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サッカー百鬼夜行

第30節 対大宮アルディージャ
2003.8.30(SAT) さいたま市大宮公園サッカー場

大宮アルディージャ 3-0 コンサドーレ札幌
木谷【2分】
バレー【32分】
トニーニョ【35分】
3-0
0-0
 
スターティングメンバー
カワシー GK フジ
野ロ
戸新野
奥野
ムラ
DF 岡ちゃん
ソダン

三沢
木谷
斉藤
安藤
伊藤アキラ
MF 瓜田
ゴンザレス
砂川
尾藤
衛士尊
馬齢
FW 岳也
偽俺王
斉藤→氏家【73分】
衛士尊→モリツァ【72分】
野ロ→松本【87分】
交代 尽→吉川【45分】
岡ちゃん→King of Sapporo【77分】
ムラ【52分】
カワシー【61分】
衛士尊【73分】
警告 瓜田【25分】
尾藤【79分】

試合の感想
 新潟に大敗してから一向に勝つ気配を見せないコンサドーレ札幌。サポーターの気分も退廃しっぱなしなのですが、それでも試合は行われる8月最後の土曜日、大宮公園サッカー場で大宮アルディージャとのアウェイ戦を戦います。第2クールのホームゲームでは6得点という思わぬ大勝を収めた札幌ですが、今となってはそれがロウソクが燃え尽きる前のアレのような印象さえ受ける今日この頃。対する大宮も調子がいいとは言えず、勝ったり負けたりの繰り返しで、47失点でリーグ9位の失点数と堅守といわれた守備陣もどこへやらといった感じです。
 その大宮、前回の試合でも書いた通り元札幌の村田達哉(前ベガルタ仙台)がスタメン出場。安藤、野口、伊藤と、助っ人を除くフィールドプレイヤーの半分が三十路選手というスタメンとなります。

 対する札幌は前節2枚イエローで退場した中尾と、累積警告の板長が出場停止。張監督は就任以来採用してきた3バックをあきらめ4バックに戻し、サイドバックには岡田と和波が久しぶりに登場。尽とソダンのセンターバックに、ダブルボランチがウリダと今野、2列目にビタウと砂川、アンドラと岳也の2トップ。2人出場停止で人数が足りないため、ベンチメンバーには吉川が今季初めて名を連ねています。
 まぁおそらくはジョアンが続けていればこうなっていたであろうと思われる布陣です。付け焼き刃の3バックより4バックのほうがまだ可能性はあるということなのでしょう。

 大宮公園サッカー場はさほど大きなスタジアムではないとはいえ、ゴール裏をぎっしりと埋め尽くした札幌サポーターの見守る中キックオフ。

 失点。

 早っ!

 開始から軽快に攻め込んだ札幌ですが、ゴール正面のFKから木谷に決められわずか2分で失点。そういえば前回もこのくらいの時間に失点してましたけど、そんなに好きですか。失点が。
 今日もまたビハインドを負っての試合を余儀なくされたわけですが、試合のペースとしては札幌。今までは見られなかったワンツーを駆使ししたり、本職の位置に入ったウリダが持ち前の視野の広さを生かし、次々とチャンスを生み出します。しかしチャンスは作れどもとにかくシュートが枠に飛ばないのも相変わらずで、有り体に言えば決定力不足ということになるのですが、打つシュートはことごとくポストに嫌われたり、はたまたお話にならないシュートだったりと、やきもきさせる展開が続きます。
 1点リードした大宮としては、人数をかけて守って、前がかりになった札幌にカウンターをお見舞いするという予想通りの戦い方。初対戦となるエジソンは、前にいたフィナージと違って上背はないものの運動量と足元のうまさはあるようで、彼のお陰でセンターフォワードとして専念出来るバレーがよりゴールに近いところで勝負出来ています。札幌としてはバレーはゴールから離しておけばさほど怖くはありませんから、カウンターを喰らうリスクは承知の上でまず彼へのパスを封じておかなければなりません。つまり臭いものに蓋をするのではなく、匂いをもとから絶つわけです。
 ところが、本来ならその中盤で掃除屋の役目をするべき今野が、ケガを押しての強行出場のためか絶不調。前節は代表合宿を経て目覚めたかに見えましたが、前節を100とすれば今節は20~30程度の出来です。そのため相手を中盤で潰すことが出来ず、たびたびカウンターを許す場面が見られます。そして案の定32分、村田からのクロスをバレーに頭で決められリードを広げられてしまいました。そんなに好きですか。失点が。
 もう何度見たであろう予想通りのオチに気落ちしたのか、そのわずか3分後にはコーナーキックからトニーニョに頭で決められ、前回の対戦の借りを返されたかのように前半だけで3点を失って後半を迎えます。やっぱり好きなんですね。失点が。

 もう攻めるしか手は残されてないはずの札幌ですが、後半に向けて張監督の打った手は、なぜか尽に代えて吉川を投入するという、DFの交代のみ。狙いとしてはソダンとの筑波大コンビを形成して学歴社会に弱い日本人を気後れさせる作戦と見ましたが、残念ながら大宮の2トップはブラジル人でした。それでも一部では2ちゃんねらーの噂もある今季初出場の吉川は、「バレー逝ってよし」「元U-17代表ですが何か?」「よーしパパ出場給もらっちゃうぞー」などの2ちゃん用語を駆使してプレイ。しかし残念ながら大宮の2トップはブラジル人でした
 それでもなんだかんだで後半も札幌が攻め続ける展開。スペースに走ればウリダからパスが出てくるので、前半こそ遠慮がちだった岡田も後半はボールに絡みます。久しぶりに見た彼はやっぱり平間っぽいのですが、とにかく札幌が攻める時間が長く続きます。とはいえ、そもそも3点もリードしている大宮はそんなに無理をする必要はないわけですから、どちらかといえば攻めているというよりは攻めさせられているという印象です。その証拠に、ゴール近くまで攻め込んでもどこを切り取っても大宮アルディージャ、と言った感じでオレンジのユニフォームがわらわらと沸いて出てきます。たまにシュートチャンスを作っても器用に枠を外したりクロスバーに当てたりと前半と同じようなシーンの連続で、パチンコでいえば「回ることは回るけどノーマルリーチばっかりで、スーパーリーチも不発」という状態です。おいちっともこねぇぞこの台。もう1箱飲まれちまったじゃねぇか。
 追いつくどころかただの1点すら返せない状況の中、張監督は早めに新居を投入するでも西ポンを入れてウケを狙うわけでもなく、時間が過ぎ去るのをただ見守るのみ。残り15分を切ってからようやく新居を投入して3トップへ。しかし引っ込められたのは既に電池が切れていた砂川ではなく、後半は割と動きの良かった岡田でした。とりあえずその新居も積極的にシュートを放ちますが、うまく行かない時は何をやってもうまく行かないもので、ドンピシャのヘッドも得点には至らず、気がつけばもうロスタイム。
 結局交代枠を一つ残したまま、あとは守るだけの大宮を最後まで崩すことが出来ずタイムアップ。DFが3人だろうが4人だろうがダメなものはダメという虚しい結論だけが残ったのでした。

印

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