« ROMANTICが止まらない | メイン | もってけ!キーパーふく »

2007年6月12日

AIが止まらない

2007年Jリーグディビジョン2第20節
サガン鳥栖0-1コンサドーレ札幌
得点者:札幌/征也
     鳥栖/なし

 サニーブライアン並の逃げを打ち首位を走る札幌は、今節は鳥栖スタジアムでのサガン鳥栖とのアウェイ戦です。方や札幌は第2クール全勝、方や第2クール5勝1分と好調なチーム同士の対戦となりますが、札幌はダヴィが出場停止、鳥栖もボランチ尹晶煥が出場停止とお互い攻撃のキーマンを欠く状態。しかし鳥栖はともかく、札幌はダヴィがいようがいまいが戦略は変わりません。つまりは第2クールあたりから顕著になってきた、とりあえず前半はあまり攻撃に比重を置かずに守りに専念、セットプレイ以外では点を取りに行かない代わりに点も取らせず、相手に攻めさせて疲れてきた後半に一気に勝負をかけるという黄金パターンです。前半に点を取れれば儲けもの、取れなくても後半に手持ちに控えるジョーカーを切って点を取りに行く、でも相手を刺すのは1回か2回。我がひいきチームながらものすごいイヤなチームですけど、この戦法が有効であることは、第2クール全勝の実績からも証明はされているかと思います。しかしそれもこれも正攻法ではメルキドの街に入れてくれないゴーレム並の硬さを持つ札幌ならではと言えるかも知れません。ただし眠らされるとあっさり破られますが、ともかく先制点を取れば非常に有利になるサッカーというスポォツにおいて、あえて「慌てる乞食は貰いが少ない」といわんばかりの「残り物には福がある」サッカーとでも申しましょうか。そんな感じで、ダヴィ欠場、長距離移動で気温も高い鳥栖でのアウェイ戦となればこれを崩してくることなど考えにくく、果たしてこの試合の札幌も攻撃もトップに当ててそのこぼれ球を拾っていくか、もしくは西谷の単独突破、つまりは「またオレかよ攻撃」くらいで、あとはサイドバックは上がらない、2列目3列目の選手は追い越さない、この辺は前半のいつもの光景。そして西澤画伯が抜こうとした相手に制裁を加えてイエローカードをもらうのもいつもの光景です。このあたりはもうサポーターも承知の上で、前半はこれといって取り上げるべきシーンもないまま注文通りの0-0で終了します。

 で、後半になったらいきなりくしゃみでもしたかのごとく変わっちゃうからこのチームは困る。後半開始1分の先制ゴールも、謙伍のポストプレイから相手の守備ラインの裏に飛び出した征也が、角度のないところから小さいモーションでニアサイドのえぐいところにズドンと決めたもの。そういえばまだ征也がユース所属の高校生だった時代に、確か宮の沢でのベガルタ仙台戦だったかと思いますが、サテライトリーグでゴールを決めた時、シュートそのものも見事だったのですがそのシュートモーションの小ささに驚いたものです。モーションを大きく取れば、つまり大きく反動を付ければ強いシュートは打てますけど、インパクトも難しくなりますし、モーションが大きいぶん特にペナルティエリア内では相手にディフェンスに入る時間を与えることになる上、キーパーにも準備の時間を与えてしまうという欠点があります(ドラゴンボールでいえばかめはめ波)。逆にモーションが小さいということは、シュートを打つまでの時間が短いということで、そうすれば相手のディフェンスよりも先にシュート打ててキーパーも反応しにくくなりますが、相対的にシュートの威力は弱まります(ドラゴンボールでいえばどどん波)。要するに小さいモーションで強いシュートを打てれば無敵なわけなんですが、それには非常に高い技術と強靱な脚力が必要です。余談が長くなりましたが、征也はそのスキルを兼ね備えているのでしょう。まだまだそのポテンシャルを生かし切っているとは言えませんが、少なくともこの鳥栖戦でのゴールはその片鱗が伺えるゴールでした。ときめきました。そういえばこのゴールはコンサドーレJリーグ通算500ゴールとのことです。ときめきメモリアルゴールというわけですね。

 さて、予定通り先制点を手に入れた札幌ですが、試合時間はアディショナルタイムを含めればまだ45分以上残されています。まだ守りを固めるには早い時間帯ですから、ここは追加点を取りに行くべき。というわけでイケイケの札幌は攻撃の手を緩めず左サイドバックの西嶋もガンガン上がったり、ヤツはとんでもないものを盗んでいったり、シャドウを待たずに魔大陸を脱出したりしますが、しかしながらそういういい形を作った時に限って点が取れないのが札幌でもあり、西谷が月に一度のお疲れモードに入ったのかあまり調子がよくなかったこともありますが、放つシュートが枠外だったり、GK正面だったり、ビッグチャンスがオフサイドだったり、でなかなか追加点を奪えません。
 追いつきたい鳥栖もピッチをワイドに使って小気味いいパス回しで攻撃をしかけますが、そこは「ぎーさんとオモシロ4バック」がしっかり抑え、決定的なチャンスを作らせません。唯一危なかったのが後半14分にフリーの山城にあげられたクロスをどフリーの高地に頭で合わせられたシーンくらい。まぁこのシーンは珍しく崩されていたので正直危なかったのですが、そういうシュートが枠を外れていったり、ポストやバーを叩くというのも今季の札幌でよく見かけるシーンであります。ちなみに「高地」は「こうち」ではなく「たかち」と読みますが、「とかち」とは関係ありません。たかちつくちたりしません。
 そんなわけで、後半で疲れてきたということもあるのか、お互いミスも少なくはなかったんですが、それでも試合としては面白い攻防が繰り広げられました。結果1点を守りきった札幌が勝利し、いつのまにやら7連勝。どうしてもそんなに勝ってる気がしないというのは、サポーターも魔術をかけられてしまってるんでしょうかね。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
https://www.kingofsapporo.com/old/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/441

コメント (4)

>サニーブライアン並の逃げを打ち首位を走る札幌

終わってみればツインターボだった。なんてオチが無いことを切に願う最近です。

元西野住民現相模原:

大変面白く見ています。
内容も論理的なのに精神的で私は好きです。
練馬の光が丘7丁目20年ほど住んで仕事で札幌に行き
今は相模原在住の中年ですがサッカ-だけは気持ちは
若いですよ・・連勝なりませんでしたが次節負けなければ
よいかなと・・。

元西野住民現相模原:

大変面白く見ています。
内容も論理的なのに精神的で私は好きです。
練馬の光が丘7丁目20年ほど住んで仕事で札幌に行き
今は相模原在住の中年ですがサッカ-だけは気持ちは
若いですよ・・連勝なりませんでしたが次節負けなければ
よいかなと・・。

ふぉでら:

最終的にセイウンスカイの如くレコードなんて感じだったらすばらしいですね

2016年2月

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29          

アーカイブ