? ヤンツー烈風隊
サッカー百鬼夜行

第11節 対サガン鳥栖
2004.5.9(SUN) 鳥栖スタジアム

サガン鳥栖 2-1 コンサドーレ札幌
佐藤大【29分】
竹村【62分】
1-0
1-1
新居【74分】
スターティングメンバー
富永 GK フジ
朝比奈
佐藤A
山道
DF ソダン
パパ
キチ
小石
グリ
本橋
よしろー
MF 岡ちゃん
直太朗
暴れん坊
イチ
スナマコ
アキラ
佐藤B
竹村
FW 岳也
アイカー
アキラ→矢部【63分】
佐藤B→下司【87分】
交代 岳也→King of Sapporo【33分】
アイカー→清野【56分】
スナマコ→タバタリアン【77分】
小石【05分】
竹村【89分】
警告 岳也【17分】

試合の感想
 第1クール最後、同時に2週間で5試合という、「一袋500円」の飴のつかみ取りみたいに詰め込めるだけ詰め込んだ感のあるゴールデンウィークシリーズの最後の試合でもあります。さんざっぱら試合を詰め込まれた挙げ句の果ての最後の試合がよりによって一番札幌から遠い場所で行われます。もちろん、相手はサガン鳥栖。全27のJクラブのうち、経営的な心配がいらないのはJ1の一部チームだけ。あとのクラブ、とりわけJ2のほとんどのチームはどこも経営状態は楽ではないのですが、その中でも危険中の危険、「ミシュラン」の格付けで言えば三つドクロで決まりというクラブがこのサガン鳥栖です。(注…ミシュランの格付けにドクロはありません)
 1999年のJ2スタート以来J1経験はなし、最高順位が2000年の6位で、あとはいずれも下位に低迷、昨季は44試合でたった3勝しか出来ず、経営難からついにJリーグからも最後通告を突きつけられるなど、まさしく一寸先は闇な状況。「誰かに合わせてくるぞー」で有名な松本育夫氏を新社長に据えたはいいものの、いつの間にか監督になっていたという、相変わらずのドタバタぶりも見られていますが、その松本監督の指導の元、ここまで早くも3勝と昨年の勝ち星に並んでいます。

 さて、ミシュランで言えば二つドクロ確定であり、目くそ鼻くそなのが我らがコンサドーレ札幌(注…ミシュランの格付けにドクロはありません)。昨年の鳥栖の如くここまでわずか1勝で最下位という成績です。ここまで4連敗の札幌と前節京都にアウェイで引き分けた鳥栖、チームの勢いとしては明らかに差があるわけですが、ヤンツーが選んだのはやはり前節と同じスターティングメンバー。ここまで来るともはや意地でしょうか。
 この試合に勝てば、湘南の結果次第とはいえとりあえず最下位は脱出可能な状況。まぁマクロな視点で見れば11位も12位も大して変わらないのですけど、とりあえず気分的には多少はマシです。レベル的には自分より足がクサい人を探すようなもんですけどね。

 さてキックオフ。3千人に満たない鳥栖スタジアムでの試合ですが、数は少ないながらも鳥栖のサポーターは元気です。しかし…言っちゃ悪いけど…うーん…。鳥栖の応援って、念仏な上にラッパが異常にヘタ…。イヤ、オレだって人のことは言えないのですけど、札幌の選手たちも気温22度、湿度82%という、北海道在住者には過酷な気候差の環境で、前節から中2日での長距離移動の末にまさか精神攻撃まで受けるとは思わなかったでしょう
 そんな感じで、さながら不思議時空と化した鳥栖スタジアム。これがシャイダーなら負けることはないのですけど、残念ながらコンサドーレにバビロス号はありません。つうかそもそもコンバットスーツがない。そんなわけですから札幌は立ち上がりからズタボロ。単純なパスミスやトラップミスを繰り返し、ろくに攻撃も出来ません。
 パッと見調子の悪そうというか身体が動いてなさそうなのが、西澤、吉瀬、ソダン、中尾、智樹、岡田、市村、砂川、相川、岳也。早い話が全員なんですけど、中でも砂川がもう見ていて気の毒なくらいヨレヨレです。前回の観戦記で「エクトプラズムが見える」と書きましたが、この節の砂川はエクトプラズムを通り越して幽体離脱完了といった趣で、マジでなんか出てます。というよりかは砂川自身が半透明化してるんですけど。
 とまぁ、そんな按配なわけですから、当然守備だって常に後手後手を踏むより他になく。はっきり言えば鳥栖の攻撃も小石の突破と本橋のフリーキック以外はさほどの脅威はなかったんですけど、前半29分にいつものように失点。得点を決めたのは佐藤大実ですが、その直前に右サイドでその小石に市村と吉瀬がまとめて交わされた時点で勝負あり。相手の武器に注文通りにやられるあたり、宇宙刑事どころかまるっきり悪役じゃんそれ
 失点をしてからはそれまでに輪をかけててんやわんやの札幌。むかし「てんやわんや」という漫才コンビがいましたけど、それとはまったく関係なくまるで得点はおろかシュートの匂いすらしない状況にさすがの業を煮やしたか、前半34分にははやばやと岳也をあきらめ新居を投入します。イヤ、ゲットゴールせずにゲットカードばっかりしてる岳也もまぁ変えられても仕方ないですけど、それよりもスナマコですよ! 早く代えてあげないと! だって身体が消えかかってますよヤンツー!

 んでもって前半は1点ビハインドのまま後半、おそらくはハーフタイムにヤンツーにこってり絞られたはずですけど、それでも笛吹けど踊らないコンサドーレイレブン。スナマコの身体はもはや限りなく透明に近いブルーです。それでもヤンツーが次に清野と交代させたのは相川。その3分後には西澤のパスミスから再び小石に左サイドを破られ、竹村に押し込まれて本日もまた2失点目を喫してしまいました。
 1試合に2点取れたのはここまで開幕戦のみという札幌にとって、事実上トドメを刺されたに近い2点目をくらってしまった札幌。その後も前半と同じようなしょぼしょぼの内容で、札幌の選手は信じられないミスを連発。雨をたっぷり含んだ鳥栖スタジアムのピッチは予想以上にボールが滑ることに戸惑っていたのかもしれませんが、追いつくどころか1点を返すことすら難しそうです。しかしそれでも後半30分、智樹が砂川とのワンツーから一気にペナルティエリアに侵入すると、フリーで待ちかまえていた新居へパス。このボールを新居が落ち着いて蹴り込みなんとか1点を返しました。
 ユースラインで1点差に詰め寄った時点で、ようやくヤンツーは砂川をベンチに下がることを許してくれました。危ないところだったと思います。あと5分交替が遅れていたら、砂川はきっと三途の川を渡りきっていたことでしょう。代わりに田畑が入り、中尾がトップ下の位置に入りましたが、状況的にはあまり変化はなし。甲子園に行って殺人事件が起きたり、別荘に行って殺人事件が起きたり、テーマパークに行って殺人事件が起きたりすることもなく、どっちも何となくチャンスと思えばチャンスと言えなくもない要素が法律的に義務づけられている程度にまで含有されていると認められるようなシーンがないわけではなかったのですが、どっちにしたって得点が入ったわけでもなく、そのまま2-1で試合終了。結局最下位から逃れることは出来ずに第1クールを終了したのでした。

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