2010年Jリーグディビジョン2第32節
コンサドーレ札幌 0-1 ザスパ草津
得点者:札幌/なし
草津/ラフィーニャ
アウェイでのカターレ富山戦に勝利し、昇格消滅確定になんとか首の皮を1枚繋げた札幌は、今節はホーム厚別に戻ってのザスパ草津戦。ただし可能性が残ったとはいえ前節で3位アビスパ福岡がギラヴァンツ北九州に2-0でキッチリ勝って勝点を55に伸ばしているため、この試合で札幌が勝ったとしても夕方からの試合で福岡が徳島ヴォルティスに勝てば、その時点で札幌の昇格の可能性はゼロとなります。昔も同じこと書きましたが、要するに「皮一枚で繋がってるけどクビ自体は既に切れている」状態。あとはその皮がこの試合で切れるか夕方に切れるか来週切れるか、あるいはもう少し繋がったままなのかということであり、どのみち切れるのは確定ならいっそのこともう切れちゃったほうがいいのか。治りかけのカサブタは貼っておいたほうがいいのか、それともかゆいから思い切ってはがしちゃったほうがいいのか、国民を二分するほどの大命題に絡めずとも結局のところは「いいから勝て」の一言に尽きるわけです。
そんな感じの試合でもいつもの通りの野戦病院を通り越したガダルカナル島状態で、「立ってるものは学生でも使え」を地で行っていた札幌ですが、離脱していた藤田征也と岩沼俊介がようやく復帰。既に2人くらい復帰したところで大きく状況が変わるわけでもないですが、それでも稼働人員が少しでも増えればありがたい、ということで岩沼はベンチスタートながらも、征也は容赦なく復帰即スタメン。哀しいけどこれがコンサドーレなのよね。
前節カターレ富山戦に引き続き札幌が試合を支配する展開。富山が19チーム中18位、そして草津が同じく16位と下位にあえいでいるチームが相手とはいえ、これまでは上位相手はもちろん、下位相手でもあんまり褒められた内容の試合ができなかったことから考えれば、力関係なりの試合はできるようになっているということでしょうか。惜しむらくは今は既に昇格がほぼ絶望となっているということですね。打ち切りが決まってから面白くなった連載漫画じゃあるまいし、実質終わった後から本気を出されても困るんですけど。
ただし、それで試合に勝てるかどうかというのはまた別問題。富山戦でもほぼ一方的に試合を支配しながらシュートが少なかったことが気がかりでしたけど、この試合でも前半は相手にシュートを1本も許さないほど圧倒的にペースを握っていながら、こっちが打ったシュートもたったの2本。それでも富山戦は棚ぼた的な1点が入りましたけど、この試合ではその数少ないシュートも全部枠の外でして、前半これだけ攻めて1点も取れなかった時点で、0-1で負けるフラグがプンプン。
そしてそういう予感だけはキッチリ当たってしまうのですから困ったものです。後半15分、オフサイドトラップのかけそこねかそれともいつもの天然ミスかどうかはわかりませんが、熊林の浮き球パスでラフィーニャに裏を取られ、そのまま決められ先制を許してしまいます。
草津にとっては、点が入ってしまえばいわゆるコンサドーレ相手の最強手段「とりあえず守れ」でいいわけで、実際そうやってゴール前を固められるとなんにもできないのが札幌がこの順位にいるひとつの理由。何とか相手を動かそうとパスを回してはミスでボールを失うか、かえってサイドに追い詰められて苦し紛れに適当なクロスを放り込むか、もう今季というか5~6年くらい前から散々見飽きたシーンの連続。当時から残っている選手なんてもう砂さんやカズゥ、大ヒロくらいしかいないのに、札幌の伝統は脈々と受け継がれてきているようです。できれば受け継いで欲しくないんですけど。
そんなわけで、悪い予感の通りただの1点すら返すことができずにそのまま試合終了。ひたすら徒労感だけが残る典型的な「アトランタ試合」で、今季の厚別最終戦は終了したのでした。