毎年この時期は福島県のJヴィレッジ(通称J村=ジェイソン)で「全日本クラブユース選手権」が行われます。昨年、"King of Sapporo"新居辰基を擁したコンサドーレ札幌ユースU-18が、チーム史上初のグループリーグ突破を果たしたのみならず、清水エスパルスユース、京都パープルサンガユースといった強豪を次々となぎ倒し、ついには準優勝を果たしました。
そして今年も札幌ユースは北海道予選を勝ち抜きこの大会に出場していますが、今年のチームの前評判は決して高いものではありませんでした。もちろん、それはエースの新居が抜けた穴は保田圭のモーニング娘。卒業より大きいでしょうが、昨年の大躍進の背景にはそれ以上に福島県地方がこの時期にしては異例の涼しさに見舞われ、道産子たちにとっての「最大の敵」がほとんどなかったこと、さらに前回の札幌が所属したグループにはレベル的には決して高いとは言えない北信越代表のチームが2チームも同居していたことが要因でもありました。
それに対して、今年はトップチームの練習にも参加している竹下大亮、伝庄優、鈴木智樹らの昨年準優勝メンバーは残っているものの、例年通りの蒸し暑さが戻ってきただけでなく、悪いことにジュビロ磐田ユース、川崎フロンターレユース、大宮アルディージャユースと、レベルの高い静岡と関東のチームが同居する激戦グループに組み入れられました。各グループの1位と、2位のうちの上位2チームが決勝トーナメントに進むことが出来ますが、「正直、今年はグループ突破は難しい」というのがユースマニアの共通の見解でした。
しかし、昨年の準優勝によって掴んだ彼らの自信は、その程度のハンデなどものともしませんでした。緒戦の川崎戦こそ1-2で惜敗したものの、次の大宮戦を4-0の大勝で飾り1勝1敗とした札幌ユースは、本日グループリーグ突破をかけて磐田ユースとの試合を戦い、前半1点を先制されたものの後半3点を叩き込んで逆転勝利を飾り、堂々の1位突破を果たしました。昨年の清水ユース撃破に続いて今年も磐田ユースを撃破と、まだトップチームが一度も勝ったことがない相手から勝利を挙げている札幌ユース。地道に力をつけていることを伺わせますが、気になる決勝トーナメント緒戦の相手は…。
FC東京U-18だってよ…。