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2012年3月 アーカイブ

2012年3月 6日

開幕間近

 気がつけばもう開幕間近。といってもJ2は既に一足お先に開幕しており、3月第一週に札幌が試合を行わないことに若干の違和感を覚えながらも今週末は開幕戦なのです。専門誌の予想では最下位予想のダントツ一番人気を誇るわがチームですが、フタを開けてみなければわからないのがサッカー。「誰が見ても降格候補」な札幌が突然変異を起こしたかの如く破竹の連勝を続け、J1残留どころか優勝までしてしまうことだってあり得ますよ。可能性としては。今まで何度も言ってますけど、「モビルスーツの性能の差が戦力の決定的な差ではない」と少佐もおっしゃってましたしね。同じ口で旧ザクでガンダムに挑んだガデムに「貴様のザクでは無理だ」と言い放ってますけどね。
 まぁ先のことはともかく目の前の試合を全力で取りに行く必要があるわけで、まずは開幕戦、ゴン中山隊長の古巣であり、そして様々な文献にかつてコンサドーレ札幌でプレイをしたという記録が残されている、森下仁志監督が率いるジュビロ磐田を相手に勝利を飾りたいところ。いつも行っていることですが、開幕戦はあくまで34試合のうちの1試合…ではあるものの、勝つと負けるとでは気分的には大きく違います。薬剤師とヤクザ医師くらい違います。特に札幌にとっては2004年以来8年ぶりのホームでの開幕なのですからね。
 そんなわけでなるべくいい状態で磐田を迎え討ちたい札幌。膝の怪我で今季絶望の高柳や昨年痛めた怪我の手術をすることになった芳賀は残念ですが、それ以外では大きな怪我をした選手がいないのは幸いといった感じでしょうか。チーム作りもここまでのテストマッチではなかなかうまくいってなかったようですが、3月3日に実質開幕前最後の腕試しとなるサガン鳥栖とのテストマッチが行われ、キリノの2ゴールなどで4-0の大勝。鳥栖もメンバーを多少落としていたみたいなので額面通りに受け取るわけにも行かないですが、多少なりとも手応えを得られたのはまずまずだと思います。

 さてそれはそれとして、なんか3月11日から行われるU-19のトレーニングキャンプに、コンサドーレ札幌から櫛引一紀、奈良竜樹、榊翔太、前貴之が選ばれました。今回のキャンプで同一チームから4人選出は最多ですね。札幌の若者素晴らしい…と言いたいところですが、そうでなくても人数が少ないセンターバックからまとめて2人も抜かれるのは正直言ってけっこう痛いです。今回はリーグ戦かぶってないから大丈夫ですけどね。
 まぁセンターバックというポジションの特性上、リーグ戦で出場経験のある10代の選手なんてほとんどいないですからね。それが同じチームに2人なんて、希少価値で言えば昭和62年の50円玉くらいあると思います。10代の選手を使わざるを得ないというチーム事情もあるとはいえ、現状でやれる力がなければなりふり構わずベテランセンターバックを取りに行ってるはずですからね。え? 松尾? 誰それ?

2012年3月13日

J1開幕

2012年Jリーグディビジョン1第1節
コンサドーレ札幌 0-0 ジュビロ磐田
札幌ドーム
得点者:札幌/null
     磐田/null

 J1ですね。

 2011年のJ2で3位に入り、最後の昇格椅子でギリギリ滑り込んだ札幌。これで都合4度目のJ1昇格(Jリーグが2部制になってからは3度目)となりますが、かつての昇格が強力なストライカーの力に依存して優勝というパターンばかりだったのに対し、昨季の昇格は良く言えばチーム一丸でもぎ取った昇格、悪く言えばついうっかり上がってしまったと言う感じの昇格です。
 もっとも、個の力に依存しないということはチーム全体の底上げをしなければ戦えないわけで、予算がなく大型補強に頼れない札幌が、ここまでのキャンプを通じてどこまでチーム力がレベルアップしたのか、J1残留を口にしてもいいのか、あずにゃんをペロペロできるのか、そんな様々なことが試される、そんな大事な大事な開幕戦を迎えました。
 相手はジュビロ磐田。過去3度のJ1優勝を果たしながらも、2002年以来優勝から遠ざかってるのみならず、ここ数年は2桁順位に甘んじることも少なくありません。2009年から指揮を執った柳下正明監督の後を継いで今年から監督に就任したのが森下仁志監督。ともに札幌とも縁のある人物ですが、これが初の監督業となります。過去10年で優勝した7チーム中3チームが降格しているという「ナビスコカップ優勝」を2010年にしてしまってるだけにちょっと心配ながらも、日本代表FW前田遼一やDF駒野友一、元日本代表GK川口能活らを中心に実力のある選手が揃っています。何よりも札幌の実力はJ1で一番下なのは疑いようもない事実なのですから、どんな相手だって楽なわけありません。しかし逆に言えばそんなチームを相手にある程度の試合内容が出来れば、目標とする手応えが得られれば、目標とするJ1残留に大きく近づくでしょう。J1では初めてとなるホームでの開幕戦だけに、無様なところは見せられません。
 個人的なことではありますが、思いがけず札幌に行くことになったためこの試合を観戦できることになりました。コンサドーレの試合に足を運ぶようになってもう十数年が経つのですが、実は初めてのホーム開幕戦参戦となりました。高知でやったホーム開幕戦には行ったんですけど、あれは実質アウェイみたいなもんですからね。ここまで道内で行われたホームゲームの観戦試合数は10試合と決して多くはないのですが、観戦時の勝率7割とそこそこ勝利の女神ならぬ勝利のハタチっぷりを発揮していますので、この試合も記念すべき開幕勝利と意気込み、一路月寒グリーンドームへ(←×)。

 だいたい戦前の予想通りにGKイホスン、DFは左から岩沼しゅんぴー、奈良、ノース、高木純平、ダブルボランチに河合主将と山本如来、トップ下内村、サイドハーフに岡本ヤスと近藤祐介、そしてワントップに前田俊介というスタメン。対する磐田のスタメンはわりかし省略することにしますが、両チーム合わせて山本が3人いて前田が2人というわけわかんない状態。衣笠はいません。
 さて、札幌は開始早々こそ攻め入るシーンを見せたものの、さすがに相手は監督が俺たちのモリゲさんといえどやはり磐田は磐田といったところなのでしょうか。徐々にペースを奪い返されます。しかし札幌は去年からカバーの意識が徹底しており、攻め込まれはするもののさしたる破綻は見せず。心配されたノースと奈良のコンビネーションもまずまずのようです。ただ深い位置で止めてもカウンターには繋がらず、札幌のほうの前田も攻撃の起点にはなるんですが、どっちかというと周りを使おうという意識が強すぎて、自分で行けそうな場面でもパスを選択して通らない、というシーンも何度か見られました。彼ならわずかな隙があればシュートを打てるし、少しの余裕があれば決められる能力は持っていると思うんですけどねぇ。そんな感じで前半はどちらかといわなくても磐田ペースで進みましたが、札幌が身体を張った守備でお互い無得点で終了します。

 後半、トイレに行ってビールを買って席に戻ろうとしたら、階段下りている途中でいきなりパスをぽんぽん繋がれてシュートを打たれるシーンが目に入ってきました。一瞬やられたかと思いましたが、サイドネットで事なきを得ます。あぶねえ、思わずコップ持ったまま頭を抱えてしまい、せっかく買ったサッポロクラシックを頭からかぶるところでした。そんなビールかけはイヤだ。
 その後も攻める磐田、守る札幌という図式は変わりませんでしたが、ディフェンスラインが集中して守っているうちに攻撃陣もだんだんとリズムを取り戻してきます。スタメン抜擢も納得のキレだった岡本ヤスを中心に、前半は消え気味だった如来もしきりに前線に顔を出すようになり、攻撃の幅が広がってきました。すごいぞ如来。ちゃんと日刊スポォツ北海道支社に愛称募集出したよ。
 そして後半30分に内村に替わってキリノがイン。後半は札幌がホーム側のゴールに向かって攻めていたので、アウェイ側のSA席に座っていた自分にはけっこう遠かったのですが、そんな遠目からド近眼のオレが見ても分かる相変わらずのヒャッハーっぷり。しかしそんなヒャッハーさんも思いの外活躍。後半37分、この日訪れた最大のチャンスも、山本(如)からのクロスをヒャッハーさんが落としてマエシュンが放ったもの。磐田GK川口のファインセーブに阻まれましたが、顔のインパクトならJ1優勝も狙えるトリオのジェットストリームアタックでした。
 その後も足を攣らせる選手が出ながらもなんどかいい形を作りますが相手のゴールネットを揺らすことが出来ず、終了間際の砂さんのクロスなのかシュートなのか、おそらく砂さん本人も分からないに違いないボールがクロスバーの上に消えたところで試合終了。決められるチャンスも何度かあったので残念に思う一方、無失点とはいえ相手のシュートミスに助けられた、なんて部分もありましたから、それを考えると0-0は妥当な結果だとは思います。ともあれ、守備陣にしても攻撃陣にしても、ある程度の手応えは得られたのではないでしょうか。鹿島アントラーズに手も足も出ないままぼっこぼこにされた2008年を考えれば、まだ今年はやれそうな気がします。

2012年3月20日

神戸

2012年Jリーグディビジョン1第2節
ヴィッセル神戸 2-1 コンサドーレ札幌
得点者:札幌/山本
     神戸/近藤、都倉

 泣いてどうなるのか(お約束)。

 ジュビロ磐田との開幕戦をスコアレスドローというまずまずの結果で終えた札幌は、一週間経ってヴィッセル神戸とのアウェイ戦に臨みました。2005年にJ2に降格し、2006年の1シーズンをJ2で過ごしたものの、それ以外は「決して上位には来ないが下位にも来ない」チームとしての地位を確立した感があります。札幌のようなチームのサポーターから見れば、「普通にJ1にいる」こと自体うらやましい限りなのですが、1997年のJリーグ昇格以来、J2にいた2006年を除いて今季で(2部制前のJリーグを含む)J1通算15シーズン目と、Jリーグ全体でもかなり長い期間在籍していながら、その間獲得したクラブタイトルはなし。個人タイトルも1997年にFW永島昭浩が獲得したフェアプレイ個人賞という極めて微妙なもののみで、いまいち地味な感じが拭えません。
 それでも昨季はクラブ史上初となるJ1での一桁順位(9位)を達成した神戸は今季も積極的な補強を敢行、野沢拓也、橋本英郎、伊野波雅彦といった元日本代表選手を獲得し、開幕戦では昨季3位のガンバ大阪を打ち合いの末3-2で競り勝っています。
 対する札幌のスターティングメンバーは前節と同じ。前節も勝てはしなかったものの内容自体はそれなりに出来たので、変える理由がないといった感じなんでしょう。当面はこのメンバーを軸に戦っていくんだと思われますが…。さすがに前回対戦から5年も経ってるだけあって、その時も出てたメンバーってホントに少ないですね。10年一昔とはいいますが、プロサッカー界での5年も一昔と言っていいのかも知れません。そんな中でも、トップレベルで試合に出続けてる大久保嘉人はすごいなぁと思います。嫌いだけど。
 そんなわけで異国情緒溢れる港町にある「ホームズスタジアム」での開幕戦、といっても別にミルキィな方々が来たりすることもなく、「神戸・清盛隊」というなんだかとっても微妙な感じの人たち。清盛ゆかりの地・福原が神戸市の一部ということで大河ドラマにあやかったものなんでしょうけど、清盛って僧体のイメージが強いんですよね。福原遷都を行ったときも既に出家してたはずですし。六波羅蜜寺にある平清盛像は素晴らしいので是非皆様も一度見てみてください。

 まぁそれはそれとして試合ですが、開幕戦である程度手応えを得たか、開始から札幌が出足鋭く神戸陣内に攻め込みます。前節は後半あたりからようやく存在感を出し始めた山本(如)が、この日は前半から大活躍。縦横無尽にフィールドを駆け巡り、チャンスを演出します。そして前半7分、その山本が波状攻撃からのこぼれ球を右足で合わせ、先制点を得ました。
 先制後も調子よく試合を進める札幌。選手同士の距離が近く、前節はあまり拾えなかったセカンドボールも良く拾えます。しかし何度かいい形を作るものの、決めることが出来ません。逆に22分にゴール前の右サイドバックの近藤にフリーでシュートを打たれ、決められてしまいました。先制しながら相手の右サイドバックにミドルシュートを決められるのは5年前も見たシーン。その時決めた石櫃は移籍してしまいましたが、その坊主頭に似つかわしくないすんばらしいミドルシュートでしたよね。そして今年、またもや坊主の選手に決められるなんて…。そういえば、2006年の最初のアウェイ戦(2-1)では、北本に決められてましたよね。2002年のアウェイ戦(0-1)での決勝ゴールは土屋征夫でした。

 坊主ばっかりなんですけど。

 はっ! まさかこれが入道相国様の…!

 大河ドラマで思い出したように清盛アピールかと思ってたら、意外にも古くから清盛だったんですね、神戸。

 まぁそれはおいといて、サイドで人数をかけてボールを持ち、相手のDFを寄せたところで、逆サイドへボールを振ってフリーのサイドバックがシュートというのは、両サイドバックが同時に上がることになるのでカウンターを受けた際のリスクが高まる反面、分かっていても対応しにくい有効なパターンではあります。この攻撃パターンは札幌も何度か試みていたのですけど、残念ながらシュートが枠に飛ばず。ここを決められるか決められないかが今の札幌と神戸の差なんでしょう。

 そう、チャンスはいくつもあったんですよ。後半も。主導権を握っている時間は、ホーム磐田戦よりも多かったんです。前田俊介の突破もマジでちびるどころの話じゃないですよね。そこからが得点に結びつかないのが残念なところなんですがね。ちゃんと「君にパスするから」というのを感じてやらないといけないですよ。呼び覚まされた思いとgameが動き出しますからね。
 いつも言われていることですが、決めるべきチャンスを決めなければやられるわけでして、ましてやそれがJ1であればなおのこと。動きの落ちてきた終盤は神戸に徐々にいい形を作られるようになり、後半38分、右サイドからの折り返しを交代出場の都倉に決められて逆転。札幌も大島を入れてパワープレイ気味に同点ゴールを狙いますが、終了間際のセットプレイからの大島のシュートも上に外れジ・エンド。勝点をものにすることは出来ませんでした。

 内容的には決して悪くはなかった、というよりはむしろよかったとは思うんですけどね。もちろん内容がよくても勝たなければ意味はないのですけど、このサッカーを続けていけば、上位の本当に強いところにはともかく、中位以下のチームにはそこそこ戦えるんじゃないかなとは思います。あとは、交代で流れを変えられるような選手が出てくること(そういう意味では砂さんの離脱は痛い)、そしてセットプレイで点が取れるようになればもう少し楽に試合を進められると思います。

2012年3月27日

ウィーアー

2012年Jリーグディビジョン1第3節
コンサドーレ札幌 1-2 浦和レッズ
得点者:札幌/山本
     浦和/うんこ物語x2

 リーグ戦2試合とカップ戦1試合を消化し、ここまで1分2敗と未だに勝ちがない札幌は、J1初勝利を賭けて浦和レッドダイヤモンズとのホームゲームに臨みます。おそらくJ1で一番運営予算の多いチームと、サガン鳥栖と並んで最も運営予算の少ないであろうチームとの対戦。チーム全体を見渡してもかろうじて「日本代表候補」が1人いる程度の札幌と、見渡せば元を含む日本代表キャップを持つ選手ばかりの浦和、戦力差は歴然としていますが、その圧倒的な予算と戦力で華麗に残留争いを繰り広げたのが昨季の浦和。今期はさらに槙野智章、阿部勇樹といった海外組の代表選手を補強していますが、マルシオリシャルデスとポポがベンチとか、贅沢なチームですよね。くれよ。どっちか。
 そして浦和レッズといえば熱いサポーターで有名で、全国どこでも大挙して押しかけてはウィーアーと叫ぶことでも知られていますが、「この試合を逃したらまた次いつ北海道に来れるか分からない」と思ったか、この試合でも3,000人近い人たちが集まってきました(もちろん北海道在住の人たちもいるのでしょうが)。単純なチケット売上ならたぶん岩沼俊介の推定年俸くらいは払える計算になるでしょう。ありがとうございます。
 とはいえ、全体としては開幕戦を下回る2万人強の入場者数にとどまりました。もう少し営業がんばれないもんでしょうかねぇ。

 札幌のスターティングメンバーは、神戸戦とまったく同じ布陣。リーグ戦2試合を戦って勝ちこそないものの、内容的には割とやれる手応えがあるということなんでしょうね。もちろん砂さんや古田といったあたりがケガから復帰すればまた少し変わってくるのかもしれませんが、少なくとも現時点では方向性を変える気はないということであり、果たして3戦目を迎えてだいぶ全体的にJ1のスピードに慣れてきたのでしょうか。日本代表クラスの選手を多く抱える浦和に対し、互角以上の展開を見せます。何度かいいチャンスを作った後の前半32分、右サイドからのコーナーキックで、近藤が蹴ったボールはゴール前へは向かわずにペナルティエリアの外へ。あ、これは日本代表とかでよく見る「密集地帯に向かうと見せかけてペナルティエリアの外に待ち構えるフリー選手がボレーで合わせるという、決まるとすっげえかっこいいけどなんだかんだでいつも合わせ損なって成功例を見たのはほんのわずかしかないトリックプレイ」じゃないですか! などとわずか数秒の間に思っていたら、待ち構える山本真希は確かに直接は合わせられなかったものの、立て直して放ったミドルシュートがゴール右隅に綺麗に決まりました。二試合連続の「如来弾」で先制点をゲットします。というか別にいいんですけど山本真希愛称募集はどうなったんでしょうか日刊スポォツさん。まさか本当にオレの1通しか来なかったとかじゃないですよね…。
 それはいいとして、前節に引き続き先制した札幌。昨年までは「先制すればほぼ100%勝利」をものにしてきたわけですが、前半アディショナルタイムに札幌側の左サイドをえぐられて上げられたクロスをファーでフリーになっていた柏木に決められ、いやな時間帯に同点に追いつかれてしまいました。さすがにJ1、そう簡単に勝たせてはくれません…と言いたいところですが、正直言うとこの失点、クロスの前にタッチラインを割っていたとセルフジャッジして、一瞬気を抜いてましたよね。実際ラインを割っていたかどうかは録画を見る限りはぶっちゃけギルティなんですが、レフェリーが旗を揚げない限りはプレイオンなんですよ。ところでプレイオンとゴライオンはちょっとだけ似ていますよね。ゴライオンって超合金しか憶えてないですけど。
 まぁそんなわけでせめてリードして終わりたかった前半を、札幌は同点で折り返しとなってしまいました。札幌としてははやめに追加点を奪って突き放したいところですが、どうにも前田以外のボールの収まりどころがなく、攻撃は単発で終わります。逆に前半18分、自陣ペナルティエリア手前でノースが不用意なファウルを犯して直接フリーキックを与えてしまうと、これを柏木に直接決められてしまいました。ボールがセットされた位置はペナルティエリアのほんのわずか手前。このくらいの距離だと逆に近すぎて、J2だったらよっぽどの名手でもない限りはだいたい落ちきらずにクロスバーの上を超えていく位置なんですが…。この辺はさすがにJ1と言ったところでしょうか。まぁ、ノースとしても別段強く当たりに行ったわけでもなかったと思いますけどね…。
 またしても逆転を許す展開となってしまった札幌は、キリノ、榊、大島と立て続けにFWを入れてまずは同点を狙いますが、キリノを生かせるほどスペースがあるわけでもなく、かといってとにかく大島めがけて放り込むわけでもなく、榊にお膳立てする道筋があるわけでもなく、それでも攻撃すること自体は出来ており(浦和がある程度引いていたこともありますが)、じりじりとした時間だけが過ぎていきます。ロスタイムの攻防も、コーナーキックからGKホスンまでもが攻撃に参加し、GKらしい強烈なアタックを決めることもなく(ドイツ代表GKカーンはそれやって退場しましたけど)、残念ながら2試合連続の逆転負けとなってしまいました。

 全体としては、「わずかなミスでやられる」というJ1の恐ろしさを改めて味わった格好でした。それでもやりたいことはある程度出来てましたし、「勝負にならない感」はないのですけど、相手はわずかな差をついてくるのに、こちらは相手の隙をうまく突けないというのは残念ではありますね。ロシアンルーレット寿司で札幌だけ的確にわさび寿司を食べてしまう感じ。スーパーなストライカーがいるわけではないですし、J2ですらあまりシュート数の多くなかったチームなのですから、今季はなおさらワンチャンスを確実にものにできるようにならないと、君は生き残ることが出来るかどうか以前に時の涙も見られずに終わってしまいかねませんよ。

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