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2007年7月11日

少しずつ

2007年Jリーグディビジョン2第26節
コンサドーレ札幌 1-1 モンテディオ山形
得点者:札幌/ダヴィ
     山形/宮沢

 「前半1-1は勝てないの法則!」とかしたり顔して書こうと思ってたら、今日勝っちゃいました。

 さてそんなわけでまたしてもみんなが忘れた頃の観戦記、第26節のモンテディオ山形戦です。第2クールは7連勝と快調にすっ飛ばしてきた札幌ですが、愛媛戦で強制ハンディキャップマッチを強いられての敗戦を喫して以降は1勝2分1敗といまいち調子を落としているだけに、第2クール最後、つまり前半戦ラストのこのホームゲームは勝って締めくくりたいところだったのですが、結果的にはまたしてもドロー。いまいちすっきりしない終わり方になってしまいましたね。
 まぁ7連勝した後に1勝3分1敗というのは確かに「失速」に見えなくもないですけど、とはいえもともと何連勝もその気になればお茶の子さいさいなチーム力ではないことはサポーターの誰もが知っているわけで、見方を変えれば第2クールの前半がむしろできすぎだったとも言えます。言ってみれば下道を走っていたら目的地途中まで1度も信号に引っかからずに来たけど、目的地間近で何度か引っかかりましたって感じだと思います。
 ただ連勝中の札幌は7試合でわずか2失点だったのに対し、連勝が途切れてからは5試合で6失点。あれだけあったウノゼロ試合もヴェルディ戦のみと、自慢の守備力に多少の陰りが出て来た感はあります。相手チームも札幌から点を獲るためにあの手この手で来ていることもありますし、サッカーの内容が多少攻撃的にシフトしてきているという理由もあると思います。ひとつの例としては、第1クールから第2クールの前半くらいまでにかけては、試合の前半はセンターラインから敵陣側は白石区外のホワイトストーンズみたいだったサイドバックが、最近は前半のうちから上がっていくシーンも多く見られるようになってきたことからも伺えます。そのぶんリスクは増すわけですから今までよりも失点の危険も増すのはまぁわかるんですけど、ここ最近の失点シーンを見るとミス絡みの失点もちらほら見受けられるのも気になるところです。この試合もまさにそんな感じで、失点シーンも芳賀がボールをかっさらわれてそのまま宮沢に持ち込まれて決められたもの。失点の少なさはリーグトップ、しかし得点数はリーグ6位という典型的な守備型チームだけに、特にミス絡みの失点は致命傷にもなりかねません。特にこの試合、前半は山形もさほど決定的なチャンスを作れていなかっただけに悔やまれる失点ではあります。まぁあまりチャンスがなかったのは札幌も同じなんで、前半終了間際に芳賀のなんでもないロングボールをうまく身体を入れて無理矢理ぶち込んだダヴィのゴールは札幌にとっては大きかったですし、山形にとってはイヤな感じの獲られ方だったとは思いますがね。ミス絡みの失点も尾を引いてしまうものですが、DFはしっかり身体を寄せていたのに、屈強な体躯と足の長さだけで1点獲られちゃったわけですからね。「そんなのアリかよ…」と思ったに違いありません。野球で言えば敬遠のボールをホムーランされてしまったみたいなもんでしょう。
 まぁ、全世界を笑いの渦に巻き込んだ徳島戦でのオモシロゴールなんかもそうですけど、ああいうゴールを決める割には、そこは決めてくれというゴールを決められないのもまたダヴィなんですけどね。実際、後半もカウエのクロスにヘッドで飛び込み上に外したシーンとか、狙い澄ましてポストにぶち当てたシーンとか、はえたたきトラップからDFの裏をとったシーンとか、その他ダヴィだけじゃなく砂川も惜しいシュートを何本か放っていたことを考えると、たらればの話をしてもしょうがないとはいえ、山形の攻撃も遠目からのシュートがほとんどで、チャンスの数自体は札幌のほうが多かっただけに、どれかひとつでも決めていれば勝てていたかと思うと残念感はありますね。それでも来日当初から比べれば格段に進歩してますし、ああいうフッキとは別の意味で破天荒な選手も札幌らしくていいかもしれません。カウエとともに契約延長も決まったようで何よりですね。

 あと特筆すべきはプロデビューを飾った岡本賢明でしょうか。熊本でのキャンプで見た時「デビューは早いかも」と書きましたが、石井謙伍が出場停止だったとはいえ、サテライトリーグや練習試合での活躍が認められ初のベンチ入りとなりました。その岡本は後半26分に元気との交代で初出場。さすがにあまりボールに触れる機会も多くはなかったですが、後半終了間際に走り込む砂川にダイレクトでスルーパスを通したのを始め、ワンタッチ・ツータッチでパスを出したりとその視野の広さと素材の片鱗は伺わせてくれました。でも、眉毛をいじりすぎだと思います。

 そんなわけで、終了間際にはどちらもチャンスを作りつつも引き分けに終わりました。札幌としてはまたもや勝ちきれなかったという感じの試合でしたが、それでも結果的に1クールで1敗しかしなかったわけですし、前半戦でわずか3敗は立派な成績。2004年なんて前半戦終了時点でわずか2勝でしたからね。確かに今はあまりいい状態ではないようですが、逆に良くないなら良くないなりにも勝点を拾っているとも言えるわけで、昇格を狙うためにはこういったしぶとさも大事だと思います。また、3分と1勝2敗は勝点こそ同じ3ですが、受ける印象は全然違うわけで、ライバルチームに「札幌なかなか負けてくれねぇなぁ」と思わせることもできるでしょう。昔、負けないこととか逃げ出さないこととか投げ出さないこととか信じ抜くことが一番大事なんて歌ってた人たちもいましたし。一発屋でしたけどね。

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