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サッカー百鬼夜行

第12節 対横浜FC
2003.5.14(WED) 三ツ沢球技場

横浜FC 0-0 コンサドーレ札幌
  0-0
0-0
 
スターティングメンバー
水原 GK フジ
臼井
摩周
眞中
小野
DF 西ポン
ソダン

健作
吉武
高木
U-小野信義
北村
MF 板長
中尾
名倉
三沢
マチャミ
ホー
FW King of Sapporo
岳也
臼井→早川【76分】
北村→内田【81分】
マチャミ→神野【86分】
交代 King of Sapporo→アイカー【59分】
岳也→川ロ【67分】
高木【25分】
U-小野信義【83分】
警告 名倉【58分】

試合の感想
 J2は今節から第2クールに突入。コンサドーレ札幌はアウェイ2連戦、前回の試合からまたしても神奈川県まで遠征し、横浜FCとのアウェイ戦を戦います。開幕戦でのホームゲームでは開始早々にセットプレイから失点し、直後に砂川のゴールで追いついたものの、その後はリズムをつかめないまま失点を重ねて1-3で破れています。
 その横浜FCのスターティングメンバーですが、その開幕戦で戦ったメンバーから重田がケガで欠場、前節の退場で山尾が出場停止、ちょっと情報がつかめなかったのですがファンデルフェンやルディといった助っ人選手も前節から出場していません。札幌に負けず劣らずチーム事情は苦しそうで、オレもほとんど知らない選手がスタメンに名を連ねます。吉武ってダイエーのピッチャーじゃなかったんですか

 さて、札幌のほうは相変わらず苦しいままの台所事情ではありますが、前節湘南戦のメンバーから川口が外れて2得点を挙げて勝利に貢献した和波が、前節開始早々に負傷退場したアイカーに代わり岳也がスタメンに復帰。つまり、湘南戦で得点したときのメンバーですね。よく言えば「勝った勢いそのままに」、悪く言えば「2匹目のドジョウを狙ってみた」メンバーでスタート。前節は和波が古巣を相手にゴールを決めましたから、今節は中尾の番です。昨季後半横浜FCに期限付き移籍して1ゴールを記録した中尾。まぁそのゴールは実は横浜FCのゴールに叩き込んだものなのですが、今日も横浜FCのゴールにシュートをぶち込んでもらいたいものです。
 水曜日の夜、しかも駅から遠い三ツ沢だというのにこの日も性懲りもなく集まってきた札幌サポーター、ざっと見積もって200人以上。今更ですが物好きな人たちが多いですねぇ。

 そんなわけでキックオフ。札幌はいつもの通り細かくパスをつないで…と行きたいところですが、なんつうかピリッとしません。新居、岳也、和波と昔風に言えばスーパーカートリオを並べた札幌ですが、横浜FCが引き気味に守っているためその快足を生かせるスペースがあまりありません。ならば中盤から崩してサイドへ、と行きたいところですが、板長もホーム向けにチューニングされているのかアウェイではホームほどの存在感を発揮することもなく、西田はとんでもないパスミスでチャンスを潰し、和波は突破を阻止され続け、新居はポストで潰され続け、岳也はそもそもいないも同然です。
 かといってじゃあ横浜FCが主導権を握っていたのかというと、全然そんなことはなし。札幌が勝手に自分たちにパスをしてくれているのに、そのボールをまた律儀にパスミス。お互いのパスがあさっての方向に飛び交う様を見ていると、今日の三ツ沢球技場はよっぽどミノフスキー粒子が濃いのか、あるいはスカラー波が出ているのでしょうか。そういえば、メインスタンドに陣取るお客さんがみんな白いポンチョを着ているのは白装束集団に見えなくもありません。
 とにかくお互いボールを持ってもいっこうにチャンスらしいチャンスもない、さながらサランラップ(※登録商標)の端っこを見失った時のようなもどかしい展開が続きます。健在なのはとりあえず守備陣のスペクタクルだけというなんともな前半は0-0のまま終了します。

 さて後半。ショッパい前半に対してハーフタイムにジョアン・カルロス・トシキ監督のカミナリが炸裂したのか、開始から一気に攻めに走る札幌。オフサイドラインを抜け出した新居がフリーでシュートを放ったのを皮切りに、次から次へと横浜FCゴールに襲いかかります。ようやくエンジンがかかってきました。

 10分後にエンストしたけどな。

 そこから先はもう前半と同じような感じ。後半13分、オノレが奪われたボールを追いかけていって相手選手を後ろから引きずり倒したホベにイエローカードが出たあたりで、あまりの沈滞ムードにゴール裏のサポーターも「よし! あと1枚もらって10人にしよう!」「でもウィルいないしなぁ」などという会話が飛び交います。
 そして今日も今日とて仲の悪い新居と岳也の2トップに見切りをつけ、ジョアンは新居に代えてアイカーを投入。しかしそのアイカーもポストに入って受けたボールを敵にプレゼントしたり、何でもないボールをトラップし損ねたりとイマイチパッとしません。前のほうがアテにならなくなれば、ホベが俺が俺がとなってしまう悪循環となるのはもはや必然。しかし、確かにキープ力はバツグンのホベなのですが、横浜FCの守備陣もホベがボールを持ったら左を徹底的に切る守り方をしているため、おもちゃの右足でシュートを打つかパスを出すかのどっちかしかさせてもらえず、ますます得点の予感が薄れていきます。
 相変わらずミスばかりという戦術以前の問題で、既にどうにもこうにも手詰まり状態のジョアンはついに岳也を外して川口を投入。てっきり「ソダン大作戦」かと思いましたが、いつもならおごそかに最前線まで上がってくるはずの曽田は最終ラインに控えたまま。どうやらソダン大作戦ではなく、アイカーを1トップにして1.5列目にホベが入る形のようです。キープ力のあるホベを出来るだけゴール近くに置こうという目論見は、ホベがボールを欲しがって下がってくるためにあっけなく瓦解。むしろ積極的にアイカーが孤立してしまう形となり、寂しげにピッチをうろうろする11番の姿が涙を誘います。
 とはいえ、横浜FCも横浜FCでチャンスの数自体は多いものの、シュートが枠に飛ばなかったり、ゴールポストに当たったりと拙攻の連続で得点を挙げることが出来ません。両チームともただの1点を上げることも出来ないまま時間だけが過ぎ去っていきます。「人生には3度のチャンスがある」と言われていますが、この試合を人生にたとえるとすればものすごく平凡な人生となりそうです。イヤな人生だな

 試合終了少し前にはマルセロフィジカルコーチが退席処分となるイベントはあったものの、肝心のピッチ上では何のイベントも起こることなく、0-0のまま試合終了。とりあえず負けなくて良かったとはいえ、引き分けで良かったかと言われるとそういうわけでもない、非常に気持ちの持っていき場所に困る水曜日の夜だったのでした。

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