昨年内にFW前田俊介、MF高柳一誠、GK杉山哲の3選手の加入が発表されている札幌の補強状況ですが、2012年に入り新たに3選手の完全移籍での加入が発表されました。アルビレックス新潟のFW大島秀夫、FC東京のDFジェイド・ノース、清水エスパルスのMF山本真希選手が、今季札幌で戦うメンバーに加わることになります。
大島は群馬県出身の大型ストライカー。前橋育英高校から1998年に横浜フリューゲルスに加入しましたが、1年でチームが消滅して1999年から京都パープルサンガ(現京都サンガFC)に移籍。2000年まで所属するもののほとんど試合に出られず2000年オフに退団となりましたが、2001年に所属したモンテディオ山形でブレイク。2004年までの4シーズンでリーグ・カップ戦含む53得点を挙げて2005年に横浜F・マリノスへ移籍しました。マリノスでも安定した活躍を見せ4シーズンで40ゴールを挙げています。2009年からアルビレックス新潟でプレイしましたが、怪我の影響あって出番は減り、昨季は期限付き移籍でジェフユナイテッド市原・千葉でプレイしていました。山形時代の活躍が強烈すぎてどうしてもJ2っぽい選手に感じてしまうのですが、J1でのプレイ期間のほうが長いんですよね。前線で身体を張れる選手ですので、ノブリンの志向する1トップに適合する選手だと思います。となるとジオゴさんはやっぱり退団なんでしょうかねぇ。まぁ実際難しいとは思いますが、心情的にはちょっと残念。
そしてジェイド・ノースは、札幌でプレイするために生まれてきた名前を持つ選手ですが、オーストラリア生まれのセンターバック。1998年からオーストラリアの複数のクラブでプレイした後、韓国、ノルウェー、ニュージーランドでプレイ。昨季はFC東京でプレイしていました。東京では今野泰幸、森重真人という代表クラスがいたためにあまり出番に恵まれず、自分もプレイを見たことはないのですが、三上強化部長によれば「高さと速さがあり、J1でも通用する」とのこと。スピードの面はともかく181cmとセンターバックとしてはそれほど大柄ではない割には、巨漢揃いのノルウェーでもプレイしてオーストラリア代表で国際Aマッチ出場34試合の実績があるくらいなんですから、ジャンプ力はあるのでしょうね。セレッソ大阪へ移籍した山下達也の穴を埋める活躍ができるでしょうか。
最後に山本真希は静岡県出身のミッドフィールダー。清水エスパルスユースから2006年にトップチーム昇格ということになっていますが、ユース所属の2005年からトップチームにも登録されており、市川大祐の持っていたチーム最年少出場記録を更新する17歳7カ月13日でトップデビューを果たしています。トップチームに昇格後は期待されたほどには活躍できていなかったようですが、まだ24歳、ジュニアユースからの生え抜きという選手。他のクラブならまだしも、生え抜きを大事にすることで知られる清水から完全移籍での獲得。しかも0円提示を受けたわけではない選手です。移籍金制度が撤廃されたことで、弱小クラブは選手が引き抜かれるリスクも高まりましたが、その一方で弱小クラブでもこういう選手を引っ張ってこれるようにはなってきているんですね。もちろん金銭勝負では勝てっこありませんから、生き馬の目を抜くようなやり方が必要なんでしょうけどね。
そんなわけで、これでユース昇格組を除く来季の新加入は6人。これで終わりかどうかはわかりませんが、ひとまずは何とか戦えそうな感じでしょうか。もちろん大型補強というわけではないですし、どっちかというと前俊にしろ大島にしろ山本にしろ高柳にしろ、「まともに活躍できたらすごいけど、まともに活躍できるかどうかが鍵」みたいな感じで、なんとなく壊れそうなものばかり集めてしまってるような気もしますが、もとより現役日本代表選手なんて獲れっこないですもんね。磨き直せばまだまだ輝ける選手ばかりだと思いますので、ケガのないよう活躍して欲しいと思います。
あと最後に名古屋グランパスに期限付き移籍していたMFダニルソン選手の名古屋への完全移籍が発表されています。まぁ彼が出ていった(というか出すしかなかった)時点でもう戻っては来ないことはわかりきっていましたし、彼の移籍金(違約金)がなければJ1に上がれないくらいの状況じゃないかと思うので、彼には感謝するしかありませんね。次は是非コロンビア代表への復帰を見たいものです。