2008年Jリーグディビジョン1第25節
コンサドーレ札幌 2-3 ジェフユナイテッド市原千葉
得点者:札幌/ダヴィ、アンデルソン
千葉/ボスナー、巻、谷澤
2008年Jリーグディビジョン1第26節
大分トリニータ 3-2 コンサドーレ札幌
得点者:札幌/アンデルソン、西
大分/エヂミウソン×2、ウェズレイ
「Woman」や「君のいる星」などで知られるシンガーソングライター・中西圭三さんの最高傑作と言えば、個人的には「ぼよよん行進曲」であると思います。どんな曲かご存じない方はネットの動画サイトで探してみれば見つかるかと思いますが、最初の歌詞はこうです。
どんな大変な 事が起きたって 君の足のその下には
とてもとても丈夫な バネがついてるんだぜ
押しつぶされそうな そんなときだって ぐっとひざっこぞうに勇気をため
「いまだスタンバイオーケー!」 そのときを待つのさ
今札幌が置かれている状況はまさに押しつぶされそうなそんなときではないかと思います。こういう時こそひざこぞうに勇気を溜めて、空へ高く飛び上がっていきたいところ。でも実際のところ、コンサドーレのバネは去年の昇格で伸びきってしまっているような気もしないでもありません。
さて、相手が優勝争いしてるチームだろうが残留争いしているチームだろうが、誰が出てようが出ていまいが、あるいはホームだろうがアウェイだろうが、はたまた11人フルだろうが1人2人退場しようがいかなる状況であっても4試合連続で3失点というのは、ある意味つねに自分たちのサッカーができていると言えなくもないのですけど、黄金期のジュビロ磐田ならまだしも、げれっぱの札幌に4点も5点も取らせてくれるチームがJ1に存在するはずもないですから、まぁ勝てるわけもありませんわね。
しかも千葉戦、大分戦はともにアディショナルタイムに決勝点を入れられるという結末で、しばらく影を潜めていた持病の「ロスタイム症候群」の発作まで起きるようになっています。この症状が最もよく見られたのは2002年であることを考えると、もはやチームとしても末期症状なのかという心配も出てきますが、チームとして置かれている状況は同じでも、どんなしょぼい内容でもなんとか1点を返したいとゴールに向かっていく気持ちが見えるぶんだけ、ただ何となくサッカーやって、ただ何となく負けているようにしか見えなかったあの頃に比べれば断然マシです。まぁそれだけに、他のチームとの純然たる差が見えてしまっているのは皮肉ではありますけど。
そんなわけでまずは千葉戦。まぁこれは箕輪の退場がすべてでしたね。前半の早い時間帯に守備の中心選手を失って、しかもPKを決められて1点のビハインド。そこからダヴィの個人突破で1点を返して前半を同点で折り返したものの、後半開始早々に巻にヘディングを決められ再びリードを奪われます。しかしその後は10人の札幌が主導権を握る展開となり、クライトンのコーナーキックにアンデルソンがニアで合わせたボールは、「アンデルヘッド」と呼ばれる神秘的な頭の凹凸によって不思議な回転がかかり、真正面で受けたはずの相手GKの岡本がゴール側にはじいてしまいゴールイン。同点に追いつくことに成功しますが、その後も何度も千葉ゴールに襲いかかりながらも逆転することができず、そうこうしているうちに終了間際にダヴィがハンドによって2枚目のイエローカードを受け退場してしまいます。今更ですがこの時のダヴィも、あっさり引き下がりましたよね。いつものダヴィなら「ワザとじゃねーよ!」とばかりに食ってかかってもおかしくないのに、今から考えればこの時には既に代理人からオファーについて何らかの話を聞いていたのかもしれませんね。ともかく、ギリギリで保っていた札幌の選手の集中力がこのプレイで切れてしまったのか、アディショナルタイムに谷澤にゴールを決められ敗戦となってしまいました。
この日の千葉は、スタメンに36番の深井正樹や41番の戸田和幸が名を連ね、ベンチには43番の根本裕一と45番の早川知伸と実に40番台の選手が3人もいるというメンバー。こういう背番号がやたらと大きい選手がいっぱいいるのは迷走している事の証でもあります。新しいメンバーが増えれば戦術面でも不利になる上、1試合で使える選手の数が決められている以上、RPGでパーティーに誰かを加えれば誰かを外さないければいけないのと同じように、新しく選手を入れればそれだけそれまでいた誰かがはじき出されることになります。RPGのキャラならウーマロみたいにいくらでも飼い殺したって何もいいませんけど、選手は人間ですからね。もちろん今までのチームではダメだったから補強するわけですし、戦力になっていれば外されることもないというのは正論ではありますが、それをわかっていてもそのはじき出された誰かはどうしても「自分は必要とされていない」と感じてしまいがちです。それが多ければ多いほどチーム全体の士気にも影響しますし、また補強した選手がみんなすごい選手ならともかく、ちょっと微妙な選手だったりした場合でも、それがフロント主導の補強だったりすると監督もその手前使わざるを得ないですから、そうなると余計にチーム内がギクシャクしてしまうなんてことも。まぁ別に千葉がそうだというわけではありませんけどね。2002年の札幌がそうだったというだけであって。
ただまぁ、実際この試合でも10人の札幌にペースを握られる時間が多かったので、劇的に良くなったというわけでもなさそうですね。それでもファウルを受けて試合が止まった時に時間を潰したりせず、すぐにリスタートをしてゴールを目指そうとしていたのは個人的に好感が持てました。降格ゾーンから抜け出すために是が非でも勝点3が必要な試合で、10人の相手に対してリードしている状況であれば、普通ならプレイの切れ目で遅延を食らわない程度にチンタラして時間を潰すのがセオリーなんですけど、スコットランド人のミラー監督はそういうプレイを嫌うのでしょうか。まぁそれでいったんは追いつかれてしまっているのですけど。
札幌としては、やっぱりいつものパターンといいますか、押してた時間帯に点が取れないというのが一番ネックだと思います。この試合が終わった時点でのチーム総得点は29。この数字はリーグで10位と実はそんなに悪くはないんですよね。得点力が決してないわけではないのですけど、決定力という意味ではいまいち足りないということでしょうか。たとえていうなら、ほんとに欲しいものに限って発売日に届かないAmazonみたいな感じです。まぁその傾向は今年始まったことじゃないですし、札幌だけに限った話でもないのですけどね。
大分戦はまた後日。
コメント (2)
う~ん、なぜか読んでて涙が出てきた。
投稿者: ume | 2008年9月28日 08:55
日時: 2008年9月28日 08:55
実は札幌の決定率はリーグ2位という不思議w
投稿者: 匿名 | 2008年9月28日 12:04
日時: 2008年9月28日 12:04