2009年Jリーグディビジョン2第28節
コンサドーレ札幌 1-2 ザスパ草津
得点者:札幌/ダニルソン
草津/都倉、松下
どうでもいいですけどコーヒールンバを歌い出そうとすると「さそり座の女」になりませんか。
前節10人でシュート2本のロアッソ熊本にさくっと敗戦した札幌は、今節は函館に場所を移動してのホームゲームとなります。相手は第1クールの試合でアウェイで辛勝したザスパ草津。前節終了時点で勝点34の10位につける草津に対して、札幌は勝点で3だけ上回る37の9位。助っ人4人を入れてやっとこさっとここの順位という札幌もたいがいに情けない気もします。13ゴールで得点ランキング3位につけるエース都倉賢の存在も含めて、草津が強くなったのは間違いないでしょうが、それでも「J1昇格」を目標としている以上、この程度の成績で満足できるサポーターはいないでしょうし、チームとしてもこんな順位に甘んじている現状が本意ではないことを、結果で証明して欲しいものです。しかし函館はコンサドーレにとってどうにも相性がよくないようで、ここ千代台競技場で試合が行われるようになった2000年以降、勝ったのは「俺王様スーパー北斗21号事件」で有名な2001年のガンバ大阪戦(1-0)と、2005年のモンテディオ山形戦(3-1)のみ。通算で2勝6敗1分という成績となっています。年に1度の函館開催を楽しみにしている函館在住のファンの中には勝ったところを見たことがない、という人も普通にいそうな感じでして、そして結果としてそれは今年も同じような状況になってしまったわけですが。
札幌はこの試合の前にクライトンが退団し、そのクライトンの後釜として獲得が発表されたハファエル選手はまだ来日しておらず、同時に加入が発表された柏レイソルの石川直樹も合流したばかりということで函館への遠征メンバーからは外れましたが、前節怪我で欠場していた宮澤裕樹と藤田征也が戦列に復帰。クライトンが退団したことでトップ下を置く理由がなくなったため、ノブリンがこれまでの4-2-3-1ではなく4-2-2-2にシステムを変更したのは予想の範囲でしたが、2トップの一角に入ったのは宮澤ではなく西大伍で、さらに左のサイドハーフには石井謙伍が入りました。岡本賢明ではなく謙伍を使った理由は、おそらくはサイドハーフとしてよりも、どっちかと言えば右サイドの征也からのクロスに対して、紀梨乃、大伍、そしてもう1枚謙伍を突っ込ませるという、実質3トップという感じに考えていたんでしょうかね。その通り左に張ってプレイすることよりも中に入ってのプレイのほうが多く、若干下がり目の位置でボールをよくさばいていました。この状況でも2トップの片割れを本職の謙伍ではなくあえて大伍にしたのは、謙伍をFWっぽくないところに置いといてFWと意識させないノブリンの高等戦術だったのかもしれません。いやまぁ実際FWがそんなことでは困るような気もするんですけども、できないプレイを無理矢理やらすよりはできるプレイを最大限やってもらったほうがいいということなんでしょうね。もっとも、後半に上里からのこれ以上ないって感じの絶妙クロスを空振りしたのはやっぱり量産型柳沢なんだなぁと思いましたが。なんというか、草津の都倉や愛媛の内村といった中位以下のチームでも得点ランキング上位に顔を出している選手や、最下位のチームにいながらJ1で2位のゴールを叩き出していたダヴィみたいな選手を見ると、「点を取る能力」だけは教えて何とかもなるものじゃないんでしょうし、「ボールを扱う」スキルと「ボールをごーるに入れる」スキルは違うものなんだろうな、と思います。関係ないですけど都倉って同じ川崎フロンターレの井川以上に女装が似合いそうな気がしますよね。
しかしなんだかんだ言って、スタメンのフィールドプレイヤー10人のうち半分の5人が札幌生え抜きの選手、そしてそのうち3人がユース出身です。また、札幌に来るまで公式戦の出場がなかった西嶋も「準生え抜き」と解釈することも可能かもしれません(無理)。GKを含む11人中8人が生え抜き選手どころかレンタル選手だった時代に比べれば隔世の感はありますね。まぁそれで勝てるかどうかはまた別問題ですけども。ただ少なくとも、同じように(というよりは半ば無理矢理に)生え抜き選手を中心にチームを作った2004年は笑っちゃうくらい勝てずにJ2最下位に沈みましたからね。もちろん助っ人がいるという点が当時とは絶対的に違いますけど、その助っ人の中でも絶対的な柱だったクライトンが抜けた後でも試合を優勢に進めることができていたのは、結果的に負けたとはいえ「育成型チーム」という観点ではわりかし順調といえば順調なんじゃないかと思うわけです。とはいえ、この試合の敗因は簡単に2失点してしまったこと、すぐに1点を返したのにその後攻め込みながらも決めきれなかったことなんですが、何となく2006年のエントリを読み返してみたら、3年前の自分が今と同じようなことを嘆いていたんで、もしかしたら順調でもないような気もしてきました。まぁ当時はフッキという絶対的なストライカーがいたのに対し、今年は「決められんFWを何枚並べたって決まるようにはならん」という違いはありますけどね。やっぱり点の取れる選手は必要なんでしょうかね。つってもフッキがいても昇格はできなかったわけですけど。結局メンバーも監督も変わっても、チームの本質はそうそう変わるものではないのかもしれません。こう見えても5年前に一回リセットボタン押したはずなんですけどね…。