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2010年12月23日

イナズマ(のようにいなくなった)イレブン

 まだまだ止まらない札幌の主力流出劇。噂されていた石川直樹、藤田征也両名のアルビレックス新潟への移籍が正式に発表され、もひとつおまけに西嶋弘之の徳島ヴォルティスへの移籍も正式に発表されました。

 西嶋も噂レベルではJ1に昇格が内定したヴァンフォーレ甲府がオファーを出しているという話を聞いていましたが、実際は甲府ではなく徳島へ。西嶋は2004年の途中にヴィッセル神戸から加入。彼が最初に加入したサンフレッチェ広島時代を含めてもトップチームでの試合出場経験がなく、先代の背番号6だった大森健作の後釜として通用するかどうかは未知数だったのですが、札幌に加入し、おばあちゃんと手を繋いで初めてJリーグのピッチに立って以来、持ち前のサッカー頭の良さでチームの中核に成長。以来6シーズン半の間、監督もヤンツー、みうみう、ノブリンと監督が入れ替わっても必ずほぼスタメンに名前を連ね続けてきました。180cmとDFとしてはそれほど上背のあるほうではないながらも意外にジャンプ力やシュート力もあり、セットプレイでの得点源にもなっていました。突出したストロングポイントがあるわけではないですが、トータルでバランスの良い選手であることや、左右のサイドバックやセンターバック、ボランチまでもこなす器用さもあるだけに、今回の移籍に際しては戦術の甲府を含め5クラブが競合したそうです。
 そしてその中から最終的に徳島への移籍を決断。第36節で決勝ゴールを挙げた後のインタビューにおいて感極まって涙ぐんだのはいまさらながらそういうことだったんだと思うわけですが(相手が当の徳島だったことはあまり関係ないでしょうけど)、一説によれば徳島は札幌の倍の給料を提示したと言われております。本当かどうかはわかりませんが、現在28歳とサッカー選手としてはキャリアの終盤にさしかかった年齢で、自分のプレイに高い値段をつけてくれるところを選ぶのは、プロとして当たり前の話。オレだったら仕事内容がほとんど同じで今の給料の倍出してくれる会社があったら、確実に飛びつきますもん。まぁ、サラリーマンにそんなうまい話なんて滅多にないですけどね。
 それにしても給料倍とは思い切りましたね。現在西嶋が札幌でいくらもらっていたかはわかりませんが、彼の貢献度からすれば決して(チームの中では)安いほうではなかったはずですから、その倍ということは相当な金額ですよね。さすがに大塚製薬という大企業をバックにもつ徳島だけに、資金力はあるんでしょう。豊崎愛生の出身地ですし(無関係)。
 しかしまぁ、これで今季の背番号1番から8番までが退団することになりますね。ゴンは今のところ残る方向でいるみたいですが、もし彼まで退団ということになれば、前代未聞の「背番号一桁全滅」ってことですか。まとめてみるとこうなります。

#1 佐藤優也→ギラヴァンツ北九州へ完全移籍
#2 吉弘充志→契約満了により退団・愛媛FCへ完全移籍
#3 藤山竜仁→契約満了により退団
#4 石川直樹→アルビレックス新潟へ完全移籍
#5 箕輪義信→契約満了により退団
#6 西嶋弘之→徳島ヴォルティスへ完全移籍
#7 藤田征也→アルビレックス新潟へ完全移籍
#8 砂川 誠→契約満了により退団

 うん、キレイにいなくなりましたね。ここまで来るとむしろオラすっげえワクワクしてきます。

 西嶋にせよ征也にせよ石川にせよ、プロサッカー選手が現役でいられる時間はそう多くないですから、その中でチャンスがあれば積極的につかみ取りたいと思うのは当然の心理。とはいえ、彼らの望むもの、つまり「高いレベルで挑戦したい」、「お給料いっぱいもらいたい」、「声優さんと合コンしたい」などなどは今の札幌では到底実現できない、つまり札幌にいても給料も上がらないしJ1への挑戦が実現できるわけでもない、もちろん声優さんとも合コンできないと判断された上での決断であることは、仕方がないで済ませていい問題でもないと思います。最後のはどうでもいいですけど。特に西嶋が結果として同じJ2のチームに引き抜かれたってのは、札幌の立場は今までとは完全に逆転したというのを認識せざるを得ないわけで。
 彼らが抜けた穴を埋めるために、選手をどこかのチームから借りてくるか、フリーの選手を集めるかはわかりませんけど、どのような方法を採ろうとも、「お金がないので緊縮財政」をやっている限りは、新たに加入した選手たちが活躍したり、ユースの選手が成長したところで結局は同じことを繰り返すだけ。J1昇格どころか他チームの養殖場として生きていくしかなくなるわけです。「育てて売る」方針自体は否定しませんし、地方の弱小クラブが生き残るにはそれが必要なことなのもわかりますけど、選手たちの地元愛やチーム愛だけに甘んじていてはいけないと思います。愛ほど不確かなものはないですよ?

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コメント (1)

親ばか:

 タイトルを見て「まだ8人じゃないか」と思いましたけど、本当に11人くらいいなくなりそうな勢いで恐ろしいです。
 「赤黒き血のイレブン」だと思っていましたが、やはり血は赤かったようです。
 まあ緑だといいはった人も世の中にはいましたけど。

 愛ほど不確かなものはない・・・・たしかにそうですね。チームを去る選手には来年この曲を聴いてほしいです。
 「愛、おぼえていますか」

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