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2008年10月 1日

ダヴィ帰る

 「帰って参りました…恥ずかしながら、移籍できずに帰って参りました」

 というわけで大分戦の感想を書かないといけないのですが、それは華麗に置いといてダヴィの件から。移籍交渉のためにチームを離れていたことはここでもお伝えしたとおりですが、「28日までに結論が出る」はずだったその交渉は、その後「交渉が長引いており結論が出るまでにはあと数日かかる」という発表になり、そして本日クラブから「成立に至らず、今まで通りコンサドーレ札幌でプレーする事が決まりました」という発表がありました。ダヴィは既に札幌に戻ってきており、練習にも参加しているようです。各メディア上でも濃厚とされた今回の移籍騒動は急転直下、「札幌残留」という結末で終わりました。

 残留を伝えるクラブからの公式発表にもあるとおり、ダヴィにオファーを出したクラブは大方の予想通り、というよりはそこ以外には考えられない中東のクラブ。カタールリーグのアル・サッドというチームだそうです。アル・サッドといえば元札幌のエメルソンが所属しているチームです。ご存じの通り彼も浦和レッズに所属していたシーズンの最中に、息子の病気を理由にブラジルに帰っったと思ったらいつのまにかカタールに行って契約してた選手。その後は年齢詐称で逮捕されたりカタール国籍を取っていたり北海盆歌を踊っていたりしていたエメルソンは、一度はフランスリーグに行ったもののあまりパッとせずまたアル・サッドに戻ってきており、ダヴィが移籍することになればエメルソンと時代を超えた札幌2トップが実現…となったかといえばそれはどうやら微妙のようで、というのもそもそもアル・サッドがダヴィに白羽の矢を立てたのも、なにやらそのエメルソンがチームともめて行方知れずと相変わらずの相変わらずっぷりを発揮していたことがひとつの要因らしいんですね。まぁ本当のところはどうかわかりませんが、「エメまたいねぇよ」→「しょうがない、FW探すか」→「だったらまた信頼と安心の日本製(のブラジル人)だな」→「お、少し金積めば来そうなヤツ発見」とかそういう感じなんでしょうね。

 で、ダヴィのパスを持っている札幌は、もしダヴィにオファーがあった場合でも設定された以上の移籍金提示がない限り交渉のテーブルにつかないという契約を結んでいたそうです。その額は300万ドル(推定)。ダヴィが今年札幌に完全移籍した際の金額が推定50万ドルと言われていますから、そこから考えれば札幌としてはかなり強気な額を設定していたと思いますが、エメを獲得した時に推定700万ドルという移籍金をポンと払ったアル・サッドにとっては端金でしょう。「おう、300万ドルぽっちすぐ払ってやるよ、だからよこせ」と言われてしまえば札幌側としては移籍の交渉を認めざるを得ず、あとはダヴィとアル・サッドとの交渉となったわけですが、その交渉がどうもうまく行かなかったみたいですね。そのアル・サッド側の提示は「年俸1億円の3年契約」とのこと。ブラジル州リーグの名もないクラブから、たった500万円の契約を得るために極東の僻地のチームにやってきて、そこからわずか2年で一気に20倍の金額を手にしようという状況。オイルマネーで潤いまくっているカタールのことですから、豪邸とか高級車とかオプションも充実、送料も金利も負担といった感じだったと思われますので、交渉が決裂したのは金銭的なものが理由ではないのではないかと思いますが、だとすればいったい何が不満だったんでしょうかね。ドラゴンボールのDVD-BOXがないとイヤだとか、マリオカートの相手がいないとイヤだとかでしょうか。
 もし移籍が実現していれば、買った時の6倍の金額で売れるというラッセンの絵以上の財テクだったわけで、観客動員の伸び悩みで赤字確実だったのが、一転して大きく黒字になりそうだったクラブ側にとっては複雑な心境かもしれませんが、とにかくダヴィは、少なくとも今季が終わるまでは札幌の選手としてプレイすることになりました。なんだかミストの村でいなくなったと思ったら敵に寝返っていたFF4のカインみたいな感じですが、まぁ札幌のユニフォームを着ている間はクラブのために力を尽くして欲しいと思います。そういえばカインって術が解けてまた仲間になった後もう1回寝返るんでしたっけ。

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