既にご存じの方も多いでしょうが、つい先日発表されたJリーグオフィシャルソングの話。この「飛躍」というタイトルのオフィシャルソングは今季のJリーグ公式戦や公式イベントで使用される曲で、作詞は重度のサッカーファンとして知られるゴスペラーズの安岡優氏、作曲は同じく村上てつや氏で、歌うのはゴスペラーズとJリーグ28クラブの各代表選手によって構成された「J-100(ジェイ・ワンハンドレッド)」というグループ。コンサドーレ札幌からは「ジャニ健」こと大森健作が出演しており、他のチームも北から順に仙台が小村徳男、山形が高橋健二、鹿島が中田浩二、水戸が栗田泰次郎、大宮が川島永嗣、浦和が山田暢久、柏が明神智和、市原が中西永輔、東京が茂庭照幸、ヴェルディが三浦淳宏、川崎が浦上壮史、横浜が松田直樹、横浜FCがモネール、湘南が吉野智行、甲府が倉貫一毅、新潟が野澤洋輔、清水が森岡隆三、磐田が中山雅史、名古屋が藤本主税、京都が平井直人、ガンバが宮本恒晴、セレッソが森島寛晃、神戸が土屋征夫、広島が上村健一、大分が吉田孝行、福岡が篠田善之、鳥栖が矢部次郎というメンバー。大半が守備の人なのは何か理由があるのでしょうか。
んで曲のほうもちびっと聞いてみましたが、さすがゴスペラーズと言いますか確かにカッコイイです。好みの問題もありましょうが、いわゆるキャンペーンソング調でないのは好感が持てます。しかし、ちょっとかっこよさのベクトルが違う方向に行ってしまっている感じは否めません。もちろん、そういったカッコよさを否定する気は毛頭ないのですけど、やはりそっち方面のカッコよさだけを強調するのはリアルではないと思います。このCDのジャケットイラストを描いておられる高橋陽一先生の代表作「キャプテン翼」の主人公・大空翼くんなんかは幼なじみの女応援団長と結婚しちゃったりしますが、経験者から話を聞けばそんなさわやか青春ストーリーなどは大半のサッカー部員には無縁の話です。つまり、ほとんどのサッカー部員は汗くさい男の世界で完結するのです。そういったものこそがリアルとなるべき。
というわけでこの「飛躍」のCDには、カップリングとして鹿島の秋田豊をリーダーとして薩川(柏)、海本兄(名古屋)、パラシオス(湘南)、土屋(こちらにも登場)といった厳選された漢たちを揃えた「裏J-100」による漢らしい曲を入れるべきでしょう。作詞作曲は大御所・原譲二氏を起用し、ついでにプロモーションビデオも作成します。つっても、そこらのヘタレアーティストみたいに大した実力もないのに海外でレコーディングするなんて漢らしくないので、ロケ地は当然、日本一「漢」の似合う舞台である能登半島以外にありません。荒れ狂う日本海がバックであれば、ユニフォームなんてものも着る必要なし。本来アスリートであるサッカー選手がちゃらちゃら着飾る必要がどこにありましょうか。漢なら純粋にオノレの肉体のみで勝負するべきです。
屈強な肉体美に加えてバックには潮荒れ狂う日本海と極限まで「漢」を追求した逸品。曲タイトルもズバリ「極-KIWAME-」とすればもう完璧ですね。なんのプロモートかさっぱりわからないことを除けば。