2011年Jリーグディビジョン2第19節
栃木SC 1-1 コンサドーレ札幌
得点者:札幌/横野
栃木/那須川
とりあえず先に栃木戦を書いちゃいます。水戸戦、まだ見てないんです。だって、あっかりーんがオレを待っているんですもの。
ホームで富山に引き分け、なかなか思うように勝点を伸ばせない札幌は、今節は栃木SCとのアウェイゲーム。栃木はJリーグに参入してからわずか3年目ながら、前節終了時点で7勝2敗3分の勝点24、得失点差でジェフユナイテッド千葉を抑えて首位という成績を挙げています。まだシーズンの3分の1を消化した程度とはいえ、メンバー的にも他のJ2チームに比べて突出しているわけでもない中で、21得点(リーグ2位)11失点(同5位タイ)という数字はお見事。6ゴールで得点ランキング2位につけるリカルド・ロボをはじめとして、決してスーパーではないが地味に光る選手たちが要所を固めているという印象です。声オタ的には栃木県出身声優は少ないながらも「ハートキャッチプリキュア」の来海えりか(キュアマリン)役の水沢史絵、「涼宮ハルヒの憂鬱」の長門有希役の茅原実里、「とある魔術の禁書目録」の上条当麻役の阿部敦、「SLAM DUNK」の流川楓役の緑川光などがいてポイント高し。
札幌はいろいろ考え過ぎなのか去年のような思い切りの良さがなかなか出てこない三上陽輔が砂川誠に変わった以外は前節と同じスターティングメンバー。宮澤を1ボランチに置く4-1-4-1は富山戦ではあまり機能していたようには見えませんでしたが、ノブリン的には何か可能性を感じたのか、それとも芳賀のいない今「もうこれ以外になんとかなりそうな気がせん」ということなのかもしれません。栃木SCにはリーグ戦でまだ負けたことはないものの、今の勢いの差では過去の対戦成績もあまりあてになるものでもありませんから、とにかく首位相手のアウェイ戦でどこまでやれるか、ということになるでしょうか。
そして試合ですが、大方の予想を覆してアウェイの札幌がペースを握る展開。というか、札幌がいいというよりは栃木が悪すぎて普段のサッカーが出来ていない印象です。東日本大震災の影響で延期された試合のうち、第2節の試合が週中の7月2日に組まれており、前節サガン鳥栖とアウェイで戦った栃木は中2日の試合となりますが、札幌の試合(対ギラヴァンツ北九州戦)は2日ではなくこの試合の後の7月6日に組まれており、日程的な余裕の差があったのでしょうか。動きの量も少なくミスを連発という、少なくともこの試合だけを見る限りではとても首位とは思えない試合内容です。
さりとてこういう時に点をキッチリ取っておけばいいものを、こういう時に点が取れないのが札幌なのであり、というかこういう時じゃなくても点が取れないのが札幌なのであり、なんぼでも点が取れたらそれは俺たちの札幌ではないかもしれないというくらいなのです。しかし、栃木も状態がよくないとはいっても、リカルドロボと崔根植の2トップは両方ともポストプレイがうまいですし、その2トップにパスを送る中盤のパウリーニョや高木和正らは、フリーでボールを持たせると危険です。パウリーニョは去年の途中から栃木に加入していますが、去年の対戦時にはそれほど印象には残らなかった選手なんですけどね。日本のサッカーに慣れてきたのか、地味にいい仕事の出来る選手になっています。このパウリーニョもリカルドロボと同じくメトロポリターノの出身。ブラジル4部のよわっちいチームらしいですが、ひょっとして日本向きの選手が多いのでは? と考えるとシーズン前に獲得が噂されていたメトロポリターノ所属のアマラウ・ロサなんてもし来てたらどうだったんだろうと思わないでもないですね。少なくとも大作戦にしか使い道がないなんてことはなかったかもしれません。でもブルーノもメトロポリターノにいたことがあるんでしたっけね。
まぁそれはともかく、全体的に札幌が押し気味に試合を進める中で、それでも先制点を挙げたのはホームの栃木でした。41分、那須川のゴールで先制を許してしまいます。どっちかというと折り返しのボールがそのままゴールに入った感じですが、どんな形であれゴールはゴール。この辺はまがりなりにも首位争いを続けてきたチームは伊達じゃないってことなんでしょうね。那須川は伊達じゃなくて登別出身ですもんね。名前に那須って入っててまさに栃木SCに入るために生まれてきたような選手ですけど道産子です。ちなみにFCバルセロナにはボージャン・ケルキック選手というまさにサッカーをするために生まれてきた名前の選手が在籍していますね。全然関係ないですけどね。
というわけで0-1で折り返した後半、リードを得てひとまず楽に試合を進められるようになったことで、栃木も次第に本来のペースを取り戻します。札幌は試合のペースでも主導権を明け渡すことになりますが、とりあえずそういう時間帯でも踏ん張れる守備陣を持っていることが札幌の強みではあります。今は相手を褒めるしかないようなゴールか、前半の失点のような予想外のゴールくらいしか点を取られる気がしません。結局のところ、去年からメンツのほとんど変わっていない攻撃陣はあんまり進化してるようには見えなくて、選手を丸ごと総取っ替えした守備陣がしっかり機能しているというのも皮肉な話ですけど。
75分の同点ゴールもその守備陣の踏ん張りが実ったと言えるでしょう。コーナーキック崩れから河合のシュートを横野が頭でコースを変えてゴール。後半たった3本しかシュートを打てなかった札幌ですが、数少ないチャンスをものにして追いつき、勝ち越しこそできなかったものの首位を相手のアウェイゲームで勝点1を得たことについては決して悲観する結果ではないと思います。まぁ押してる時間に点を取れないことについては楽観できるわけでもないんですけどね。2007年の時も比重は守備に寄っていてあまり攻撃力はない中でJ2優勝しましたけど、あの時は何しろ「セットプレー」というストロングポイントがありましたからね。今はお世辞にもセットプレイも得意とは言えないので、やっぱり取れるときに確実に取っていかないと、勝点を取りこぼしてしまいかねません。
ところで、スカパー!の中継で実況を担当していた篠田和之アナウンサー、試合の展開に応じて絶妙なタイミングで解説の言葉を引き出すのがうまかったですね。栃木戦の中継と言えば確か2009年の超デレモードに入ってたセルジオ越後さんしか憶えてないのですが、前からこの方でしたっけ? フリーランスの方のようですが、こういう実況だと見るほうもわかりやすいですよね。試合そっちのけの資料読みとか、どうでもいいエピソード紹介は、いりませんのですよ。