2011年Jリーグディビジョン2第1節
愛媛FC 2-0 コンサドーレ札幌
得点者:札幌/おりません
愛媛/ジョジマール、赤井
先日、娘(PVC製)を連れて近所を散歩していたら、サッカーボールを持って公園に向う小学校低学年の男の子2人とすれ違いました。そのうちの片方の少年がもう1人に対して「なぁ、俺、弱気出していい? 弱気!」などと言っているのが耳に届きました。弱気出すって何のことだ? という当然の疑問は言われたほうの少年もあったのか、それに対すして返答しなかったのですが、少年はかまわず「俺、お前の実力を見てやる。だから弱気出すぞ!」
ああ、この少年はきっと「本気を出す」と言いたいのだろうなぁ、日本語は正しく憶えようね、とその時は思ったのですが、土曜日に開幕したJ2リーグ、愛媛FCとのアウェイ戦において、溢れんばかりの弱気を発揮して愛媛の実力を遺憾なく引き出したコンサドーレ札幌を見ていたら、少年の言っていた「弱気を出す」という言葉はもしかしたら間違いではなかったのではないかと思いました。
DF日高拓磨、MF三上陽輔、GK高木貴弘といった主力に怪我人が続出し、開幕には間に合うかと思われたMFアンドレジーニョやMF古田寛幸も結局は間に合わず、主力としての活躍を期待されていたDFチアゴはコンディション調整が遅れている状態。それでもリーグ戦が待ってくれるはずもなく、当初想定していたであろうベストメンバーには程遠いメンツで迎えた開幕戦。昨季は12勝12敗12分、得点34失点34という計ったようなぴったり成績を挙げた愛媛。これが19チーム中で10位だったら「真ん中から割れとるteam」の誕生だったのですが、世の中そううまくはいかないようで最終順位は11位でした。札幌はその愛媛から勝点2差の13位、11勝12敗13分、得点37失点38という、真ん中からやや下寄りの成績でした。昨年度実績から言えばほぼ同程度の実力であり、そして愛媛も昨季守備を支えた小原章吾とアライールの両センターバックがまるごと移籍してしまうという、割とよく似た境遇にあります。そんな似たもの同士な両チームの争いはスコアこそ0-2ですが、内容的にはそれ以上の完敗だったと思います。
札幌にしても愛媛にしても、活躍するとすぐ引き抜かれてしまうのは今のJリーグではある程度は致し方ないわけで、となると「特定のポジションが丸ごといなくなる」ような状態は、今季だけ見舞われた災難だと誰が言い切れるだろうか。いやない。今季ほど極端じゃなくても、レギュラーの2トップがまるっと抜かれましたとか、ダブルボランチがいなくなっちゃいましたとか、そういう状態は普通に起こりうる話。だったら「選手が入れ替わったからチームが作れません><」なんていってられないわけで、そこんとこどうなんですかといった感じ。「キャンプで出来てたことが出来てない」ってのならまだしも、キャンプで出来てなかったことが本番で出来るはずもないわけで、基本的には楽観的な自分でも、怪我人が戻ってきたとしてもちょっとこれは先行き不安だなぁと思わざるを得ません。まぁ実際のところ、1失点目は相手の何でもないクリアボールからDFの背後を突かれてのもの、2失点目は何でもないパスミスから攻め込まれてのもの。去年とまったく変わってないってのもどうなんだって気もしますけどね。
とはいえ、攻撃はもう少し何とか出来たんじゃないかとい思いますが…いくらなんでも前半シュート1本だけってほどしょぼい結果に終わるとは思ってませんでした。まぁこのあたりも思う存分弱気を出した結果なのかも知れませんけど、どうにもこうにも「どう攻めたいのか」ってのがあんまりよくわかりませんでしたね。その辺り愛媛はかなりシンプルな攻撃を心がけていましたけど、札幌も明確な狙いが見えたのってチアゴ大作戦以降ですもんね。だったら最初からチアゴ大作戦でよかったじゃない。どうせ最終ラインからビルドアップしようとしたって途中でミスして自滅するんだし。ああダメだどんどんどよーんな気分になっていく。
Jリーグデビュー戦となったイホスンはだいぶ固かったですね。もっとやれる選手のはずなので、これをバネにしてほしいところ。その他の選手は評価のしようもないというかとりあえず横野くんとか近藤さんはいったい何しに出てきたのかが不明なのでせめているかいないかくらいははっきりしてください。あんまりくどくどと言いたくはないですけど、こんな試合やってるようじゃまた早々にお客さんから愛想つかされると思いますので、いい薬になってくれることを願います。すごく気持ちよくなったりする薬はいりません。