ワールドカップのアジア3次予選も終了し、そのために中断されていたJ1リーグも来週から再開となります。リーグ戦では1ヶ月強、ナビスコカップを含めても3週間の間Jリーグの試合から遠ざかり、長いことアホみたいな過密日程のJ2にいた我々としては、どうにもこう「しばらく試合がない」という状態は慣れていませんし、かといって代表の試合を楽しもうにも、我らがチームから誰一人として選手を送り込めてもいない状況では、札幌の試合に比べるとどうしても「ヨソの子の運動会」の域を出ないため、手持ちぶさたな感じがしてました。
ただ、じゃあ再開が待ち遠しいかと言われるとそういうわけでもなく、どっちかと言えば、憂鬱な感じがします。それはなぜかと言えば、もちろん今のチーム状況がそうさせているからに他ならず、18チーム中17位というJ2降格へ片足を突っ込んでいる順位もさることながら、ここまでのシュート数95本は全18チーム中唯一100を切ってワーストワンな上、被シュート数は212本と、これまた全18チーム中唯一200を超えてワーストワンという成績。そのあたりをもう少しなんとかしないとどうにもならんところですが、新助っ人のアンデルソンは、少なくとも諸手を挙げて歓迎できる実績はありません。まぁ実績についてはそれなりだったノナトがアレでしたし、何度も言うようですが過去も「詐称ロシアリーグ得点王」とか「自称ロナウドより上」とかいう人がさっぱりだったこともありますから、フタを開けてみればすごい選手だったりするかも知れませんけど、逆に言えばフタを開けてみないとわからんような選手に命運を託さないといけない状況では、さすがに強気になれるハズもありません。気分的にはウィザードリィで中途半端なレベルのパーティーでグレーターデーモンに対峙するような心境で、タコ殴りにされた挙げ句カント寺院に連れて行ったら、
*ささやき-えいしょう-いのり-ねんじろ!*
*コンサは はい になりました*
みたいな感じですかね。ロスト一歩手前です。目も当てられません。
まぁそれでも前のほうについては未知数でもやってもらうしかないとはいえ、もう一つのワーストワンの守備もなんとかしないといけないところ。漫画の世界でしたらこの中断期間で山ごもりをして、なんか宇宙的な必殺技でも身につけているものですが、実際のところ宇宙的なのは曽田さんの文章くらいなものですので、現実的な話をしなければいけません。その「現実的な」話として守備の補強となりました。川崎フロンターレから箕輪義信選手の期限付き移籍が発表されています。
箕輪選手は1976年6月2日生まれの32歳。川崎生まれの川崎育ちですが、仙台大学を経てのプロのキャリアのスタートはジュビロ磐田でした。磐田には1シーズン半所属しましたが出番がなく、2000年に川崎へ移籍。翌年からレギュラーの座を勝ち取り、以後2007年までの7シーズンもの間、187cm83kgと恵まれた体格を生かして不動のDFとしてプレイし続けました。2005年には日本代表に招集され、ウクライナ戦で初キャップを記録。しかし、2008年はグロインペイン症候群で長期離脱を余儀なくされ、先日戦列に復帰したばかりでした。
32歳と年齢的にはピークを過ぎていると思われますが、DFの能力において大きな要素を占める「経験」を持ち合わせており、その経験こそが今の札幌に足りないものです。天皇杯を除くJ1での112試合出場という記録は、札幌のDF登録の選手の中では初登場2位となります。トップは箕輪と2000年に共に川崎でプレイした西澤画伯(154試合)なんですが、画伯はどっちかというとその有り余る経験を暗殺術に特化してしまった感がありますし、何より結局デビューしたウクライナ戦のみに留まっているとはいえ、日本代表キャップというのは画伯にもない経験です。柴田も吉弘も素質のあるディフェンダーですが、方やルーキー、方やサンフレッチェ広島で控え中心だった選手と、経験の絶対値が足りませんし、今では札幌では欠かすことのできない存在となった西嶋にしても、札幌に来る前はただの1試合も出場機会がありませんでしたから、こういった経験のある選手と組むことによって、経験の少ない選手もそれに引っ張られてレベルアップするという効果が期待できます。もょもとと一緒に強い敵と戦えばサマルトリアの王子やムーンブルクの王女もすぐにレベルアップしていくのと、同じではないけどちょっとだけ似ています。かつて名塚善寛という経験もパフォーマンスも申し分のない選手がいたのに、名塚さんのあとは全然DFが育たなかったのはこの際全力で考慮の外に置くとして、箕輪に関しては経験だけじゃなくてプレイ面でも大きな貢献が見込まれます。事実、札幌はこの箕輪と寺田周平、伊藤宏樹の3人で形成されていた通称「川崎山脈」に対しては、等々力では1点も取らせてもらえませんでしたからね。箕輪いなくても点取れませんでしたけど。
まぁ一つ気になる点を挙げるとすれば、グロインペイン症候群がどの程度パフォーマンスに影響するかでしょうかね。「症候群」というと、近年ではメタボリック症候群とかアスペルガー症候群とか釘宮症候群とかが思い出されるように、病気の一種と捉えられるかも知れませんが、正確に言えば病気ではなく怪我の一種で、「スポーツヘルニア」とも呼ばれます。サッカー選手に多く見られる症状で、中田英寿やジダンといった有名選手も発症しています。これといった有効な治療法がないそうで、またいつ再発するかという心配もありますが、箕輪選手にかける期待の大きい我々としては、再発しないことを祈るしかないですね。ちなみに釘宮症候群もこれといった治療法はありません。ソースはオレ。
まぁそういった怪我のこともあったにしても、よく獲れましたよね。某所では発表がある前から札幌に移籍するというかなり信憑性の高い噂が飛び交っていましたけど、川崎も井川祐輔の完全移籍に成功したとはいえ、復帰した箕輪が出られないほどDFの層が厚いかと言えばそういうわけでもない、というよりは現在のレギュラー3バック(伊藤、寺田、井川)の他のDF登録の選手は大卒と高卒2人のルーキーしかおらず、どちらかといえばむしろ層は薄いほうと言えます。怪我明けとはいえレギュラーに怪我や出場停止があった場合は普通にスタメンを張るくらいの力を持っているであろう箕輪を川崎が出すとは思えませんでしたし、箕輪自身も優勝を狙える位置に付けているチームから、降格を免れない位置に付けているチームに来る気になってくれるとは思えませんでしたから、単純にこれは驚きました。「行くからには残留させる」と頼もしいコメントをしており、期待できそうです。もっとも、「頑張るけど残留は期待しないでネ☆」なんてコメントする人はいないでしょうけど。もしいたらオレが編集した釘宮祭のDVDを送りつけて釘宮症候群に感染してもらいます。
ところでグロインペイン症候群って、少し前まで「恥骨結合炎」って言ってたような気がします。横文字で書かれるよりもこっちのほうがストレートに症状もわかりやすいと思うのですが、まぁ直球過ぎてアレなんで別の名前にしたのでしょうかね。関係ないですけど昔とんねるずのアルバムに「天使の恥骨」って歌が収録されていたのを思い出しました。当時のとんねるずは割とギリギリな歌を歌ってたような気がします。「銀河の交番」とかギリギリどころかけっこうアウトくさかったですね。だからなんだと言われても困るんですけど。
コメント (2)
箕輪選手……
等々力のゲームで彼がお立ち台で「コンサドーレには点をとられる気がしませんでした」と勝ち誇っていたのが忘れられません。
以来、箕輪憎しできましたが、まさか応援することになるとは思いませんでした(笑)
是非ベストパフォーマンスを発揮して欲しいものです。
投稿者: 0x4E71 | 2008年6月24日 10:45
日時: 2008年6月24日 10:45
銀河の交番はアルフィー風だったと記憶してますけど、
天使の恥骨は何風でしたっけ?
投稿者: とんまとのろま | 2008年6月30日 14:52
日時: 2008年6月30日 14:52