今年のコンサドーレ札幌のスローガンは「We Shall Return」だそうです。元ネタは言うまでもなく周防正行監督・役所広司主演の映画タイトル…ではもちろんなく、太平洋戦争初期の1942年3月にダグラス・マッカーサー米国極東軍司令官が、本間雅晴中将率いる日本陸軍第14軍の攻撃を受けフィリピン・コレヒドール島から撤退したときの「I Shall Return」という有名なセリフ。「私は必ず戻ってくる」というこの言葉通りに、マッカーサー司令は1944年秋にフィリピンの日本軍を殲滅、10月20日にレイテ島へ帰還しました。ちなみにこの時のレイテ沖海戦で大和と同型の武蔵が米軍潜水艦の攻撃を受け沈没しており、日本海軍の誇った連合艦隊は事実上壊滅。日本の敗戦を決定的にした戦いでもありました。
で、このままだと延々と戦史モードに突入しっぱなしになってしまうのでこの辺にしておくとして、このスローガン、そもそもは「J1に必ず戻る」という意気込みを表したもの。つっても「戻ってくる」という意味では札幌は既に立派にJ2に戻ってきているのですが、今年はどうやらこの「Return」がキーワードとなりそうです。ご存じの通りもう2度と帰ってくることはないと思われていた俺王様が札幌に帰還、さらには別の意味でもはや戻ってくることはないと思われていた河村優と中尾康二が復帰しました。
そしてまた一人、札幌に戻ってきた男がいます。札幌が(2度目の)昇格を果たした2000年に札幌に在籍した小松崎保が、札幌大学サッカー部のコーチに就任したとのことです。富士通の社員選手を座を捨てて川崎フロンターレから札幌に移籍してきた小松崎の一番の思い出といえば、やはり2000年10月1日の第36節大分戦。第4節の新潟戦でデビューして以来長らく試合から離れていた小松崎は、ケガをした田渕の代わりとして久しぶりに出場機会がやってきます。不慣れな右ウィングバックながらも気合い充分にピッチに立った彼は、90分はおろか前半終了を待たずにイエロー2枚で退場するという荒技を繰り出しました。彼はこの退場の責任を取って、この年流行していた「退場者はボウズ」という習わしに従って頭を丸めたところ、あっという間に「カツヲくん」と呼ばれるようになってしまったのは有名な話です。
以後の試合では出場してもその存在を感じさせない「消える男」っぷりを遺憾なく発揮し続け、オレだけを楽しませてくれましたが、この年のオフには構想外となり、チームから消えるという大技を発動して横浜FCに移籍。しかしケガに悩まされたこともあり、昨季ついに横浜FCからも構想外を言い渡され引退を決意。ついにサッカー界からも消えるのかと大変残念に思っていたのですが、どうやらそれが杞憂に終わるどころか、また札幌に帰ってくることになったのはうれしい限りです。
札幌大学といえば道都大学と共に北海道の大学サッカー界をリードする大学。コンサドーレ札幌ユース出身の選手も多いですから、先々楽しみなチームの一つです。是非とも「消えるコーチ」として活躍してもらいたいですね。
あとリンク2件追加。トリBoyさんの大分応援サイト蒼き戦士たちとなんちゃんさんのアイカー応援サイトaikawa☆spirit。