ジーコ日本代表監督の緒戦であるジャマイカ戦があったせいかどのメディアもフル代表一色の最中にひっそりと行われたカタールでのAFC U-20選手権。つっても、フル代表とはいえ「J2からは呼ばない」を通り越して「海外組と鹿島と磐田からしか呼ばない」という監督(それはそれで正しい)のチームの単なる練習試合がシビレるような戦いになるはずもなく、オレとしては試合があることすら忘れていたのですけど、やはり札幌サポーター的にはゴンザレス今野が招集されているU-19日本代表のほうがダンゼン魅力的です。
そんなわけで上位4チームが来年のワールドユースへの出場権を手にすることが出来る勝負のかかった大会、U-19日本代表は緒戦で砂漠の強豪サウジアラビアと戦いました。チーム結成以来その腕にはキャプテンマークが巻かれている今野は、開始早々にいきなり相手選手をふんづかまえてファウル、決まり手は上手出し投げという日本人らしさを全面に出しチームに気合いを入れます。前半はゲームメイクは小林大悟、中盤でのディフェンスが今野という役割分担のようで今野が攻撃面で目立つシーンはないものの、永田(柏レイソル)や角田(京都パープルサンガ)が上がったあとなどにはキッチリ空いたスペースを埋めてバランスを取りに専念。そうかと思えばワンワン言いながら鋭くインターセプトをかまして我に返ってまごまごするなど札幌サポーター的にはいつものゴンザレスです。
それでもやはり身体能力に勝るサウジアラビア相手に押し込まれる展開が続き、後半開始早々にはロングボールから先制点を許してしまいました。その後は大熊監督の積極的な選手交代が当たり、交代で入ってきた坂田(横浜F・マリノス)が今野からのスルーパスを上手く決めて同点に追いつくと、後半38分には今野が相手のクリアを拾って左足で豪快にミドルシュートを叩き込んで逆転に成功。その後も得点を挙げて気をよくしたのか、クソ暑い(であろう)中ワンワン走り回って鋭くインターセプトをかまして後にやっぱり我に返ってまごまごするなど、1得点1アシスト含むキャプテンの活躍で、グループで一番の難敵と見られた相手から勝点3をもぎ取りました。
1点目の坂田へのスルーパスは、相手DFを引きずりながらも難しい位置から決めた坂田を褒めるべきですが、2点目はまず日本の誰がどう見てもオフサイドというプレイを副審が景気よく見逃したのから始まり、日本の選手もビックリしたのかこのボールはサウジのDFにクリアされるのですが、このクリアボールにワンワン言いながら追いついた今野が誰がどう見てもトラップミスしたものの、運良く相手にクリアされる前に何とか打ったシュートは誰がどう見てもキーパー正面だったのに、なぜかキーパーは虚を突かれたように触ることが出来ずゴールインというすんごく嘘くさいゴールでした。でも1点は1点だしね。とりあえず、誰がどう見てもいい笑顔の今野が印象的でした。まぁ、ここのところクラブじゃ泣き顔しか見てないしね…。
チーム全体の出来と言えばお世辞にも良いとは言えない試合でしたが、日本はどの世代も伝統的に緒戦には弱いですから、内容はともかく勝ったこと、しかも逆転勝ちしたことは評価するべきでしょうね。
さて、「嘘くさいゴール」といえばその第一人者である新居辰基が、いよいよAチームに入ったようです。道内メディアによると、紅白戦の前半にオグとの2トップでレギュラー組でプレイ、「出場できれば、点を取ってチームに勢いをつけたい(道新スポォツ)」という俺様なコメントを残したようです。
まぁ、宮田征典を9時半になってから出すような遅まきな印象はなきにしもあらずですが、とにかくKing of Sapporoの気合いは充分だと思われますので、現場の方におかれましては、とりあえずプルペンで試合を終わらせるようなことのないよう節にお願い申し上げます。