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2006年11月28日

大局に影響はなくても

2006年Jリーグディビジョン2第50節
コンサドーレ札幌2-0東京ヴェルディ1969
得点者:札幌/アイカー、元気
     ヴェルディ/なし

 札幌同様、来季のJ2降格が確定している東京ヴェルディ1969をホームに迎えての対戦。正式発表こそないものの、来季の指揮を執らないことが明らかになった札幌に対し、ヴェルディは既に来季もラモス監督が指揮を執ることが正式に発表されています。札幌の後任はまだ決まってはいないようですが、ここで勝利を挙げておけば今季のヴェルディとの対戦成績は3勝1敗となり、来季も4試合を戦うことが決まっているラモス監督に対して徹底的に苦手意識を植え付けることができます。そう、来季への戦いはもう始まっているのです。
 まぁそんなわけで今季最後のヴェルディ戦なんですが、正直な感想として「ヴェルディもすっかりJ2に染まっちまって…」と思いました。最初に西が丘でやったときは、フッキがいなかったとはいえ「こらあかん、ちょっと勝てる気がしない」なんて思ったんですけど、その後の2試合はまるで別チームみたいな印象で、その印象はこの試合でも変わりませんでした。まぁ、この試合のヴェルディのスタメンで西が丘の時にいたのはGK高木を含めて4人だけなんで、実際別チームなんですけど。

 で、ここまでの試合で、対札幌戦で勝ちを挙げてきたチームの戦い方を見てみると、だいたい次の3つのパターンに分けられます。カウンター、ボランチへの徹底的プレス&くさびの潰し、そして四国。いずれのパターンも、札幌がリズムに乗る前に先制点を奪って主導権を握ってしまえば、あとはディフェンスに特大のセキュリティーホールを抱える札幌が勝手に自滅してくれるというちっとも秘密になってない秘密があるんですが、ヴェルディはカウンターでもない、中盤での鬼プレスでもない、そして四国でもないいつものヴェルディ。動かないマルクスがいるからなのか、ヴェルディらしさを追求するがゆえのヴェルディズムなのか、いずれにしろ今のすべてから解放されたコンサドーレの人たちにとってはさほどの脅威ともならないようで、開始から札幌ペースとなります。前半32分にはフッキのシュートを相手GK高木がはじいたところをここの所好調な相川が押し込み、今月初めての「前半ゴール」で札幌が先制します。相川があの位置にいたこと、跳ね返りを慌てることなく決めたことはストライカーとして開眼間近かな? と思いましたが、内容からいえば前半のうち、あるいは後半15分くらいまでの札幌が押していた時間帯でもう1点くらい取れていてばもっと楽な展開になったと思うんですけどね。前半から一歩間違えればけっこう危ない形もいくつかありましたけど、後半15分以降は札幌の足も止まり始め、ヴェルディに攻め込まれる時間が多くなってきます。もしこの時間帯でちょっとサッカーの女神(オレの妄想だと金髪ツインテール)にツンを喰らっていたら、終盤はろくすっぽチャンスを作れなかった札幌が勝つことは難しかったかもしれません。しかしそこはそれ、なぜかヴェルディのシュートは枠外もしくは優也の守備範囲内に飛ぶだけ。技術的にはまだ足りない部分も多いですが、彼がゴールマウスを守るようになってからなんだかんだ言ってまだ負けていないことや、信じられないポロリをやらかしてもなぜか失点しなかったり、ソダンからの一方的な愛たっぷりの殺人バックパスを喰らっても失点しないなど、どうやらサッカーの女神(金髪ツインテール)は佐藤優也の変な髪型がちょっと気に入っているらしいです。同じく変な髪型の高木はお気に召してない模様。
 まぁそうは言っても堤防は決壊することもある。というか、札幌の場合はいつ決壊してもおかしくない堤防しかないし、小さな穴から一気に決壊するのが堤防。ちょうど1年前のこの日この場所でロスタイム3失点という伝説の決壊っぷりを見せたのは他でもないこの堤防なのです。そういう意味では、元気の終了間際のゴールは、シュートそのものも見事なダイビングヘッドでしたけど、試合を決定づける価値のあるものだったと思います。そういえば味スタで先制ゴールを挙げたのも元気の頭でしたね。ヴェルディキラーというよりは、結局なんにも考えさせないで突っ込ませるのが正しい元気の使い方なんだろうなぁ。

 というわけで、スコアほど楽な試合ではありませんでしたが、とにもかくにも目の上のたんこぶを叩いて6位に浮上。昇格はなくなっても可能な限り一つでも上の順位になってほしいですが、これでJ2残留してからの成績は天皇杯を含めて4勝1分と、なんだか憑き物が落ちたような好調さを見せています。チームにお金はないのに選手はみんな現金だと思う今日この頃。

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コメント (2)

じゃがバター塩辛:

>サッカーの女神(オレの妄想だと金髪ツインテール)にツンを喰らっていたら


それなんて沢近?だからオチはヒゲに厳しかったのか…


>チームにお金はないのに選手はみんな現金だと思う今日この頃。


ああ、やっぱり「ら」の季節柄そう思いますか…現金になりたくてもアピールできなかった選手達は…

アスパラほっき:

締めのコメント最高です。

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