一般的にクラブが選手の補強に関していつどのように動いているかはトップシークレット扱いの事項ですから、誰を狙っているとか誰と交渉しているなどと公にすることはほとんどなく、正式発表となるまでは我々一般的なサポーターはそれを知るすべを持ちません。しかしコンサドーレに限らずだいたいのチームのサポーターにとって、オフシーズンのこの時期の関心事はほぼ選手補強1つに集約されますから、メディアにとっては一番売れる「ネタ」が補強選手の名前です。しかし過去に新聞にリークされたがために獲得に動いていることが他のチームにバレてしまい、獲得費用が大幅に上がってしまったということもあったらしいので、出来れば秘密裏に動きたいチームが和と、何とか関係者から具体的な名前を聞き出そうとするメディア側との駆け引きなんかも我々のあずかり知らぬところで行われていたりするのでしょう。オレも詳しいことは知りませんけど、「来てくれるわけないじゃん」という選手がたびたび獲得候補としてメディア上に名前が挙がっていたりするのも、囲み取材の中で「○○選手が契約更新しないようですが、獲りに行くんですか?」「もちろん欲しい選手ではありますね」みたいなやりとりが翌日「○○獲得へ」なんて記事になったりするんじゃないでしょうか。逆にクラブ側はそれを利用して曖昧に返事したり、あえて狙いもしていない選手の名前を出したりしているのかも知れません。修学旅行の夜の恒例イベント「こういう機会だから誰を好きかをぶっちゃけてしまおう大会」における駆け引きみたいなもんでしょうか。こういう時に本命の女の子の名前をうっかり口にしてしまったりしたら翌日にはもう当人の耳に入っていて、土俵に上がる前から敗北確定だったりするので、煙幕のつもりで好きでも何でもない女の子の名前を出したら、いつのまにか既成事実になってたりするアレです。なぜだか目から汗が出てきました。
話を戻しますが、そんなわけでチームにとっては本当に狙っている選手こそ完全な秘密裏で話を進めたいところでしょう。前任の城福強化部長もよくのらりくらりと話を交わしつつ隠し球的選手を連れてきてたりしましたが、それは後任の三上さんも変わらないようで、先日期限付きでの獲得がチームから発表されたヴィッセル神戸のDF坪内秀介選手もまさにそれで、新聞はもちろんも噂レベルにすら挙がっておらず、まさしく青天の霹靂といった感じの補強でした。
坪内選手は1983年5月5日生まれの24歳。前橋育英高校から2002年にヴィッセル神戸に入団し、昨季までの6シーズンでリーグ戦ちょうど100試合、カップ戦12試合、天皇杯3試合、合計115試合に出場。1ゴールを挙げています。前橋育英高校ではアイカーの同期でした。神戸がJ2にいた昨季は左サイドバックのレギュラーとしてほとんどの試合に出場していますが、センターバックや守備的MFもこなすとのこと。というよりは左サイドが主戦場ですがもともとは右利きのセンターバックで、あまり攻撃的なタイプではなく、クロスも右足で上げることが多い…とプレイスタイルを聞けば聞くほど西嶋がもう1人って感じなのですが、少なくとも三浦監督の好きそうな選手であることは間違いないですね。その西嶋が最終節で骨折してしまい、復帰は早くても来年の2月くらいになりそうですから、その穴埋めという意味合いもあるのだと思います。とりあえずオフィシャルサイト上でのコメントも、「札幌の勝利のためにハードワークすることが自分自身の成長にもつながる」と既にハードワークという言葉を普通に使っているあたり、やる気は十分みたいです。
そして昨季途中に横浜FCから期限付きで加入していた鄭容臺選手の完全移籍も発表となっています。あまり派手な活躍こそありませんでしたが、怪我人続出の後半戦において、その穴埋め以上の働きをした立役者の1人です。横浜FCがJ2に降格してしまったため、おそらく容臺自身がJ1でのプレイを希望したのでしょうけど、来季も引き続き頑張って欲しいと思います。