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2007年8月16日

草津戦初勝利

2007年Jリーグディビジョン2第32節
ザスパ草津 0-3 コンサドーレ札幌
得点者:札幌/元気、スナマコ、征也
     草津/なし

 調子が悪い悪いと言われつつもしぶとく負けずに踏ん張っているコンサドーレですが、今節はちょっと正念場。「プチ正念場」とかちょっと流行りっぽい言葉を使ってみようとして実は微妙に廃れた表現で重ね重ね上塗りしてしまうようなことはできれば避けたいものですが、今季唯一勝ち星を挙げていないザスパ草津とのアウェイ戦を迎えました。第1クールは先制ゴールを挙げておきながらその後わずか4分間で逆転されてそのまま敗戦、第2クールでは2度リードを奪いながらも2度追いつかれ引き分け。第1クールの試合はその直後から7連勝と、結果的には「いい薬」となったわけですし、第2クールの試合も負けているわけではないのですけど、同じチームを相手に2試合とも2失点とは、こういう書き方は申し訳ないのですけど、攻撃力の高い上位チーム相手でも無失点に抑えた試合があるのに、ここまでの総得点数はリーグワースト4位の20得点、順位も11位という草津に対してトータル4失点というのは、もちろん同一チーム相手の最多失点。守備を売りにしているチームとしては不思議な感じです。なんというか、ギターで頂点を目指すために上京してきたのになぜか笛を吹いているという感じ。なので、この試合では勝利は最低条件としても、無失点に抑えることが重要となってくるでしょう。
 とはいえ、札幌にとっての最大の敵は何よりも暑さです。幸い、日中に雨が降ったおかげで気温自体はキックオフ時点で24.3度とかなり下がりはしたものの、湿度は84%とむしむしする状態は変わらず、さらに攻撃の要である西谷が出場停止。穴は砂川で充分埋まるにしても、控えの切り札っぽい謙伍もケガで欠場となり、流れを変えられる選手がベンチにいないことに若干の不安を憶えます。
 対する草津のほうは、5月26日の水戸戦以来約2ヶ月以上も勝ちがなく、まさに草津の湯でも治せない勝利欠乏症はありますが、ゲンのいい札幌戦で浮上のきっかけを掴みたいところでしょう。対札幌戦3ゴールを挙げている氏原と新加入の大型FWカレカがスタメンの2トップ、DFチカの出場停止もこの試合で明け、ほぼベストの布陣で臨んできました。

 で、試合はいきなり前半4分にラインの乱れを突かれて高田に抜け出されるピンチを招きます。ここはGK高木がファインセーブを見せ事なきを得ますが、いまいち不安な立ち上がり。札幌は前半はサイドバックも上がらず、ボランチもあまり積極的に前に行かなかったことからも、コンディションを考えた省エネモードだったようですが、試合前に降った雨の影響でボールが滑りやすかったこともあってあまりチャンスを作れず。草津の新FWカレカは戦術的な指示なのか本人のプレイスタイルなのか、いずれにせよ前線に張ってポストになるのではなく、割と引いた位置でボールを受けるタイプのようで、シジクレイに似た顔の怖さとは裏腹に、技術的にはそんなに怖くはなく、言うなれば「白いダヴィ」。しかしそのカレカが引いたスペースに入ってくる鳥居塚にフリーでシュートを打たれたり、天敵・氏原にあわやのミドルを打たれるなど危ないシーンも何度かあり、ペースとしてはやはり草津の試合です。
 でもまぁ、前節の鳥栖戦もそうだったように、相手が上位だろうが下位だろうがだいたいいつもこういう展開になって、それでも先制するのが札幌というのがこれまでのパターンであり、果たしてこの試合も先制したのはやはり札幌。前半35分、ダヴィが相手ペナルティエリア近くで倒されて得たFKのチャンスで、砂川が蹴ったボールに元気が頭で合わせてゴール隅に決めます。ゴールに向かっていくボールを枠に飛ばすのはかなり難しいのですけど、うまく決めましたね。まぁ年々少しずつ成長を見せている元気ですから、これくらいはやってもらわないと、上達したのはマリオカートだけなんて言われかねませんからね。見事なゴールでした。
 このゴールでちょっと勢いが付いたか、この後はカウンターから何度かチャンスを作るものの、相手GK本田の好セーブもあって追加点は奪えず、前半は1-0で終了。

 さて先制したのはいいのですが、前述したとおり草津との前2戦も同じように札幌が先制し、そのあとに追いつかれるという展開だったために、後半求められるのはまずは相手に点を与えないこと、同時に早めに追加点を奪うことでしょう。2点目を酉さえすれば、12戦勝ちのない草津に「今日もダメかオーラ」を背負わせることができるはず。というわけで後半は前半よりかは幾分札幌もギアアップ。前半よりは前への意識も強くなりましたが、しかしあくまで主体は「失点をしないこと」であり、あまりリスクを負わないのはさほど変わらずで、草津にビッグチャンスは与えずともこっちもビッグチャンスはなく、試合のペースとしては五分五分といったところ。
 しかし今年の札幌が恐ろしいのは、五分五分、あるいは相手ペースでいけそうだと思わせておいて、実は相手の体力をじわじわと奪っているというところであり、そんなジョジョバトル的展開が札幌が首位を守っているひとつの理由だったりします。まぁ相手に攻めさせていると思わせておいて、実はやっぱり攻められていたという試合もあったりするんですが、この試合はまさしくいつもの札幌で、後半20分を過ぎた当たりから徐々に草津の運動量が落ち始めます。
 こうなってくればあとはいつ追加点を入れるか。後半も札幌がろくすっぽチャンスを作れなかったんですが、後半32分、相手のクリアミスを拾った元気が右サイドのタッチライン際を走っていた征也にパス。パスを受けた征也がアタッキングエリアまで持ち込んで入れたグラウンダーのクロスを、ファーサイドに走り込んでいた砂川が決めて待望の追加点をゲットしました。まぁ厳しい見方をすれば、征也のクロスは若干ミスキック気味でしょぼくれた弾道だったので、抑えようと思えば抑えられたはずなのに一瞬躊躇してしまった本田の判断ミスとも言えなくもないのですが、それでも元気が征也にパスを出した時点でダヴィと砂川の2人が猛然とダッシュをかましていましたから、なんだかんだで終盤になっても運動量が落ちない札幌の強みが出たと言えると思います。本田が飛び出しを迷ったのは猛然と走り込んでいるダヴィが目に入ったからというのもあるでしょうしね。
 ちなみに砂川は今季初ゴール。初ゴールといえば恒例となっている「アレ」はありませんでした。このあたりからも現在のチーム内の力関係が何となく見て取れます。芳賀主将といえども西谷と砂川という実力者2人にはうかつな行動は取れない模様。
 こうなればもう草津には反撃の余力は残されておらず、逆に札幌は後半43分に相手のクリアボールを拾った征也が見事なミドルシュートを突き刺してダメ押しゴールを決め、3-0で試合終了。第3クールにしてようやく草津からの今季初勝利を挙げることが出来ました。

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コメント (3)

匿名:

chooさん、この時点で
第10節 東京ヴェルディ1969 4-3
第29節 東京ヴェルディ1969 2-2

で、緑虫に5点取られえるですよ?
内約は
フッキ3ゴール
金沢 2ゴール

choo :

 これは「第2クール終了時点」の話で、第3クールの対戦は含めてないんですよ。第2クールのヴェルディ戦は1-0で札幌が勝ってますので、第2クール終了時点での対ヴェルディ戦の総失点数は3のままで、草津のほうが失点多いんですね。
 ということをちゃんと書いておかないと誤解されますよね。すっかり抜け落ちてしまってました。すみません。

 ちなみに「内約」とはたぶん「内訳」のことだと思いますが、おそらく「うちやく」と打ったんだと思いますが、これは「うちわけ」と読みます。

匿名:

「ないやく」で「内訳」だと思ってました(〃▽〃)
「うちわけ」かぁ・・・
理系にしては国語強いほうだったんけどやっぱ駄目だなw
勉強になりました。m(_ _)m

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