吉備の花嫁
2009年Jリーグディビジョン2第41節
ファジアーノ岡山 1-0 コンサドーレ札幌
得点者:札幌/藤田
岡山/なし
画像は試合とはまったく関係ありません。
さらに関係ないですがこのサイト、気づいたら10年目に突入していました。「継続は力なり」といいますが、まる9年やってきて果たしていったい何の力になっているだろうと考えるとその言葉に対する疑問は尽きないですね。
さて、札幌と室蘭の距離(約130km)はだいたい練馬から水戸へ行くくらいの距離であることは前回ちょっと触れましたが、ではその距離をJリーグの本拠地に例えるとどうなのかというと、スタジアム起点だとNACK5スタジアム(さいたま市)から笠松運動公園陸上競技場(那珂市)までの距離とほぼ同じくらいです。ちなみにコンサドーレがもう一つ札幌以外でホームゲームを開催している千代台公園陸上競技場(函館市)は、札幌厚別公園競技場から300km弱離れています。これは東北電力ビッグスワンスタジアム(新潟市)からひたちなか市総合運動公園陸上競技場(ひたちなか市)くらいの距離。なぜ基準が水戸ばかりなんだという疑問はさておきまして、要するにコンサドーレは、室蘭での試合の際は水戸ホーリーホックが大宮アルディージャとのアウェイ戦に、函館での試合の際は水戸ホーリーホックがアルビレックス新潟とのアウェイ戦に遠征するのと同じくらいの距離を、ホームの試合で移動していることになります(距離はいずれもマップファン調べ)。もちろん、地域密着の理念においては札幌以外の都市で試合を行うのも大事なことですから、それについての是非は問うべくもないのですが、改めて北海道の広さを実感する次第です。
まぁそんなわけで、その室蘭で行われたアビスパ福岡戦から中2日、きびだんごスタジアム…じゃなかった桃太郎スタジアムでのファジアーノ岡山とのアウェイ戦は、移動距離だけの上では連続アウェイみたいな感じ。シーズンも終盤となり、そうでなくても身体のあちこちにガタが来ているであろう選手たちにとってはきつい状況のようで、この試合は福岡戦で前半に負傷退場したMFダニルソンが欠場。代わりにMF芳賀博信が久しぶりのスタメンとなります。そしてインフルエンザで元気じゃなかった元気がやっと元気になったようで、ベンチメンバーとして名前を連ねました。
今季初対戦となる岡山は、前節までで8勝21敗11分で16位とJ2の壁に当たっており、札幌とのここまでの対戦成績も1勝1分、札幌にとっては比較的相性は悪くないチームだと思いますが、さりとて初対戦では上里のミドルシュートで幸先良く先制した後にいろいろとチャンスをぶっぱずし続けて追いつかれてドロー、前回の対戦も大勝したはいいけど大量得点の陰できっちり崩されて2失点してますし、そもそもけっこうメンバーも替わっています。つーか前回の対戦の時もそうでしたけど、やたらでかい背番号の選手が多いですね。いくら欠番が認められているとはいえ50番の選手も出てきましたし。天敵西野晃平が骨折で長期離脱中ですが、やはり札幌としてはまずはしっかりと守備をしないといけません。タイトなスケジュールなのもあって、無難な立ち上がりになると思われましたが、たいていこういう時の予感は裏切られるもので、立ち上がりから札幌がほぼ一方的に岡山陣内に攻め込む展開。おお、なんだつええじゃん、札幌。
ところがどっこい、肝心な得点ですがこれが全然入りません。前半31分、ようやくゴール前でのこぼれ球を藤田征也がDFをうまく交わして左足で突き刺し先制しますが、これでノリノリで行けるかと思ったらそういうわけでもなく、むしろしおしおな感じ。逆にこの得点以降、取り返そうと躍起になる岡山にタジタジとなる展開が続き、見ているほうもヒヤヒヤ。失点こそ免れているものの、けっこう危ないシーンをギリギリで回避し続けるディフェンス陣。ある意味エクストリームとも呼べる状況です。もっとも、正しい意味でのエクストリームサッカーは国際試合での対中国(ry
まぁそれはともかく、仕切り直しの後半も似たような展開。選手交代に活路を見いだそうにも、なんだかんだいって疲れはあったのでしょう、目に見えて運動量が足りない札幌にとっては、大森健作さん風に言えば絶対に何かをやってやろうという表情で入ってきたのですが、いや実際何かは必ずしますよねという突っ込みはさておき、多少の選手交代など付け焼き刃程度にしかならず、流れを変えるにまでは至りません。前半だけで8本打っていたシュートも後半はわずかに1本だけ。それもおそらく後半始まって少し経ったあとの紀梨乃のヘディングシュートだと思いますんで、あとの時間はほぼ何もできなかったということでしょう。
ただ、今までであれば我慢しきれずに失点していたと思いますので、岡山の決定力不足に救われた面もあるものの、そこそこ我慢できるようになってきたのはいい傾向でしょう。つってももう残り10試合という段階で傾向も何もあったもんじゃない気もしますが。競馬に例えれば最後の3ハロンでトップタイム叩き出したけど掲示板に乗れませんでしたくらいの感じであり、少年ジャンプでいえば打ち切りが決まってから面白くなり出したくらいの感じであり、好きなマンガが打ち切りになったりすると悲しいものですよね。ただ、ほぼ1シーズンやってきてあまり変化が見られないというのもそれはそれで困ると思いますので、まぁ若いチームがそれなりに成長した証であると考えるべきでしょう。
というわけでパフォーマンスとしては決して良くはなかったものの、虎の子の1点を守りきった札幌が2試合連続の完封で勝利しました。どうでもいいですけど、自分にとって打ち切りが一番悲しかったのは「サバイビー」でした。マキバオーなんかと比べるとちょっと話が重すぎたのがウケなかったんでしょうかね。