夏日が続き、この日の気温も予想最高気温が33度。アウェイの洗礼にもほどがあります。
 ところで、ご存じの通りこのスタジアムはワールドカップの決勝戦が行われた場所であり、確かに立派なスタジアムです。しかし7万人収容とただでさえ大きいのに加えて基本はトラックのある陸上競技場です。さらにどこのスタジアムでも記者席はスタンドの後方にあるため、記者席に陣取るとさらにピッチが遠く、ド近眼のオレには選手がよく見えません。フハハハハハ! 見ろ! 選手がゴミのようだ!

 まぁそんなわけでキックオフですが、ここのところ開始15分以内に失点をしてリズムをつかむことに失敗している横浜FCは、何とか主導権を握ろうと開始から積極的に攻め込んできます。のっけから快調に押し込まれる札幌は小野智吉、内田に右サイドを破られるなどちょっと危ないシーンも目につき、何だかやばげな雰囲気が漂います。しかし、それでも先制したのは札幌でした。バックスタンド側相手陣内深くで得たスローイン、岡ちゃんが入れたボールは相手DFの裏をするっと抜けた砂川に渡ります。フリーの砂川が狙い澄まして上げたクロスに、トゥイードの視界外から走り込んできた元気がニアサイドで頭で合わせてゴール。チーム通算500ゴール目となる元気のゴールで先制しました。
 集中力を欠いていたと言わざるを得ない横浜FCの隙を突き、体よく先制点をゲットした札幌ですが、暑さのせいか選手の動きはイマイチ良くなく、無駄なファウルも目につきます。中盤でなかなかボールを奪えず、城に簡単にポストプレイを許してしまう状況。勝ってはいても決して旗色は良くありませんが、それでも守備陣が身体を張ってゴールを守ります。横浜FCがもっと強引に来ていたらもしかしたらやられていたかも知れませんが、攻め込まれてはいながらも決定的なチャンスは許しません。たとえて言うならばパンチはもらっているけど決定打はもらっていないという感じ。すごいよ宮田くん!
 札幌も左サイドの西嶋の右足からのゴールに向かっていくクロスに元気が飛び込んだり、FKから元気がシュートを放ったりと惜しいチャンスもないわけではなかったのですが、砂川と上里の調子が悪く中盤でゲームを作れないためか、なかなかチャンスの数自体は多くありません。見所と言えばみたびヤンツーヒールトラップ炸裂くらいで、結局前半は1点リードのまま終了します。

 後半、多少マシにはなったもののそれでも暑いまま。そのためかヤンツーは、ケガがちであまり動きのよくない上に、暑さでいつも以上に電池を消耗していた砂川を早々にあきらめ、後半開始10分にはいよいよ金子がピッチへ入ります。おそらく家族や地元の友人などたくさんの人が見に来ているのでしょう。実際交代で入ってきた時には、どっちのホームなんだかわからないくらいメインスタンドからかなり多くの拍手が飛んでいました。そんな関係者の目の前で日産スタジアムのピッチに帰ってきた金子。小学校2年生の時にリフティング3500回というとんでもない記録を打ち立て、小学生の頃からマリノスの下部組織で育ってきた彼が、まさかそこはかとなく赤黒っぽい服着て戻るとは思わなかったでしょうけど
 その金子がボランチに入り、1ボランチから田畑との2ボランチになったため、流れとしては依然として横浜FCペースではあるものの、中盤は多少落ち着いた感じ。金子はバランサーという役割上普段からあまり表立った活躍はないため、悪い時はそのまま地下に潜伏状態になりますが、いい時の金子は「地味に効いてる」選手です。まぁ攻撃において流れを変えるタイプの選手でもないので、こういったリードしている時の投入がメインとなるのでしょうけど、それでも金子のおかげでタバタンが真っ白に燃え尽きるのを回避できるというもの。
 そんなわけで流れをたぐり寄せるまでには至らないものの、1点リードしている精神的な余裕も手伝ってか、決定的な場面は許さない札幌。その余裕たるや、空条承太郎がオシリス神のダービーとの戦いで見せた余裕に勝るとも劣りません(注:かなりギリギリです)。もう1点のリードでは心許ない、できればあと1点が欲しい、でもチャンスがなかなかない。守るか攻めるかいまいち判断しかねる状況の中、待望の追加点が生まれたのは後半30分のことでした。カウンターから相手ペナルティエリアやや外でボールを受けた上里が得意の左足でミドルシュートを放つと、ボールは名手・菅野の伸ばした右手の手前でワンバウンドしてゴール向かって左隅に決まりました。ここまであまりいいプレイを見せられなかった上里でしたが、ボールを受ける前からシュートをイメージし、相手の位置をよく見てプレッシャーを受ける前に素早く足を振り抜いた一連のプレイは、練習の成果が出てきているのだと思います。またいつの間にか髪の毛が少し茶色くなっているあたり、練習の成果だけでなくちょっと色気も出てきたみたいです。
 流れをつかんでいながらも追加点を与えてしまった横浜FCはすっかり意気消沈。トゥイードを前線に上げてパワープレイを挑んできますが、そこに待ちかまえるのはもちろん、俺達のソダン。北海道の誇る天翔不沈空母にとっては、相手が190cm超えてようが関係ありません。トゥイード一人では不足と見たか、横浜FCの足達監督はさらにDFの富永を前線に投入し、ターゲットをもう1枚増やしました。ところがどっこい、我がソダンのォォォォ、ジャンプ力はァァァァァ、世界一ィィィィィ!!! ターゲットが何枚あろうが飛んでくるボールは一つとばかりに跳ね返すソダンの前に、このツインタワーはあまり機能せず。まぁ実際はパワープレイ体制の割には横浜FCがロングボール一辺倒ではなかったこともあるのですが。そうは言ってもスクランブルのツインタワーがハマった試合なんて、それこそ2002年の札幌対広島戦くらいしか見たことがないわけですが。その時にハットトリックとなるVゴールを叩き込んだのが他でもないソダン。我がソダンのォォォォ以下略。

 追加点を得た札幌はさらにイケイケとなり、得点を挙げた直後に上里と交代で入ってきた三原の強烈なミドルシュートや相川のループシュートなど見せ場はあったものの、得点は奪えずにそのままロスタイムへ。時間稼ぎもだいぶ様になってきており、問題なく逃げ切れるかと思われましたが、またしても気を抜いたか小野信義にあっさりサイドを破られ、上げられた低いクロスを池内がヤンツーのマネでもしようと思ったか、ヒールでちょこんと合わせてゴールに入れてしまいました。
 それでもまだ1点のリードを持っていたため大事には至りませんでしたが、ちょっと後味のよくない終わり方で今季7勝目をゲット。アウェイ2連戦を連勝で乗り切りました。

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