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2010年10月29日

学徒動員の甲斐もなく

2010年Jリーグディビジョン2第30節
コンサドーレ札幌 1-1 ヴァンフォーレ甲府
得点者:札幌/三上
     甲府/パウリーニョ

 今更ながら甲府戦。

 全38節のJ2リーグもいよいよ第30節に突入。札幌はホームで現在リーグ2位につけているヴァンフォーレ甲府との対戦となります。札幌はこの試合を含めてあと残り9試合。3位のアビスパ福岡とは既に勝点18の差をつけられており、一応数字上はまだ札幌が3位になる可能性は残っていますけど、サッカーの常識から言えば完全にアウトといえる差です。「1日全コマ履修して全単位取れば数字上はあと1年で卒業できる!」みたいなもんです。大学時代のオレのことですね。もちろん、ダメでした。
 まぁそんなわけですので今の札幌の楽しみがあるとしたら、上位イジメ以外にありません。どうせもう主役にはなれないのなら余計なときに余計なことをして余計な存在感を発揮するのが生きる道。とはいえ甲府には2005年の7月9日第20節で3-1で勝って以来、あの伝説のロスタイム3失点を含め実に5年間もリーグ戦での勝利がありません(一応天皇杯では2006年の第86回大会の準々決勝で勝利)。もっとも2006年から2007年は甲府がJ1に、2008年は札幌がJ1に昇格し甲府がJ2に降格したため、その間まるまる3シーズン対戦がなかったのですけど、甲府がJ1昇格を果たすにしても勝ち逃げされるのはいい気分じゃないですし、そうじゃなくても苦手意識は払拭しておきたいところ。

 というわけで厚別でのこの試合、万全を期して臨みたいところ…ですが、札幌の状況は万全どころかますますひどくなる一方。週中にMFパクジンスの退団が発表され、そしてU-20世界選手権のアジア予選で怪我をして帰ってきた古田も、実は全治3ヶ月の重傷だったことが判明。既に退団している趙晟桓に加え朴も退団、李漢宰、キリノが怪我で離脱中という外国籍選手総崩れ状態に加え、岩沼俊介、藤田征也、そして宮澤裕樹も戦線離脱と、そうでなくても少ない選手がさらに減ったたため、再びU-18所属の三上陽輔の学徒動員と相成りました。
 そして、もはやJ2でも一番悪いんじゃないかとも思える厚別の芝は、前回のFC岐阜戦の翌週は札幌は試合なし、その翌週は天皇杯でのアウェイ遠征と、少し試合間隔が空いたおかげと、もちろんその間のスタッフの努力もあったのでしょう、3週間でずいぶんマシになったようです。それでもSDのスカパー!ではっきりわかるくらいのつぎはぎで、完全にいい状態になったとは言えない感じです。これまでのチームは思った以上のピッチの悪さに手を焼き、札幌もそれは同様だった反面、それに助けられたこともあったのですが、194cmのマイクを擁する甲府にとってはシンプルなサッカーなんてお手のもの。かつては大きさの割にはあまりポストが得意ではないタイプだったのですが、J2を渡り歩いているうちにそのあたりの強さを身につけたようで、さらにその周りを個人技に優れたマラニョンやパウリーニョ、藤田健が固める布陣は強力です。この3人は人相も強力ですよね。夜道で会ったら無条件に謝ってしまうレベル。

 そして予想通り試合開始から完全に割り切ったサッカーを展開してきた甲府に対しても、いつもの通り開始早々こそ札幌がペースを握ったものの、20分を過ぎたあたりから徐々に甲府の3トップにゴリゴリ押し込まれてきます。マイクにボールが収まり出すとそこからあっちこっち動き回るブラジル人2人のマークがズレ初めて来ます。そして28分、左サイドから崩されてパウリーニョをフリーにしてしまい、ゴールを決められてしまいます。反撃を試みる札幌も内村を中心に何度かチャンスを作るものの、決めることができずに前半は1点ビハインドのまま終了。

 後半、早めに追いつきたい札幌ですが、そのチャンスは意外に早くやってきました。後半開始早々の2分、左サイドを細かくつないで折り返したボールを詰めていた三上が押し込んでゴール。札幌ではあんにゃろこと新居辰基に次ぐ史上2番目の若さでのゴールとのことですが、高校生のリーグ戦ゴールというのはもちろんチーム史上初。現役高校生とか初とかなんとなくエロい単語が並んでるような気がしますが、サッカー百鬼夜行は健全なサイトです。
 まぁそんなわけでユース所属の選手が決めたことはもちろん、ゴールに至るまで高木のキープから芳賀→内村→岡本→西嶋→岡本→高木→三上と実に6人が細かいパスをつないだもの。贅沢を言えば少し手数をかけすぎなような気もして、ゴール前に今まで散々手を焼かされていたダニエルがいたらどうなってたかな、と思わないでもありませんが、西嶋からのパスを岡本が受けた時点でペナルティエリアの中には6人の甲府選手がいたにもかかわらずそれを突き破った展開はお見事だったと思います。
 これをいつも…とはいわないまでも繰り返しできるといいのですが、やはりパスが多ければそれだけミスの確率も増えますし、やっぱりそのあたりのミスを減らすというところを徹底していかないと、継続的な得点力のアップというのは難しい気はしますね。現に、同点に追いついてからしばらくはペースも握り、同じような展開に持ち込めるチャンスもあったのですが、どうにもその辺が邪魔をして得点には至らず。

 結局試合は1-1の引き分け。ベストメンバーとは程遠い状況の中で甲府の強力3トップを相手に1点に抑えたことも今までを考えれば上出来かとは思いますが、ひとまず対甲府戦未勝利は継続となりました。

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