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2005年10月 2日

国立へ行こう

 国立霞ヶ丘競技場。前身の明治神宮外苑競技場から数えると実に80年以上の歴史を持つスタジアムです。昭和33年に神宮競技場が取り壊され霞ヶ丘競技場となり、昭和37年の改修で現在の形となってから、長く日本最大の収容人数を誇り、昭和39年の東京オリンピックの主要会場となったのを始め、以後もさまざまなスポーツの聖地として語られています。第1回超人オリンピックが行われたのもここです
 もちろんサッカーでも同様で、日本で最初のワールドカップ予選が行われた(1954年スイス大会・対韓国)のを始め、日本代表の主要な試合が行われることも多い上、日本サッカー界の主要なトーナメント戦の決勝戦や準決勝の試合が行われます。逆に言えば、国立でプレイするためにはそこまで勝ち進んでいかなければいけません。ですから、サッカー選手にとって国立でプレイするというのは、イコール「自分たちの強さの証明」であり、「勝ち進んだことへの栄光そのもの」なのでしょう。今でこそさいたまスタジアムや日産スタジアム、味の素スタジアムなど国立と同規模以上のスタジアムが日本各地に建設されており、日本最大ではなくなってしまいましたが、それでも「国立」は今でも特別な場所ですし、これからもそうあり続けるでしょう。

 これまでの札幌の歴史において、リーグ戦を除いた「トーナメント」での国立というのは、高円宮杯の決勝に2度進んだU-15がプレイしたことがあるだけでした。ひとつ上のカテゴリであるU-18は、毎度北海道予選は勝ち抜けても、全国の厚い壁に阻まれグループリーグで夢破れることが多く、国立への進出は夢のまた夢でした。しかし最初に国立でプレイをしたU-15の選手たちが高校3年生になった今年、札幌にようやくチャンスが巡ってきました。現在行われている高円宮杯U-18で、コンサドーレ札幌ユースU-18はグループリーグを2位で突破し、決勝トーナメントに進出。この大会は準々決勝と準決勝が国立競技場で行われますが、本日そのベスト8入りを賭けた鵬翔高校との試合が行われ、札幌ユースはホンコンの母校でもある鵬翔高校を2-1で下し、U-18として初の国立をつかみ取りました。最高気温29度(予想)という、この時期の札幌からはあり得ないほどの暑さの中、後半に長沼くんのミドルシュートで先制したものの、DF廣中くんが相手にPKを与え、さらにこのプレイで退場してしまうという苦しい試合でしたが、10人となってから川村くんが決めたゴールを守りきりました。暑い中ホントによく頑張りました。

 さて、この試合は埼玉県越谷市のしらこばと運動公園競技場で行われました。ここ最近はオレも忙しくてユースの試合にはなかなか顔を出せなかったのですが、今日はたまたま別の用事が越谷であり、どのみち越谷に行くことになっていました。用事自体は午前中からあったのですけど、これはもうオレに見に行けと言っているに違いないと用事を午後からにし、しらこばとまで行くことにしました。
 地図で調べてみると、競技場は駅から結構距離があります。一応バスが出ているのですが、こう言ってはなんですが越谷は結構田舎で、それほど頻繁にバスが出ているわけではないと思い(実際は結構本数があったのですが)、タクシーを使うことにしました。停まっていたタクシーに適当に乗り込んで「しらこばと運動公園競技場までお願いします」と告げます。行き先を聞いた50代くらいのタクシーの運転手さん、

 「総合公園かい?」

 イヤ、「しらこばと」だって言ってるじゃん。

 重ねて言うと、「運動公園でしょ? 越谷で大きい競技場ったらあそこしかないよ」と運転手さん。何となく腑に落ちなかったのですが、何しろこっちも初めて行く場所です。土地については地元の人のほうが詳しいでしょうから、そんなもんなのかと思って結局運転手さんの言う通りにすることに。途中その行き先の総合公園にある体育館はいかに大きいか、車窓から見える立派な建物は清掃工場だと散々聞かされならが目的に到着しました。料金を払って車を降り、見上げたオレの目の先に見えた競技場。

 オヤジ、これ野球場

 振り返れば既にタクシーは去ったあと。すぐ側にあった公園地図を見ても、この「総合公園」には野球場と体育館しかなく、陸上競技場なんて影も形もありません。携帯でしらこばと運動公園をググって住所を調べてみたら、やっぱり今いる場所とは違います。やはり全然違う場所に連れてこられた模様。何が悲しくて越谷観光なんぞさせらられた挙げ句にこんなどこか遠くでほっぽり出されなきゃいけないんでしょう。別にオレは知らない街を歩いてみたいわけじゃないし、ガモウひろしの熱狂的ファンなわけでもねぇ。
 この時点で既に午前11:00。キックオフは11:00です。さて困った。事前にあまり調べてこなかったオレも悪いですし、とにかく今はこれからどうするかを考えるのが先。この場所はかなり市の中心から外れているようで、さっきからタクシーの1台も通りません。近くにバス停も見当たらず、タクシー会社の番号を調べて配車してもらうような時間もありません。かといって駅からは相当距離があるため、歩いて駅まで戻って改めて出直せば、着く頃には間違いなく試合が終わっています。まぁ平たく言えば「手詰まり」ですねハッハッハ。
 で、どうやら別の用事の場所はここからまっすぐ20分も歩けば着くようです。どのみち午後から行くつもりでしたから、もう高円宮杯はあきらめてそっちに直行しようか…と歩き出しかけたまさにその時。
 
 向こうからやってくるのは世間でタクシーと呼ばれる車です。

 奇跡です。すぐに止めて運転手さん(当たり前ですがさっきとは別の人)に「しらこばと運動公園に行きたいんですが…」とだいたいの住所を告げると、「はい、大丈夫ですよ」という答え。この運転手さんがメシアに見えたのは言うまでもありません。何となくセルジオ越後に似てましたけど。
 というわけで、本来は既に着いている予定だったしらこばと運動公園競技場には前半30分過ぎに到着。予定時間はオーバーしたものの、今はたどり着いただけでもよしとしましょう。とりあえず最初の「ひとり水曜どうでしょう」ぶんも含めてかかったタクシー代は計4,440円。Jリーグのチケットより高いんですけど。まぁ勝ったからよしとしましょう。「知らないところに行く時は下調べを充分に」という教訓も得ましたし。つーか、「いけば何とかなるだろ」というのはいい加減やめたほうがいいと思った。

 ちなみに、次の試合は10月6日18:45キックオフです。開始には間に合わないのですが、帰り道なので行こうと思います。迷う心配ないしな。

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コメント (3)

あきの@晴れて肥後人:

乙でした。
やっぱり霞が丘にも行かれるんですね。
仙台カップでマイク擁するU18代表沈めた
小澤&伊東のコンビは要注意ですよ。

加えてベロカルも。

Dio:

明日のトップチームも国立っすよ!

いしもり:

勝田からJヴィレッジまでタクシー乗ったことがあります。
たしか¥8,000ほどかかりました・・・。

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