柱谷哲二前監督が解任されてから10日経った今日13日、噂に上っていた新監督とコーチ、そして新助っ人の獲得が発表されました。監督はラドミロ・イバンチェビッチ氏、コーチがミオドラグ・ボージョビッチ氏、そしてFWがスルジャン・バーヤック選手という顔ぶれで、噂通り3人ともユーゴスラビア国籍です。
クラブからのリリースによると、イバンチェビッチ監督はスペインリーグ2部のレアル・オビエドというチームでコーディネイターをやっていたということです。レアル・オビエドは先日ワールドカップで日本代表と対戦したロシア代表のキャプテン・オノプコのいるチーム。リーグ・カップとも優勝経験はなく、2部と1部を行ったり来たりというどっかに非常によく似たチームで、日本人的には「城にゴールを許したスペイン唯一のチーム」と言えばわかりやすいでしょうか。札幌とのつながりとしては、97~98年に在籍していたデリーバルデスの双子の弟であるフリオセサール・デリーバルデスがいたことがあります。「カミさんの親戚の友人」くらいの無理矢理な関係ですけど。
さて、道新スポォツには「1991年から2年間クウェート五輪代表監督を務めた」とありますが、何しろ外国人の経歴についてはロブソンという前科があるため100%は信用できません。というわけで、いつものごとく必殺「教えて! Google」攻撃をかましてみたのですが、ヨーロッパでもマイナーなのかあまりヒットせず、ヒットしたところでスペイン語はほとんどわかんないので大した情報は得られませんでした。その数少ない情報の中に、Pobladoresというサイトのオビエドの紹介がありました。いつの時点の情報なのかはちょっと不明なのですが、それによるとRadmilo Ivancevicの肩書きはEntrenador de porteros。…ってこれ、ゴールキーパーコーチじゃん。確かにイバンチェビッチ監督の選手時代はポルテーロ、つまりゴールキーパーだったようですが。
じゃあコーディネイターってのはいったいどこから出てきた情報じゃい、と思ってもう少し調べを続けてみると、La Nueva Espanaというサイトの2001年7月13日の記事にそれらしきことが書いてありました。スペイン語をいったん英語に訳して日本語にしたものですからもしかしたら全然違うかもしれませんが、新監督のオビエド時代のコーディネイターというのは、どうやらまんま張コーチみたいな役割だったようです。とはいえ、監督経験が全くないわけではないようで、イバンチェビッチ監督は1998/99シーズンにトルコのサカリヤスポルの監督を務めているらしき記述を見つけました。
唯一気になるのは、そのシーズンサカリヤスポルは2部降格していることなんですけどね。
そしてボージョビッチコーチ。名前を聞いて「おや?」と思われた方もいるかもしれませんが、その通りコンサドーレにとっては忘れようにも忘れらない1998年シーズンのアビスパ福岡にいたボージョビッチです。1stステージ途中から福岡に入団した選手で、同年の8月5日には厚別での札幌との試合にも出場しています。この年のアビスパ福岡がドラマティックなJ1残留劇を見せたのは日本サッカー界の横綱電波ライター・金子達仁氏のドキュメントで有名ですが、ボージョビッチ自身は速攻でケガをしていつの間にか消えていたので、彼は神を見ておりません。
コーチとしての実力はわかりませんが、日本には半年くらいしかいなかったとはいえ当時福岡にいた森くんとも旧知の仲でしょうから、まぁ割と納得できる人選なんじゃないでしょうか。
最後にバーヤックですが、この選手に関してはほんとにもう情報がありません。所属元のパルチザン・ベオグラードは、ユーゴスラビアではピクシーのいたレッドスター・ベオグラードと並ぶ強豪クラブで、昨シーズンはリーグ優勝を果たしたクラブなのですが、彼自身はレンタルでの放浪生活を続けていたようです。2001/02シーズンはユーゴスラビア2部リーグで(2チームにまたがって)20得点を挙げ、これは得点ランキング2位の数字であることはわかったのですが、Baljakで検索してもヤンコさんとかアレクサンダーさんとかの別人がわんさか出てくる有様。当然どんな選手なのかはまったく不明なのですが、とりあえずWebに画像が転がっていたので無断転載。

バーヤック選手
どこの川谷拓三さんですか?