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2009年7月21日

23対2

2009年Jリーグディビジョン2第27節
コンサドーレ札幌 0-1 ロアッソ熊本
得点者:札幌/なし
     熊本/吉井

 クライトンの退団やら新加入選手やらがあったため、気がつけばロアッソ熊本戦の記事が全然かけてませんでした。なんかもう今更って感じもしますし、何より試合が絵に描いたようにアレだったのでいっそこのままうやむやにしようかとも思ったのですが、やはり現実とは戦わなければいけないと思いますので、簡単ではありますが書いてみようかと思います。
 結果的にはクライトンの札幌でのラストゲームになってしまったこの試合、前節アウェイで愛媛FCと戦ったコンサドーレ札幌は、苦手な四国で苦しみながらも逆転勝利を果たしたことで何かひとつのきっかけになったんじゃないかという淡い期待もありましたが、淡さでいえば淡口くらいの期待もしょせん期待でしかなく、原田の退場で前半で10人になった熊本を相手に圧倒的に攻め込みながらも拙攻を繰り返し、逆にワンチャンスをモノにされ0-1の敗戦となってしまいました。
 熊本のシュートはこの得点時の吉井のシュートと、おそらく後半キックオフの際に木島(前園顔)が放ったのと2本だけ。「シュート2本での勝利」というのはJリーグの最少タイ記録となります。といってもこのパターンは結構あって、今年だけでもJ1では5月2日の第9節・西京極での京都サンガFC対名古屋グランパス戦(0-1で名古屋が勝利)、J2でも5月10日の第14節・三ツ沢での横浜FC対栃木SC戦(1-2で栃木が勝利)でそれぞれ記録されており、今年だけで3回目となります。それ以前でもざっと調べた範囲ではJ1/J2含めて5試合くらいありました。なお、横浜FC対栃木SCの試合では、栃木の2点のうち1点はオウンゴールで、当初栃木のシュートも1本しか記録されなかったのですが、後に2本に訂正され惜しくも栄冠(?)を逃しています。それに対して、札幌が放ったシュートはなんと23本。しかも話によれば交代出場した3選手を含む全フィールドプレイヤーがシュートを放ったのだとか。圧倒的じゃないか我が軍は。熊本などものの数ではないわ。入らなきゃ意味ないけどな!
 そんなわけで、野球で例えれば毎回の全員安打を放っておきながら16残塁、被安打はたったの2つだったのに送りバントとタイムリーエラーで献上した1点を守り抜かれて敗戦って感じでしょうかね。ところで福王といえば代打の切り札だと思うんですけど熊本の福王選手はスタメンで出ていいと思ってるんですか(言いがかり)。それはともかく、昔「下手な鉄砲も数打ちゃ当たるんだからいいからとにかくシュート打て」なんていいましたけど、この日みたいに無駄にボールを回した挙げ句手詰まりになって入りそうもないところから打つシュートなんて意味ないですよね。その上決めなきゃいけないところも決められないのでは、そりゃ何本シュート打ったって入りっこないです。ちなみにJリーグの90分での最多シュート記録は、1999年のJ1リーグセカンドステージ第14節・ベルマーレ平塚対鹿島アントラーズ戦で鹿島が記録した34本らしいです。延長戦があった時代を含めると37本だそうで、これは1998年のベルマーレ平塚が記録していますが、この時の相手はコンサドーレ札幌でした。なので、どうせだったら1本で勝利というJリーグ新記録のお膳立てをしたチームとして名を残すのが、スペシャルネタチームとしてのコンサドーレ札幌のつとめだと思いますが、木島も入るわけもないキックオフシュートなんぞやっとらんでその辺空気を読むべきだったと思います(無茶)。

 まぁそんな感じで心底どうしようもない試合だったわけですが、10人の相手に負けるというのはサッカーでは割とよくあることで、実際札幌も第10節の横浜FC戦で逆の立場で勝利していますから、それはそれで「こういうこともある」と割り切るべきなんでしょうけど、だったらなおさらこういう場合に「数的優位の側がやってはいけないこと」がわかっていてもいいはずだとは思うのですけどね。何食わぬ顔で毎試合失点をする札幌ですら、引き分けでもOKと開き直って守ればそうそう簡単には崩されなかったのですから、そうそう簡単には点を取れないことはわかっていなければいけないはず。なのに、「いつかは取れるだろう」的な感覚で時間を浪費し、挙げ句の果てにはいちかばちかのパワープレイなんて、その横浜FCをしてやった時のまんま逆パターンじゃないですか。その辺、やっぱり「大人のチーム」にはなりきれてないんですよね。
 それでも無理矢理「よかった探し」をするのであれば、ボランチのダニルソンと前半怪我で欠場した藤田征也の代わりに右サイドに入った石井謙伍でしょうか。ダニルソンは相変わらず雑なところもありますが、これまではバランスを気にしすぎていたのかミッドフィールドからあまり動かず、どちらかといえば守備専門といった感じで、攻撃参加もカウンターを除いてはペナルティエリア手前からのミドルシュートを見せるくらいだったのが、この試合では積極的にサイドに流れたりペナルティエリアまで侵入してチャンスを作っていました。もちろん相手が1人少なかったということもあるでしょうが、少なくとも引いて守る相手に対して動いてスペースを作ろうとしてたのはダニルソンと砂川くらいでしたからね。あとは中盤でのキープ力が出てくれば、とんでもない選手になりそうな気がします。
 謙伍も今シーズンは交代で出てきた時はいったい何しに出てきたんだと思うことしきりでしたが、スタメン出場したこの試合は積極的にボールに絡み、前線から激しいプレスを仕掛けてマイボールにしたりといい動きをしていました。やりゃできるじゃん、と思ったのも束の間、後半FWに入った途端、前を向けるシーンでも後ろにボールを戻したりと、もとのがっかりさんに戻ってしまいましたけど。前を向いてボールを受けたほうがいいパフォーマンスが出来るということなんでしょうか。前半のプレイがいつでもできるようになれば、ベストメンバーが揃った時でも少なくともベンチから外れることはなくなると思うんですがねぇ。

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