一言でいえば、悪いほうにフッキショーでしたね。各所で指摘されているとおり、囲まれている中を強引に突破しようとしては屈強な水戸のDFたちに潰され、挙げ句の果てには相手のプレイにぶち切れて報復行為で一発退場。俺王様やエメじゃあるまいし、なんだか風車に戦いを挑むドン・キホーテみたいでした。どんな選手だって周りを囲まれてしまえば自由にプレイするのは難しいですし、相手だってドリブルしかないとわかっていれば止めようはあるわけです。エメはアホみたいなスピードで、俺王様は遠目からでも枠に飛ばす正確かつ強烈なキックで囲まれる前に仕事が出来たから得点を量産できたという側面がありましたが、フッキのシュートレンジは意外とあまり広くないみたいですし、かといって周りをうまく使おうという意識もあまりないようですからね。今のところのフッキのプレイスタイルはスラムダンクでいえば「赤木キャプテンのシュートレンジしかない桜木花道の気性を持った流川くん」のような感じです。相手にとってはイヤな選手ではあっても怖い選手ではないですね。
とはいえ、あの下半身でシュートレンジが狭いわけないし、キープ力自体はかなりのもの。今回の退場も「若さゆえの過ち」と言えなくもないですから、改善する余地は充分に残されています。別に俺様でもかまわないんですよ。ただもう少し冷静に周りも使えるようになれば、仙道くんになれる選手だと思うんですがね。顔はポール(野辺)っぽいですけど。
で、そのフッキの出場停止は3試合とのこと。次節山形戦はもちろん、第4節の愛媛FC戦と第5節の横浜FC戦まで試合には出られないことになります。つーか、3試合停止っつってもたった1週間で消化しちゃうんですね。第6節は札幌は試合がないのでフッキの再登場は最短で第7節のザスパ草津戦ですけど、それも4月5日だし。間に4試合挟んでも1ヶ月経ってないというシーズン初っぱなからの駆け足日程、改めて48試合の恐ろしさを感じました。
まぁそんなわけで試合全体の感想ですが、水戸のほとんど唯一と言ってもいいチャンスをしっかり決められて負け。最悪でも引き分けで終わっておくべき試合だったと思います。失点をしたことよりも、得点できなかったことのほうが問題でした。あの流れであれば前半のうちに少なくとも1点は獲っておくべきでしたし、また獲れたはず。確かに試合内容はよかったですけど、相変わらず先手を取られたときの試合運びはヘタクソのままでした。なんというか、どうにもいっぱいいっぱい感が否めないのですよね。もっと自分たちに自信を持ってほしいというか、「俺らが負けるわけないじゃん」という感じで、いい意味の余裕を持ってもいいと思うんですよねぇ。かといって相手をナメてはいけませんけど。ナメるのは猫だけで充分です。こういうのはもう試合を重ねて経験を積んでいくしかないと思うんで、一朝一夕でどうにかなるもんでもないと思いますが、だからこそ1試合1試合を大事にしてほしいと思う次第。48試合なんてあっという間ですよ?