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2017年4月 アーカイブ

2017年4月 1日

今季リーグ戦初勝利

2017年明治安田生命J1リーグ第4節
北海道コンサドーレ札幌 2-1 サンフレッチェ広島

 開幕からアウェイ連戦だった見返りに連続ホームゲームの権利を与えられましたが、週中にルヴァンカップのアウェイ戦があったため、いまいちその恩恵が感じられない第4節は、サンフレッチェ広島を札幌ドームに迎えての対戦です。

 広島にはとっても苦手意識の強いのが札幌サポーター。何しろ広島に最後に勝ったのが実に15年前の2002年というのですからびっくり。もっとも、その2002年に一緒にJ2に降格して、「上がる時は一緒だよ」って約束したのに(してない)、広島だけが1年でJ1に戻っていって以降、遠距離ゆえのすれ違い(ただの入れ替わり)などがあったので、2012年まで間8年間ほど対戦がなかったってのもあるんですけどね。
 前回対戦は2012年、この年広島はリーグ優勝、方や札幌は下り最速伝説で降格と、チーム力に大きな開きがあったためか、2試合やって1-3、0-3というボロ負けに終わっています。

 しかし、今年の広島は昨年の得点王ウタカを失った影響なのか、開幕からここまで勝利なし。2敗1分の勝点1というのは、札幌と同じ成績です。かわいそうに。

 四方田監督はこれまでの守備重視のスタメンから一転、頭から都倉・金園の2トップとし、マセードもスタメンで起用。この広島なら札幌にも勝利の目はあるかも知れない、なんて思ったのもつかの間、開始から早々にFW工藤にあっさり裏を取られ、決定的なピンチを迎えます。このシーンでは守護神ソンユンが止めて事なきを得ますが、その後もビシバシ縦パスを通す広島に、後手後手に回る展開が続きます。
 なんすかこれ。とても同じ成績に甘んじてるチームとは思えないし、このチームが1勝もできてないってJ1怖い。

 しかし意外なことに先制したのは札幌。12分、兵藤からのロングパスに、マッスルファイター都倉が相手との競り合いを制して抜け出すと、GKとの1対1を得意の左足で冷静に決めてゴール。エースの3試合連続(ルヴァン含む)ゴールで、今季リーグ戦で初めてリードを奪います。

 広島は、あれだけ試合のペースを握っていたはずなのに、先制されてしまいました。かわいそうに。
 とはいえ、それから10分も経たないうちに、コーナーキックからニアで水本裕貴に合わせられ同点。このニアで合わせるパターンって破壊力は高いけど、そのぶん難しいんですよね。よく訓練されてるなぁと思うと同時に普通にやってくるJ1怖い。

 リードがなくなってしまった札幌ですが、前半終了間際に福森のフリーキックからキム・ミンテが折り返したボールが広島選手に当たってオウンゴール。相手の選手まで利用する節操のなさです。かわいそうに。

 後半も基本的には広島ペースは変わらないものの、札幌も守備がだいぶ対応できるようになってきます。前半はミキッチに裏を取られまくっていた田中雄大も対応の仕方を変え、前半ほど自由にはやらせなくなりました。それにしても田中雄大は本当に渡辺いっけいさんに似ていますね。
 札幌も後半15分過ぎから反撃に転じるも、なかなか決定的なチャンスにまでは持ち込めず、スコアは依然として2-1のまま。

 30分を過ぎた頃になると、四方田監督も緩やかに試合を閉めにかかります。33分、運動量の落ちたマセードに変えて、ボールキープに自信ニキの荒野を投入。つづいて40分には若干師匠テイストを感じさせつつある金園に替えて危機察知検定1級保持者(認定)の河合を入れ、中央の守備を強化します。そしてアディショナルタイムには時間消費も兼ねて、深井に替えて「KGMF(けっこう頑張るミッドフィールダー)石井謙伍を投入。
 こりゃあ何ともタイミングもインアウトも完璧な選手交代じゃあないかね、と思ってた矢先に、その交代で入ってきた石井がボールを奪って猛然と攻撃を仕掛けようとした時は、2004年開幕戦の市村の悪夢が一瞬頭をよぎりましたが、しっかり相手コーナーまでボールキープを始めて一安心。
 一説によると、石井さん本人はマジでフィニッシュまで行く気満々だったところを、どうやら河合さんが止めたらしいという噂も聞きましたが、本当なんでしょうか。本当ならいかにも石井謙伍らしいなぁとは思いますが。

 ともあれ、とっくんまでボールキープの参戦した割には結果としてあんまり時間を稼げなかったのが残念なところでしたが、残り時間も守りに徹した札幌が逃げ切り、今季リーグ戦初勝利、ルヴァンカップを含めれば心理的には2連勝という結果となりました。

 まだたったの1勝、残留のためにはあとこのような試合を少なくとも9つはやらなければいけないのは、広島との内容の差を考えると相変わらず悲壮感しか出てこないのですが、割と早いうちに一つ勝てたことを前屈み...いや前向きに捉えるとしましょう。

2017年4月 6日

早くも正念場

2017年明治安田生命J1リーグ第5節
ヴァンフォーレ甲府 2-0 北海道コンサドーレ札幌

 広島戦でリーグ戦初勝利を挙げた札幌は、連勝を狙ってヴァンフォーレ甲府とのアウェイ戦に臨みました。土曜日の試合で札幌より下にいるチームが軒並み破れており、この試合で勝てば、下位との差を少し広げられるばかりでなく、残留争いの直接のライバルとなるであろう甲府に勝点を与えないという二重の意味でおいしい試合だったわけですが、結果として札幌がそれを甲府にやられてしまった、という試合でした。

 今までの試合に比べれば「うわ、J1怖い」と思うようなところはあまりなかった、というよりは今季一番札幌なりにやりたいことができた試合だったとは思うのですが、終わってみればスコアは0-2の完敗で、なんつーか相手の手のひらの上で踊らされていたというか、このあたりがギリギリでも何でもJ1に4年残り続けているチームのしぶとさなんだろうなぁと思います。キン肉マンで言えば、大抵ボロボロになるけど一応最後に勝ってるテリーマンみたいな感じですかね。やっぱりJ1怖い。
 そのたとえ行くと、札幌は超人になる前のジェロニモですかね...。雄叫びだけ残して絶命みたいな。でもジェロニモならジェロニモで、悪魔将軍にスピン・ダブルアームされてたはずなのに次のコマでなぜかロビンマスクの横にいるくらいのしぶとさを見せたいものですよ。キン肉マンネタが多くてすまんな。

 しかしまだ開幕して1ヶ月なのに、ちょっとけが人が多いのが気になりますよね。金園が肉離れ、ヘイスが半月板損傷、そして深井一希がこの試合の前半で膝を負傷し交代。検査結果は前十字靱帯断裂と半月板損傷で、全治8~10ヶ月という重傷で、当然今季絶望。スポーツ選手には怪我がつきものとはいえ、さすがに毎年のようにこのような大けがに見舞われるとなると、神などおらんのだ、と絶望してしまいますね。
 彼のことだからきっとまた戻ってくるとは思いますが、それはそれとして、そうでなくてもさほど厚くはない選手層から、主力の、しかも上から数えたほうが早いような選手からいなくなっていくのは困ります。これで兵藤さんまで怪我されたら本当にヤバい。
 別にソロデビューとかが待ってるわけじゃないんですから、AKB卒業みたいに突然抜けるのは勘弁して欲しいんですよ。関係ないですけど欅坂46のセンターの子、かわいいですよね。

 先日の日本代表戦を見る限り、タイ代表の「ジェイ」ことチャナティップ・ソングラシン選手はJ1でも充分にやれそう(むしろかなりの戦力になりそう)ですし、彼が来るのは7月頃には増川さんも復帰できそうですけど、7月までにせめて5~6勝は挙げてないと、彼らが来る頃には時すでにお察し、みたいなことになりかねないので、ほんとふんばって欲しいわけですよ。J1残留のためには。

 え? 「昇格チームは開幕5戦で勝点5取れないと降格する」ジンクス? 知らねぇよそんなもん。するってーと、甲羅がなければカッパじゃないとでも言いてえのかい。何をわけのわからないことを言ってやがるんだ。おとといきやがれってんだ。こちとら「QRコードとして認識されるカビ」を探すのに忙しいんだ。

2017年4月11日

2勝目!

2017年明治安田生命J1リーグ第6節
北海道コンサドーレ札幌 2-1 FC東京

 J1第6節は、札幌ドームにFC東京を迎えての試合。前節、残留争いの直接のライバルと目されるヴァンフォーレ甲府に痛い敗戦を喫してしまった札幌ですが、今節からは第5節終了時点で5位のFC東京、同じく6位の川崎フロンターレ、4位の浦和レッズと上位チームとの対戦が続く正念場です。
 こちらの星勘定(というか皮算用)としては「上位陣には全敗してもいいからライバルチームには確実に勝つ」という目論見だったのに、甲府にコロッと負けたもんだから、そのぶんをどこかで取り戻さないといけなくなったわけですよ。

 そのぶんをここで取り戻そうとするにはちょいと相手がつよすぎますし、今回対戦するFC東京とは、東京がJ2だった2011年の最終戦で勝った印象が強いですけど、J1ではこれまで8度の対戦して全部負け。相撲だったら中日ですでに負け越し確定でそのまま休場レベルの真っ黒状態のみならず、その8試合合計で5得点23失点という惨憺たる成績。苦手なチームの一つです。まぁ得意なチームなんてないですけど。
 かといっていくら相手が悪いと言っても、甲府戦を合わせて4連敗みたいなことになっちゃうと、ちょっと自信をなくしかねませんから、せめてこの3連戦、2つあるホームでは最低限引き分けでしのぎたいところだったのですが...。

 勝っちゃいましたね。

 前半8分にマークミスから東慶悟にゴールを許し先制されたものの、その後は札幌が試合のペースを掴み、42分にジュリーニョのヘッドで同点に追いつくと、59分には荒野のクロスからのこぼれ球を拾ったジュリーニョのシュートが至近距離で室屋に炸裂、その跳ね返りを拾った兵藤が、クリティカルヒットを受けて倒れていた室屋のおかげでオフサイドにも引っかからずどフリーだったとっくんこと都倉賢にパスし、これをとっくんが冷静に決めるというとても鬼畜なゴールで逆転。
 その後いくつかあったチャンスは東京GK林彰洋の好守に阻まれ追加点は奪えなかったものの、ガッツリ守りに入った札幌が逃げ切り、望外の勝利を得ることができました。

 ただ彼我の戦力差から見れば望外の結果ではありますが、内容的にはこれまでの勝利...っつってもリーグではまだサンフレッチェ広島戦しか勝ってないですけど、それと比べても「勝つべくして勝った」というところはこれまで...つっても広島戦だけですけど、大きく違うと思います。

 開幕直前に怪我をして離脱していた「遅れてきた男」早坂良太が予想以上のパフォーマンスを見せサイドで主導権を握ることができたこと、ここまでいまいち調子の上がってこなかったジュリーニョが去年のようなボール扱いを見せていたこと、ヘイスや金園がいないぶんマークが集中する中、東京の代表クラスのセンターバック2人を相手にとっくんがほとんど勝っていたあたりは好材料だったでしょうか。
 あとは宮澤ですかねぇ。もともと去年あたりから「10番で主将」の貫禄を見せてはいましたけど、兵藤や早坂といった試合を読む能力に長けた選手が「彼がパスを出したいところにいる」ことで、持ち前の展開力や視野を生かせるようになった気がします。あんまり派手なプレイをするわけじゃないですが、気がつけば生え抜きとして加入して10年目。王様になってもいい頃合い。
 もっとも、中身は「プロになるのが怖くてこっそり就職しようとしたり、北海道から出たくないから道外からのオファーを蹴った」引っ込み思案な宮澤くんのままなのでしょうけど。

 まぁジュリーニョに好きなスペースを与えてくれたり、代表に呼ばれるくらいなのにとっくん相手にほとんど負けてたりとか、東京も5位とは思えないほどなんでかフワフワした感じであったのは事実で、ライブのオタクコールじゃないんだからそんなにフワフワすんなよとも思うのですが、去年から札幌がやってきたやり方が、けが人続出の中でも力のある相手にも通用したというのは大きいんじゃないかなと思います。
 ただでさえ戦力的にはJ1でも下のほうなのに、主力にけが人は多いのは相変わらずなので、決して楽観視できる状況ではないのですけど、チームとしての軸がぶれさえしなければ、この先も大崩れはしない。たぶんしないと思う。しないんじゃないかな。ま、ちょっとは覚悟しておけ。

2017年4月19日

ルヴァン連勝

2017年YBCルヴァンカップグループステージA第2節
清水エスパルス 0-1 北海道コンサドーレ札幌

 一昔前は、「静岡アウェイ」なんてイヤな思い出しかなかったんですよ。Jリーグに昇格した1998年は開幕戦で清水エスパルスと当たって4点取られて負け、磐田でもゴン中山にギネス記録(当時)となる4試合連続ハットトリックの総仕上げを献上したのを皮切りに、2001年も日本平では5失点のたこ殴りに磐田ではロスタイムに追いつかれてVゴール負けなど心身ともにダメージの深い負け方をするなど、J1ではカップ戦含めてともに6試合ずつの対戦で、一度も勝ったことがないばかりか、対清水は4得点18失点、対磐田は3得点22失点と惨憺たる成績でした。

 それが、彼らがJ2に落ちてきた途端、「J2の先輩」というあんまりかっこよくない立場のくせにむやみにオラついた札幌が、磐田にも清水にもアウェイで初勝利を挙げただけでなく、J1での再戦となった今年、カップ戦とはいえ静岡アウェイ2連戦で2連勝しちゃうんですから、わからないものですね。

 けが人続出の中、FC東京、川崎フロンターレ、浦和レッズと強豪との対戦が続く中でのカップ戦です。ルーキーの濱大耀のみならず、二種登録の藤村怜くん(U-18)を学徒動員してメンバーをなんとかやりくりしている状況です。直接残留には影響しない試合ですから、四方田監督としては内心「引き分けなら御の字」という目論見でいたはずです。

 実際、攻撃面でも人数をかけるシーンはそれほど見られませんでしたし、

 しかし後半12分に宮澤裕樹を下げ、横山知伸をボランチとして投入したあたりから少し空気が変わり始めます。

 チームの心臓部である宮澤裕樹を割と早い時間に下げて、守備的なイメージの強い横山さんを投入したわけですから、普通ならば「このまま0-0」というメッセージです。
 ところが、本職はボランチながらここまではいつもチーム事情でセンターバックの真ん中をやっていた横山さん、今日は河合さんが後ろにいるからなのか、あんまり空気を読まずに攻撃面でもガンガン顔を出し始めました。
 たまに試合終盤になると空気を読まずに前線に上がってはあんまり報われずにしょんぼり帰ってくるキム・ミンテが「ああ、あれは俺がやりたいのに...」と恨みがましい目で見ているのも気づかず、後半30分にはあとから小野伸二に代わって入ってきた早坂様が入ってくると、彼と組んで割と好き放題になってきました。
 そして、後半38分、この日ゲームメイクに大活躍だったガースーからのコーナーキックを、普段からまったく空気を読まない進藤亮佑のヘディングが決まりゴール。

 彼のことですからきっと「俺、プロでゴールしたらサポーターに向けてかっこいいパフォーマンスをするんだ...」という願望を抱いていたに違いないのですけど、そんなことをチームメイトが許すはずもなく、ゴールしてかけだした瞬間味方のマークが殺到。チームメイトが全員全盛期の芳賀さんになったかのような「芳賀ラッシュ」でもみくちゃにされて終わりました。

 「鬼門静岡なんて知ったことか」みたいな空気の読まなさこそが勝因だとするなら、ゴールを挙げるべき人がゴールしたという言い方もできるのかも知れません。まぁ、空気を読まないことで有名な進藤亮佑も、ヒーローインタビューではさすがにアウェイの空気を読んでましたけどね。

 ともあれ、これで2連勝でなんとなんとのグループ首位。まだグループリーグは4試合残っているので何ともいえませんけど、そのうち3試合がホームゲームですからね。ひょっとしたら、ひょっとするかもしれません。
 でももしひょっとしたとしても、札幌にとっては割とうれしい悲鳴になってしまうので、この際ですからプレーオフやノックアウトステージに進む権利を放棄する代わりに、ゲットした勝点をリーグ戦に加算できたりしないですかね。しませんか。そうですか。そこをなんとか。

2017年4月21日

進歩

2017年明治安田生命J1リーグ第7節
北海道コンサドーレ札幌 1-1 川崎フロンターレ

 前節FC東京に逆転勝ち、週中で行われたルヴァンカップではアウェイで清水エスパルスに勝利を挙げ、気分的には連勝の札幌は、今節は川崎フロンターレとのホームゲームを迎えます。

 これまで三大大会ではリーグ戦2位4回(ステージ成績含む)、カップ戦準優勝3回、天皇杯準優勝1回がありながらも優勝がなく、「シルバーコレクター」の名をほしいままにしている川崎、もともと地元を同じくする(コンサドーレの前身は東芝堀川町サッカー部)我々からすれば、「そこまで行けるだけええやんけ」と思わないでもないですが、川崎のサポーターとしては「今年こそてっぺんを」という気持ちでいるはず。
 風間監督から「ひとりでも鬼木達」監督に交代し、ここまで3勝2分1敗、首位ヴィッセル神戸と勝点4差の5位につけています。

 そして今のところけっこう頑張ってる我らが北海道コンサドーレ札幌ですが、頑張れば頑張るほどその反動はあるもので、前節同点ゴールを挙げたものの、この試合で負傷交代したジュリーニョがハムストリングの肉離れであったことが判明。ようやく調子を取り戻してきた矢先の長期離脱が確定してしまいました。
 ヘイスが膝の半月板損傷、マセードも古傷のふくらはぎ痛が思わしくなく、ブラジルトリオが揃って欠場です。
 Jリーグの規定が変わって試合出場枠以上に外国籍選手を保有できるようになり、本来なら、「あー、ソンユンは絶対外せないけどヘイスのキープ力と展開力は魅力だしジュリのテクニックも捨てがたい、とっくんと金山くん並べるならマセードのクロスがあればより有効だし、ミンテの運動量も欲しい。あーどうしようっかなー、いっそ全員使おうか。ぐっさんだって言い張ればマセードだとバレないんじゃね?」みたいになるはずだったんですけどね。
 前にも書いたとおり、去年もブラジルトリオそろい踏みした試合はあんまりなかったですし、この規定変更も助っ人の誰かが怪我をしても別の助っ人選手を使えるような仕組みなのですが、さすがに枠を使い切れないほどけが人が出てしまうとは思いませんよね。
 仕方がないので四方田監督、「せめて顔だけでもラテンっぽい人」ということで、GK杉山哲を今季初めてベンチ入りさせ、これでなんとなく助っ人枠が埋まった気分になりました。

 まぁ本当の理由は第2GKの金山くんが目の検査のための離脱とのことですが、杉山さんもアキレス腱断裂による長期離脱からの復活です。お帰りなさいホセ...じゃないや杉山さん。

 そんなわけでけが人だけで1チーム組めてしまうほどの離脱者だらけの中、迎えた川崎戦。さぞや劣勢になるだろうと思われましたが、意外や意外、けっこうやれています。
 ボールを持たれることとパスを回されることは想定内でしょう。FC東京戦やルヴァンカップの清水戦で、戦略としてやりたいことをやれた上で勝ったがよっぽどチームの自信になっているでしょう。ボールを支配されてもペースは渡さない、という戦い方がだんだんと板についてきたような気がします。前半を0-0で終えたこともおそらくは予定通りだったと思います。

 札幌としてはこのままバランスを崩さず守りながら、相手がじれた隙をうかがってあわよくば先制、まぁ引き分けでもいいというのが勝ち筋だったと思います。いずれにしても先に点を与えないというのがベースのプランだったと思うのですが...。

 さすがJ1の強豪、後半になると一気にギアを上げてきました。ちょっとまずい流れだなぁと思っていた矢先、ペナルティエリア内に侵入してきた中村憲剛を福森晃斗が倒してしまい、これがPKの判定。このシーンの前あたりから、川崎の選手がやたらとペナルティエリアに入った途端に足腰が弱くなる怪奇現象が見られていましたが、ついにやられたという感じ。
 札幌の選手は猛抗議しますがもちろん判定が覆ることはなく、これを小林ゆうじゃなくて小林悠に決められ、やりたくなかった先制点を献上してしまいました。

 しかし、前回FC東京に先制されながらもひっくり返したことや、先制されたとはいえ内容的にはある程度やれていたことが選手たちの自信になっていたのか、意気消沈した様子は見られません。会場も「なんか追いつけるんじゃね?」という雰囲気。
 そして後半37分、待望の同点ゴールを叩き込んだのはやはりこの男、エース都倉賢でした。ガースーが相手と競り合ってこぼれたボールを荒野がダイレクトで挙げたクロスに頭で合わせゴール。
 文章だとたったこれだけなんですが、実際のプレイは「ボールの落下点に先に入って待ち構えた(つまり助走なしの)状態からジャンプして」「身体を当てに来た車屋を逆に吹っ飛ばし」「ボールをたたきつけた」という、規格外の体幹と背筋力を持つとっくんだからこそのゴールだったんですよね。普通なら上にふかすか、枠に飛んだとしても勢いのないシュートになるかどっちかですもん。そりゃチョン・ソンリョンといえどもセーブしそこねますわ。まさにマッスルモンスター。最近このブログのネタが妙にキン肉マンが多いの、おおむねとっくんのせいな気がしてきました。

 会場の空気的にはFC東京線のように試合をひっくり返せそうな期待感もあったのですが、残念ながら追撃及ばず1-1のまま試合終了。PKが微妙と言えば微妙な判定だったのでもやっとはしますけど、まぁ判定は判定ですからね。
 J1の上位チームを相手にある程度自分たちのやりたいことができたこと、先制されても落ち込まずに守りに入った格上チームから勝点を取れたことは、残留に向けて大きな自信になると思います。

 だってね...。前回のドームでの対戦なんてね...。2-0でリードしてたのに交代で入ってきた中村憲剛にワンタッチ目でゴール決められて、その途端にバッタバタになってあれよあれよという間にひっくり返されるという、自信を失うにはおあつらえ向きの試合でしたからね。それから比べれば段違いですよね...。

2017年4月28日

負けは負け

2017年明治安田生命J1リーグ第8節
浦和レッドダイヤモンズ 3-2 北海道コンサドーレ札幌

 ブラジルトリオも揃って欠場、深井一希もいなければ金園英学も菊地直哉もいないようなメンツで、首位浦和を相手にしてアウェイで勝てるなんて思うほど脳天気でもないつもりです。実際試合には負けたわけですし、内容的にもスコア以上の差があったのは事実なんで、結果も想定内ではあったのですが、やっぱり悔しいですね。

 四方田監督の「前半20分までが一つの山場」というコメントの通り、自分も20分くらい持ちこたえることができれば、あとはもしかしたらなんとかなるんじゃないかと思っていたので、浦和にチンチンにされながらも耐える札幌を悟空の到着を待つクリリンたちのような気分で見守っていたわけですが、その20分ぴったりにコーナーキックからナッパ...いやラファエル・シルバにねじ込まれて失点。ギリギリで持ちこたえられませんでした。

 そうでなくてもリーグ随一の攻撃力を誇る浦和相手のアウェイ戦、無失点でしのげるとは思ってませんでしたけど、先制されるのは相当にキツい。やっぱり悟空は来てくれなかったか...と思っていたら、前半34分、とっくんが競ったてガースーが頭で前線に送ったパスを、相手ディフェンスラインギリギリで待ち構えていた兵藤さんがうまく抜け出して同点ゴール。さすが兵藤さん頼りになる。気づいたらスーパーサイヤ人みたいな髪型になってただけありますね。
 ちなみにこのゴールの際、オフサイドじゃないかと執拗にM野選手が副審に食い下がっていましたが、当のM野選手が残ってましたのでオフサイドじゃないです。審判絶対です。

 このゴールで勢いづいた札幌は、それまでの硬かった動きが見違えるほど良くなりますが、しかしこのゴールが浦和にも火をつけたのか、同点ゴールからわずか6分後には怒濤の攻撃から最後フリーになってた関根にニアをぶち抜くシュートを突き刺され、再びリードされてしまいました。
 「よーし行けるぞ」という気分になりかけたところに「ひょっとして、お前まだ自分が死なないとでも思ってるんじゃないかね?」と言われた気分。まぁ、かつてマジで死にかけたことがありますけどねこのクラブ。

 そんなわけで後半戦へ突入。リードしてる浦和が多少攻撃の手を緩めたこともあってか、札幌も前半よりはペースを握る時間も増えてきます。引き分けに持ち込めれば札幌としては上出来の結果ですから、なんとかこのまま失点せずにあと1点を取りたいところ。
 とはいえ決定的なピンチも多くて、ソンユンの好セーブや最強のDFクロス・バー選手に助けられたことも1度や2度ではなく、うーむ、時間の問題かなぁと思っていた後半28分、ディフェンスの裏に抜けた興梠がペナルティエリア内で転んだのを横山のファウルに認定されPKを献上。これを決められ突き放されてしまいます。

 この後、福森がめっちゃレインボウなフリーキックを直接決めて1点差まで詰め寄るものの、反撃もここまででした。

 浦和は強かったとはいえ、それでも前半は雰囲気に呑まれたか、それとも慎重に行こうとしすぎたか、いずれにしても動きが硬かったのがもったいないですね。「まったくもって歯が立たない」というわけでもなかったので、やっぱり前半の立ち上がりをもう少しうまく入れていればあるいは...という気がしないでもありません。
 もっとも、東京、川崎、浦和と続く3連戦、短期目標としてどの程度の勝点を目論んでいたかは不明ですが、サポーターとしては「なるべく出血が少なければいい」くらいの認識だったので、この3連戦で勝点4というのは望外の結果と言えるかも知れません。とはいえ、甲府戦で負けたぶんがあるので実質勝点1とも言えるのですが...。

 とりあえず「お前らみたいな弱小チームは小野伸二くらいしか魅力ないんだから、無駄なあがきなんてしないでもっと伸二を長い時間見せるべきだろ」みたいなクソ記事を臆面もなくインターネッツの目立つところに置いとくようなライターを、ホームでは黙らせてあげたいと思います。

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