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2017年4月21日

進歩

2017年明治安田生命J1リーグ第7節
北海道コンサドーレ札幌 1-1 川崎フロンターレ

 前節FC東京に逆転勝ち、週中で行われたルヴァンカップではアウェイで清水エスパルスに勝利を挙げ、気分的には連勝の札幌は、今節は川崎フロンターレとのホームゲームを迎えます。

 これまで三大大会ではリーグ戦2位4回(ステージ成績含む)、カップ戦準優勝3回、天皇杯準優勝1回がありながらも優勝がなく、「シルバーコレクター」の名をほしいままにしている川崎、もともと地元を同じくする(コンサドーレの前身は東芝堀川町サッカー部)我々からすれば、「そこまで行けるだけええやんけ」と思わないでもないですが、川崎のサポーターとしては「今年こそてっぺんを」という気持ちでいるはず。
 風間監督から「ひとりでも鬼木達」監督に交代し、ここまで3勝2分1敗、首位ヴィッセル神戸と勝点4差の5位につけています。

 そして今のところけっこう頑張ってる我らが北海道コンサドーレ札幌ですが、頑張れば頑張るほどその反動はあるもので、前節同点ゴールを挙げたものの、この試合で負傷交代したジュリーニョがハムストリングの肉離れであったことが判明。ようやく調子を取り戻してきた矢先の長期離脱が確定してしまいました。
 ヘイスが膝の半月板損傷、マセードも古傷のふくらはぎ痛が思わしくなく、ブラジルトリオが揃って欠場です。
 Jリーグの規定が変わって試合出場枠以上に外国籍選手を保有できるようになり、本来なら、「あー、ソンユンは絶対外せないけどヘイスのキープ力と展開力は魅力だしジュリのテクニックも捨てがたい、とっくんと金山くん並べるならマセードのクロスがあればより有効だし、ミンテの運動量も欲しい。あーどうしようっかなー、いっそ全員使おうか。ぐっさんだって言い張ればマセードだとバレないんじゃね?」みたいになるはずだったんですけどね。
 前にも書いたとおり、去年もブラジルトリオそろい踏みした試合はあんまりなかったですし、この規定変更も助っ人の誰かが怪我をしても別の助っ人選手を使えるような仕組みなのですが、さすがに枠を使い切れないほどけが人が出てしまうとは思いませんよね。
 仕方がないので四方田監督、「せめて顔だけでもラテンっぽい人」ということで、GK杉山哲を今季初めてベンチ入りさせ、これでなんとなく助っ人枠が埋まった気分になりました。

 まぁ本当の理由は第2GKの金山くんが目の検査のための離脱とのことですが、杉山さんもアキレス腱断裂による長期離脱からの復活です。お帰りなさいホセ...じゃないや杉山さん。

 そんなわけでけが人だけで1チーム組めてしまうほどの離脱者だらけの中、迎えた川崎戦。さぞや劣勢になるだろうと思われましたが、意外や意外、けっこうやれています。
 ボールを持たれることとパスを回されることは想定内でしょう。FC東京戦やルヴァンカップの清水戦で、戦略としてやりたいことをやれた上で勝ったがよっぽどチームの自信になっているでしょう。ボールを支配されてもペースは渡さない、という戦い方がだんだんと板についてきたような気がします。前半を0-0で終えたこともおそらくは予定通りだったと思います。

 札幌としてはこのままバランスを崩さず守りながら、相手がじれた隙をうかがってあわよくば先制、まぁ引き分けでもいいというのが勝ち筋だったと思います。いずれにしても先に点を与えないというのがベースのプランだったと思うのですが...。

 さすがJ1の強豪、後半になると一気にギアを上げてきました。ちょっとまずい流れだなぁと思っていた矢先、ペナルティエリア内に侵入してきた中村憲剛を福森晃斗が倒してしまい、これがPKの判定。このシーンの前あたりから、川崎の選手がやたらとペナルティエリアに入った途端に足腰が弱くなる怪奇現象が見られていましたが、ついにやられたという感じ。
 札幌の選手は猛抗議しますがもちろん判定が覆ることはなく、これを小林ゆうじゃなくて小林悠に決められ、やりたくなかった先制点を献上してしまいました。

 しかし、前回FC東京に先制されながらもひっくり返したことや、先制されたとはいえ内容的にはある程度やれていたことが選手たちの自信になっていたのか、意気消沈した様子は見られません。会場も「なんか追いつけるんじゃね?」という雰囲気。
 そして後半37分、待望の同点ゴールを叩き込んだのはやはりこの男、エース都倉賢でした。ガースーが相手と競り合ってこぼれたボールを荒野がダイレクトで挙げたクロスに頭で合わせゴール。
 文章だとたったこれだけなんですが、実際のプレイは「ボールの落下点に先に入って待ち構えた(つまり助走なしの)状態からジャンプして」「身体を当てに来た車屋を逆に吹っ飛ばし」「ボールをたたきつけた」という、規格外の体幹と背筋力を持つとっくんだからこそのゴールだったんですよね。普通なら上にふかすか、枠に飛んだとしても勢いのないシュートになるかどっちかですもん。そりゃチョン・ソンリョンといえどもセーブしそこねますわ。まさにマッスルモンスター。最近このブログのネタが妙にキン肉マンが多いの、おおむねとっくんのせいな気がしてきました。

 会場の空気的にはFC東京線のように試合をひっくり返せそうな期待感もあったのですが、残念ながら追撃及ばず1-1のまま試合終了。PKが微妙と言えば微妙な判定だったのでもやっとはしますけど、まぁ判定は判定ですからね。
 J1の上位チームを相手にある程度自分たちのやりたいことができたこと、先制されても落ち込まずに守りに入った格上チームから勝点を取れたことは、残留に向けて大きな自信になると思います。

 だってね...。前回のドームでの対戦なんてね...。2-0でリードしてたのに交代で入ってきた中村憲剛にワンタッチ目でゴール決められて、その途端にバッタバタになってあれよあれよという間にひっくり返されるという、自信を失うにはおあつらえ向きの試合でしたからね。それから比べれば段違いですよね...。

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