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2006年6月27日

ヴェルディ戦感想

コンサドーレ札幌:130
東京ヴェルディ1969:216

 何の数字かと言いますと、これは試合開始時点でのスターティングメンバーの背番号の合計です。やたらと大きな背番号が並んでいるなぁと思って足してみたんですが、すごいことになりました。つーか、43番(石川竜也)とか44番(海本幸治郎)とかいるし。ヴェルディは今季はAFCチャンピオンズリーグがあったためもともと保有人数は多かった上、森本貴幸や富澤清太郎、大野敏隆など主力に怪我人が続出した背景もあると思いますが、チャンピオンズリーグ敗退後も選手獲得を繰り返し、この海本も石川も5月末に獲得したばかりの選手。たいていのチームが財政的な問題で多くの選手を抱えることが出来ないJ2はもちろんのこと、J1でも30番台後半の選手は珍しい中、40番台の背番号なんて久しぶりに見たような気がします。というよりは、自分の記憶の中にある一番大きな背番号はアビスパ福岡のビスコンティの43番(2000年)で、44番なんて初めて見ました。ちなみにオレにとっては背番号43と44といえば投ゲイル、飛バースなんですけどね。。
 ところで、大きな背番号の選手がスタメンに並ぶチームというのは、大抵の場合において降格回避のために緊急補強を繰り返したパターンが多いんですが、今年のヴェルディのようにまだシーズンの半分以上を残している段階でこういう状況になるというのはちょっと記憶にありません。ただ、そういう時って、2002年のコンサドーレがそうだったように、おおよそチーム的に末期症状であることが多いです(今回けっこう意地悪)。そういえば、その2002年に既に息も絶え絶えだったコンサドーレを最後にぷちっと潰したのが鹿島時代の石川でしたね。

 さてヴェルディ戦なんですが、前回の対戦(第12節・西が丘)では、0-2の敗戦。内容的にもほぼ「力負け」とも言える内容で、正直今後の対戦に不安を抱いたものですが、ヴェルディはその試合でイヤな選手と思っていた「天敵」のMF大野がケガで欠場、FWの飯尾一慶がこの試合の直前にアビスパ福岡へ期限付き移籍して既にチームにいません。また、この試合のあとにマルクス獲得のあおりを受けて契約解除が発表されたMFアナイウソンとDFデジマールもおらず、その時の試合で先制点を許した青葉幸洋もいません。というか、その時出ていたメンバーでこの試合でもスタメンに名を連ねていたのは、高木義成、戸川健太、萩村滋則、根占真伍、バジーリオの5人だけ。何だかもう別のチームじゃん、と思っていたら、札幌のメンバーも前回の対戦でもスタメンだったのは5人しかいませんでした。
 というわけで、選手の保有数の差が戦力の決定的な差ではないことを教えてやりたいところですが、そうするまでもなく立ち上がりからヴェルディの守備がヤバいです。いきなりキックオフからの2つめのパスで最終ラインとボランチの間のスペースに元気を入り込ませてしまうほど。前の試合では出場停止だったためこの試合が初めての対戦となるフッキを必要以上に警戒していたのか、他の選手のマークが甘く西谷や砂川に縦横無尽に動かれる有様で、前回のヴェルディとは大違い。中2日でのアウェイというのはやはりつらいのかもしれませんが、札幌もつい3日前にアウェイで横浜FCとの死闘を繰り広げたばかり。距離だけ見れば札幌もそれほど変わらないはずですが、動きの重いヴェルディと異なり、その札幌の選手たちは何だかいいことでもあったかのような軽快な動きでヴェルディを圧倒します。西が丘の逆のような感じの試合運びで、前半14分にはコーナーキックから池内が押し込みあっさり先制。そのわずか5分後にはまたしてもコーナーキックから今度は加賀がヘディングっぽいゴールを決めて突き放します。ヴェルディは前半26分には早くも久場に替えて廣山を投入しますが、札幌は慌てることなく対処。今まで以上に前線からの守備が効いており、そのためか3バックもこれまでよりは前に出て守る意識が高く、ヴェルディの攻撃のスピードが遅いことや、ケガ明けのバジーリオの動きが今ひとつだったこともあり、ヴェルディの攻撃をほぼ完璧に封じ込めます。シュートらしいシュートといえば大橋のミドルくらいで、それも林の正面を突いたもの。まったく危なげがないばかりか、恒例のソダン・スペクタクルまで披露する大盤振る舞いで前半を2-0で折り返します。

 さて後半、早めに追いつきたいヴェルディはセンターバックの戸川を外し、前回の対戦で決勝点を挙げた斉藤将基を投入し3トップにしますが、これに対し札幌は西嶋が左サイドバックの位置まで下がって落ち着いてヴェルディのシフトチェンジに対応します。逆に札幌は後半8分、シフト変更でバランスを崩したヴェルディのギャップを突いてスナマコとのワンツーで抜け出したフッキが技ありのシュートを右足で決め、3点目を奪いました。
 追い上げようとするヴェルディの気勢を完全にそぐ追加点を得たことで、試合の流れはこれでほぼ決定しましたが、この試合の最大の見せ場はこの後でした。後半14分頃、ボールの奪い合いで競り合っていた芳賀と斉藤が、ボールがアウトしたのをゴングにメンチの切り合いを開始。大西主審が止めに来る7秒程の間、一触即発の睨み合いが続きました。結局主審を始めチームメイトが引き離して事なきを得ましたが、こういう時つくづくサッカーってつまんないと思います。アイスホッケーだったら確実に乱闘に発展する流れなんですけどねぇ。でも、長生きしたければ芳賀には手を出すのはやめたほうがいいと思うぞぉ。
 ただ、見所はこれを最後にほとんどなく、これ以後はほとんど一方的な札幌ペースで試合は進み、後半33分のフッキのPKで4-0とし、海本が2枚目のイエローカードで退場してからはもうヴェルディには反撃する気力すらなくなったようで、試合はそのまま4-0で終了しました。
 試合後、ヤンツーは「4-1になってもいいから点を奪いに行って欲しかった」と言っていました。確かに4-0が4-1になったところで対して影響はないんですが、個人的にはああいう「ちんたらパス回して時間を潰す」という戦略をチームとして選手が共通意識で行ったことについては悪いことではないと思います。

 さて、これで4連勝、5位に順位を上げたわけですが、翌日に宮の沢で行われたサテライトリーグ・ベガルタ仙台戦は3-1で勝利、コンサドーレ札幌ユースU-18も同日行われた北海道クラブユースサッカー選手権大会決勝で3-1で勝利しました。ユース、サテライト、トップが揃い踏みするのは初めてでしょうかね? ちなみにサテライトでは昨年の8月に左膝の前十字靱帯断裂で戦列を離れていた上里一将が、およそ300日ぶりに出場。約60分プレイしまずまずのプレイを見せたようで、ようやく復活への一歩を踏み出したという感じでしょうか。まだ少し時間はかかると思いますが、焦らず行って欲しいと思います。同じく前十字靱帯断裂で戦列を離れている西澤画伯もあと少しで復帰できるでしょうから、徐々に後半戦に向けた陣容が整いつつありますね。昇格目標とはいえ育成路線は捨てたわけではありませんから、彼らの復活がさらなる競争の激化を招くことを期待しています。だからといって決してトレーニングシューズに画鋲を入れたり、ロッカーにイワシの干物を入れたりというような蹴落とし政策は遠慮するようにお願いします。

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コメント (3)

kanpa:

育成の対象をユース上がりや生え抜きに限る必要はありまっせ~ん.ヨソサマの喰い残しでも,立派な食材だと思います.金子,西島,中山,いいじゃありませんか.野村御大だけが再生工場ではないんですから.それに引き換え,曽田,相川,智樹,一応スタメンやベンチを賑わせているけど,スキルはともかく,運動量・スピードで移籍組にかなりの遅れをとっているんじゃないの?財前,もちっと真面目に仕事せんかい(怒

宇一郎:

確かにあと1,2点とってたら、
ヴェルディの息の根を完全に止めて
今期絶望くらいに出来たかもしれませんね。
息絶え絶えの人の口をふさぐのは
ちょっと気が引けますけどね。

ボーナス:

初年度のウチも背番号は45までいましたね。
川合の恋人「キム・ジョンソン」……

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