コンサドーレ札幌は来季に向けて水面下で選手獲得を進めていますが、ここ最近は特に大きな動きは見られないものの、移籍加入選手の名前が噂や新聞レベルではちらほら聞かれ、また新人選手の獲得も進められているようです。しかし、札幌が狙っていたと言われるU-19日本代表・藤枝東高校DF大井健太郎選手がジュビロ磐田入り濃厚と報道されるなどあまり芳しくはないようです。まぁ札幌はただでさえいろいろなハンデを抱え、大した実績もない弱小チームですから、残された手は「地元出身の選手を獲得」という、ある意味情に訴える作戦くらいしかありません。しかし、その道産子中心の獲得方針も、既に入団内定が正式発表されている北海高校の市村篤司、青森山田高校の尾崎祐司(旭川出身)の両道産子選手の他は、全日本大学選抜・道都大学FW石田祐樹選手(白石高出身)が湘南ベルマーレへ、U-17日本代表・青森山田高校DF千葉貴仁選手(紋別出身)がセレッソ大阪へそれぞれ加入が内定するなど、こちらも苦戦続きのようです。
まぁ、「J1」とか「岡田武史」などのブランドを持っていた昨年までならまだしも、その岡ちゃんもいなくなり来季はJ2となるわけですから、多くのチームから誘いがかかる代表経験者の獲得競争にはどうしても不利なのはある程度は仕方がありません。当の選手にとっても、自分の人生ですから複数の選択肢があれば一番いいと思う道を選ぶのは当然です。地元のチームに行かなければならない理由はないですから、「逃げられた」というようなことは特に思わないのですが、そうは言っても道産子としてはやはり地元選手は多いほうがいい。そんな中、興味深いニュースが北海道新聞に載っておりました。 SSS(スリーエス:札幌サッカースクール)ジュニアユース所属の藤田征也くんの札幌ユース入団という記事です。
イヤ、これだけなら特になんてことない記事、というよりは本来ならば記事になるようなニュースではないのですけど、この藤田くんは U-14、U-15日本代表の主力として活躍し、今年行われたU-15の北アイルランド遠征で1得点を挙げ、札幌を含む7つものJチームが争奪戦を繰り広げていた逸材とのこと。道新によれば「藤田の武器は、ピッチの隅々まで見渡して繰り出す多彩な右クロス。スピードと精度、さらにカーブをかけるテクニックはすでにJリーガー級」と、これだけ見るとどうやらベッカムタイプのプレイヤーみたいな印象を受けますが、そのキックは鋭すぎて「中学生では合わせるのが難しい(岩越SSS監督談)」らしいです。村田兆冶のフォークボールみたいなもんですかね。
横浜や広島、名古屋、清水など7つものクラブの中からよりによって札幌を選んだ理由は、「選手や練習はどこも変わらないレベル。それなら札幌で頑張ろう」というもので、さらには目標は史上最年少のJリーグ出場とのことです。なるほど、確かにそれなら札幌のほうが実現はしやすいかもしれませんね。何だか夢見がちなのか現実的なのか微妙な中学生ですね。まぁ藤田のクロスをマイクが決めるという妄想をしている30歳よりはずっとマシだと思いますが(マイクはどうするのでしょうか)。
まぁいきなりトップの試合はムリにしても、サテライトリーグにも参戦する来年以降はとっかかりも掴みやすいでしょうから、ケガには気をつけて是非頑張って欲しいと思います。