2007年Jリーグディビジョン2第42節
コンサドーレ札幌 3-0 モンテディオ山形
得点者:札幌/ダヴィ2、征也
山形/いません
絶望した!
イヤ、勝ったんだっけ。
そんなわけでここ5試合で得た勝点はわずかに1というどん底の札幌は、ホーム厚別公園競技場でモンテディオ山形を相手に3点を奪い6試合ぶりの勝利を挙げました。前回勝ったのも山形でした。2004年から2005年にかけては、対山形戦の成績は8試合で1勝7敗という大変見事な負けっぷりを見せていましたが、2006年は1勝3分となかなか勝てないながらも負けはなくなり、今季は4試合で3勝1分とすっかりお得意様状態。時代は変わるものというか、あれだけツンだった山形がこんなにデレになるとは思わなかったですね。
まぁその理由としては、やはり山形の戦力が年によって大きく変わるというのが一番大きいかも知れません。活躍すると引き抜かれ、というのはJ2チームにはつきものですが(J1も代表のレギュラーに名を連ねるになるとだいたい海外に移籍したがるようになる「スラムダンクの谷沢くん現象」が見られるようになりますけど)、山形の場合は特にそれが顕著で、毎年主力が抜けチームが大きく変わることが多いためでしょう。山形に滅法弱かった2シーズンに山形に在籍していた大塚真司が札幌に移籍してきたのが2006年。大塚が山形にいた頃に唯一勝った試合は、当の大塚は出場停止だったという非常にわかりやすい理由もあります。まぁ大塚いなくても負けたことはありますんで、それだけが理由というわけでもないんですけどね。
しかし、この試合大塚はスタメン落ち。もともと豊富な運動量と対人守備の強さが売りの選手ですが、ここにきてさすがに疲れもたまってきたのかプレイの精度を欠いているのも事実。札幌の攻略法としてザスパ草津の植木監督が編み出した(?)「ラインとラインの間に人を入れる」という戦略への対抗策としてスタメンに名を連ね、そしてしっかり答えを出してましたし、この試合は横浜FCから期限付きで加入したMF鄭容臺が大塚の代わりにスタメン出場し、そして及第点以上のパフォーマンスを見せて勝利に貢献していましたが、この容臺もタイプとしては大塚とほぼ同じ特徴を持つプレイヤーですから、大塚が万全であれば3連敗することもなかったとは思うんですけどね。まぁ、「敵だったときは手強かったのに味方になるとさほどでもなくなる」と考えると、古き良き週刊少年ジャンプの王道っぽくてそれはそれでいい感じなんですが。
札幌が勝てなかった頃の山形というのはとにかく鬼のようなプレスで2~3人があっという間にボールホルダーを取り囲み、奪ったらそのまま怒濤のように選手が飛び込んできて、なんにもさせてもらえないうちにゴールされてたという感じのサッカーだったんですが、ここの所の山形は戦い方自体はそれほど変わっていないものの、ゲンナリするような守備は影を潜め、特にこの試合は中2日でのアウェイゲームということもあり全体的に山形選手の動きは鈍く、結果として札幌がやりたい放題に近い試合ができました。
それでもなかなか点が奪えないあたり、札幌もやはり完全復活とまでは行かないようで、あまたのチャンスを作り出しながらも点は奪えません。うまく行ってないチームというのは、こういう時に早く点を取りたいと思うあまりに焦って攻め込んでしまい、景気よくカウンターを喰らったりセットプレイで守備の集中を欠いてぼかーんとやられたりするものですからね。特に連続得点試合が途切れてからは3試合得点がなかった札幌にとっては、いいときの心理状態は望めないわけですし。
そういう意味では、前半44分のダヴィのゴールはチームを救ったと言えるでしょう。得点の取り方もよかったですしね。DFラインとGKの間に速いクロスを送り、元気がニアサイドに飛び込んで相手の注意を引きつけてファーのダヴィが決めるという理想的なパターンでした。相手のミスに乗じてのものではなく、攻撃が機能したという点では自信を取り戻せる得点だったと思います。
そして後半開始早々にCKからダヴィが奪った追加点も同様に、札幌の命綱だったセットプレイからの得点ということでやはり大きな意味のある得点でしょう。同時にダヴィにとっては久しぶりの1試合2ゴール。通算ゴールを14に伸ばしました。しっかりイエローカードもゲットし、カードの枚数も14に伸ばしています。この試合終了時点でセレッソのアレーと並んで最多タイ(2位はフッキ)。話はちょっとずれますがざっと各選手ごとの警告数を調べてみたら、ブラジル人選手の警告数が飛び抜けて多いんですよね。10回以上の警告を受けている選手の中で、各チーム3人ずつ以下しか出られない外国籍であるブラジル人選手が半分以上を占めています。それだけブラジル人は気性難な人が多いのかとも思いますが、今までの札幌のカードゲッター(エメとかフッキとか中尾とか)の例と照らし合わせても、取り立てて問題児にも麒麟児にも浮浪児にも見えないダヴィが多くの警告を受けているのは、やはりあのめんこさにダマされているのでしょうか。
まぁそれはともかくとして2点のリードを得た札幌。しかしよく言われることですが、サッカーにおいて2-0というのは一番危険な点差です。特に不調に陥っているチームにとっては、もし1点を返された場合、「まだ1点勝っている」という心理ではなく「もう1点しか勝っていない」という心理状態に陥ってしまい、同点あるいは逆転までされてしまうことが多いもの。それなりに長くサッカーを見てきた中で、そういう試合を何度も目にしてきました。締切なんかでも「あと2日ある」ではなく「あと2日しかない」と思うと、焦ってしまってはかどらないとかよくありますよね。従いまして「次の1点」をどちらが取るかが勝負の分かれ目となるわけですが、その辺りがわかってるのか、それとも今までの鬱憤をピリッとしない山形にまとめて晴らそうという外道なことを考えていたのか、とにかく2点で守りに入ろうという意志はさらさらないようで、攻撃の手を緩めません。
そしてダメ押しの追加点が生まれたのは後半38分。ちょっと目を離すととんでもないところにいたりする池内が左サイドのオープンスペースに出したパスに砂川が追いつきクロス。この時ペナルティエリア内には、普段は2人くらいしかいないくせに、この時ばかりはネジが一本外れたかのように4人くらいが殺到していたんですが、砂川の体勢が充分ではなかったため、ふわりと浮いたボールは珍しくたくさんいた札幌の選手たちをあざ笑うかのようにことごとく無視して逆サイドに流れていきハイそれまでよ、と思いきや、走り込んでいた征也がダイレクトで合わせて蹴り込み3点目をゲット。2つのアシストを決めた後にゲットしたゴールのご褒美は、芳賀主将のチョップでした。
その後は危なげなく無失点で凌いだ札幌が3-0で勝利。久しぶりに札幌の首位らしい試合を見たわけですが、逆に山形はほとんどいいところなし。唯一ハッとしたのは、後半頭から投入された山形の根本亮助の岳也っぷりくらいでした。
コメント (1)
「敵だったときは手強かったのに味方になるとさほどでもなくなる」
うーん、コンサにくると最初声を出しててもだんだん大人しくなったりしますね。
スーパーロボット大戦では、「さほど」どころかHPもENも攻撃力も激落ちで使えない場合が多いです。
投稿者: 親ばか | 2007年10月 6日 10:54
日時: 2007年10月 6日 10:54