2007年Jリーグディビジョン2第40節
コンサドーレ札幌 0-1 ベガルタ仙台
得点者:札幌/いないってば
仙台/また萬代
前節…じゃなかった、代替試合で徳島に手痛い敗戦を喫した札幌は、束の間のお休みを挟んでようやく札幌に戻っての試合となりました。札幌ドームに3位のベガルタ仙台を迎え撃ってのホームゲームです。この試合から第4クールとなり、長い長いJ2リーグもいよいよ最後の直線に向かうわけですが、その緒戦という以上に重要な意味を持つ試合です。それは相手の仙台が3位につけているからに他ならず、前節終了時点で10の勝点差がある仙台を直接叩けばその差は13。一般的に「安全圏」と言われる「勝点差 > 残り試合数」をクリアすることになり、この時点で自動昇格となる2位以内がほぼ当確となります。逆にこの試合を落とせばその差は7にまで縮まり、一度は死にかけていた仙台をよみがえらせる結果となります。そしてその重要な試合に合わせるかのように、この日はキャパ4万3千人の札幌ドームを満員にしようという「4万人動員プロジェクト」が行われました。まぁ「プロジェクト」と銘打ってはいても、選手数人がローカルテレビ放送に出演してアピールを行ったくらいで、特に大々的なプロモーションを打ったというわけではないのですけどね。優勝争いはしていてもしょせんはJ2のチーム。
'``・* 。
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,。∩ * ドームが満員になーれ♪
+ (´・ω・`) *。+゚
`*。 ヽ、 つ *゚*
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☆ ∪~ 。*゚
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などと唱えてドームが埋まるくらいなら最初から苦労はしないわけで、当日は朝から激しい雨に見舞われたこともあってかあまり客足も延びず、最終的な入場者数は2万2千人強に留まりました。それでも今季最高の観客動員数ではあるんですが、テレビCMなどをバンバン打ったり、タダ券を2万枚くらい配りまくったり、札幌ドームにSOS団を呼んだりすればもっと動員は伸びたかも知れませんけどね。ドームを満員にしたところで5千万くらい利益が出ればいいほうなのに、見てくれの動員だけでPR費用をたくさんかけてもあまり意味はないと言えますから、現状ではこのあたりが精一杯ということなんでしょうかね。
それはいいとしても、そういった今季一番多くのお客さんに見てもらった試合で、トンチキなミスで失点した上にろくすっぽチャンスも作れないまま負けるというみったくない様を晒してしまうのですからねぇ。ここまでJ2で勝利をサポーターに見せることが最も多く、負け試合を見せることは最も少なかったチームが札幌なのですが、いくら勝ち数が多かろうと負け数が少なかろうと、こういう試合をものにできなければその価値も半減してしまいます。豪華なムービーと壮大なストーリーを売りにしたRPGで、長い時間かけてラスト近くまで行ったらに主人公が夢オチと言われた時くらいのガッカリ感です。こうなったらインターナショナルと称して完全版を出そうが、続編で女性キャラ増やしてキャラで売ろうが「どーせがっかりなんだろ?」と思われておしまいなんですよ。その上勝てば安全圏内に逃げ込めるという試合も落としてむやみやたらにリーグを盛り上げてしまうのですから、つくづく札幌もお人好しというかなんというか。
それにしても見所のほとんどないゲームでした。確かにブルーノが出場停止で、カウエも膝を痛めて欠場、ダヴィが急な発熱(馬インフルエンザ)で欠場と、ブラジルトリオが揃って欠場してしまう苦しい布陣ではありましたけど、それでも同じような陣容で望まなければいけなかった試合なんてこれまでいくらでもありましたし、今までは何とかしてきたはず。ダヴィの代わりに入ったイタカレは何をしたいのかよくわからなかったですし、そもそもあんまり動かないので元気がやりにくそうでしたしね。徳島戦の観戦記で元気の不在が敗因のひとつであると書きましたが、仙台戦を見るとそれは必ずしも正しい見方ではなく、要するに「ダヴィと元気が揃ってこそ」ということなのでしょう。2人とも1人でなんでもできるタイプではないですけど、2人とも同じような仕事ができますからね。要するにダヴィができることは元気もできるし、元気ができることはダヴィもできる。まぁ2人揃ってできないこともけっこうあるのですけど、それでもかたっぽしかできずにパターンが偏るよりはずっといいですし、それなりに長く組んできた分のコンビネーションもありますからね。前半で引っ込んだイタカレの代わりに入ってきた謙伍もいまいちパッとしませんでしたし、そもそもこの状態でベンチにも入れない相川はいったい何をやっているんだとかいろいろありますけど、まぁそれはともかくとしてお世辞にも破壊力に満ちているとは言えないFW陣で戦ってきた札幌が、第4クールになろうかというこの期に及んですら曲がりなりにも首位に立てているのは、何よりもセットプレイでの得点によるところが大きかったはず。札幌にとってセットプレイというのは、ネコ型ロボットにおけるどら焼き、屁のつっぱりはいらない人における牛丼、ダッフルコートの少女におけるたい焼き、炎髪灼眼の討ち手におけるメロンパンなどと同様の「切っても切れない関係」だったんですけど、そのセットプレイの切れ味がここのところ湿りがちなのは気になるところです。
なんにせよ昇格を目指すチームとしてはもっとも避けたかった連敗を喫し、なおかつ連続得点記録が途絶えた後は2試合連続で無得点、それに歩調を合わせるように守備陣もちょっとしたミスで深傷を負うような状態では、こりゃいくらやったって勝てるはずもないわけで、「不調」という言葉で片付けるのは簡単ですけど、実際はそこまで単純な問題でもないでしょうから、監督も頭の痛いところでしょうね。
ただ、リーグ戦も終盤にさしかかり、プレッシャーや周囲の期待などいろいろなものがのしかかってくるこの時期こそ本当のチーム力が試されると思います。今は確かに苦しいですが、ここを乗り切ってJ1昇格を勝ち取ることができたなら、今年以上に苦戦することが想像に難くないJ1での闘いにおいて、この経験がひとつの財産になるんじゃないかと思います。そう考えればある意味修羅場上等と言えます。泣いても笑ってもあと残り11試合です。まぁね、よくプレッシャーを楽しむなんて言いますけど、楽しもうとして楽しめるような簡単なもんじゃないと思いますし、もし簡単に楽しめるようなものならそれはプレッシャーとは呼ばないような気もしますんで、この状況を楽しめなんて言う気はさらさらないですが、他のチームだって同じようにプレッシャーがかかってるはずなんですし、もうここまで来たら腹をくくって「まぁよりによって最終回が放送中止になるよりかはマシだし」くらいの心境で行ってくれればオッケーだと思いますよ。
コメント (1)
>札幌ドームにSOS団を呼んだりすればもっと動員は伸びたかも知れませんけどね。
当日は交通手段の確保が困難なため観戦できず…。
小神彰ライブ(三十路岬)があったら気力でいったかと思いますがw
そういえば、中の人の名前が微妙に琴線に触れる名前なのは昔を懐かしんでいる証拠なのでしょうか?
>「まぁよりによって最終回が放送中止になるよりかはマシだし」
むしろ「この流れに沿って放送中止になって絶望した!」にならないか心配です。
投稿者: じゃがバター塩辛 | 2007年9月21日 21:14
日時: 2007年9月21日 21:14