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2009年10月16日

演出者

2009年Jリーグディビジョン2第41節
コンサドーレ札幌 2-0 湘南ベルマーレ
得点者:札幌/紀梨乃x2
     湘南/なし

 タイトルの花嫁シリーズはネタが尽きました。

 2連勝と波に乗る札幌は、今節はホームで現在3位の湘南ベルマーレとの対戦となります。昇格争いに食い込むためにはもう1試合も負けられない札幌ですが、第2クール後半あたりから調子を落としている湘南も負けられないのは一緒。一応前節までで勝点78の3位と昇格圏内につけてはいるものの、2位のベガルタ仙台との勝点差も、4位甲府との勝点差もわずかに2。勝てば2位に上がる可能性があると同時に、負ければ昇格圏外となる4位に後退してしまう可能性もあるという厳しい状況に置かれています。札幌は2試合連続完封と守備陣は好調ですが、アビスパ福岡、ファジアーノ岡山といずれも下位のチームが相手の試合でした。そんな昇格争いの渦中にある上位チームを相手にしたこの試合は試金石とも言えるでしょう。ちなみに自分は試金石よりも翠星石のほうが好きですが、猿岩石は特に好きというわけではありません。飛行石は持ってませんね。

 そんなわけでこの重要な試合ですが、シーズンも終盤もこの時期に万全の状態で湘南を迎え撃つというわけにはさすがに行かず、DF趙晟桓がかかとを痛めて欠場を余儀なくされ、膝を痛めているダニルソンはこの試合も欠場。骨であれば試合中にも自己修復が出来る能力を持っている彼ですが、さすがに膝の修復機能はなかったようです。湘南も湘南で攻撃の要であるアジエルが怪我で戦線離脱中。お互い中心的な助っ人を欠いた状態で臨んだこの試合は、それでも両チームの負けられない思いを象徴するように激しい主導権の奪い合いで始まりました。どちらかといえばホームの札幌がやや押し気味に試合を進め、10分過ぎにはコーナーキックからの西嶋がヘディングシュートを放つものの、湘南のゴール前に立ちはだかる守護神・野澤の好セーブにあい、なかなかチャンスを得点に結びつけることが出来ません。アジエルのいない湘南も負けじとカウンターから得たCKのこぼれ球を臼井がフリーでシュートを放つなど、お互いに攻守がめまぐるしく変わる展開の早いサッカーが繰り広げられます。まぁ展開が早いと言っても、連載16年目にしてようやくプロポーズした翌週にはもうヒロインが臨月になってたほど早くはないですが、それでも先制したのは札幌でした。前半28分、坂本から無理矢理ボールをふんだくった大伍が宮澤からのリターンパスに追いつきダイレクトで折り返したボールを、詰めていた小ヒロがニアで潰れた背後から紀梨乃がプッシュしゴール。是が非でも欲しかった先制点をゲットしました。
 早めに追いつきたい湘南ですが、やはりアジエルの不在は大きいのかなかなか有効な形を作れないまま前半も44分を経過。このまま札幌が1点をリードして前半は終わるだろうと誰もが思った矢先、意外なところからこの試合のキーマンが現れました。そう、この日の主審家本政明審判員です。右サイド臼井のクロスを競り合った吉弘が坂本を倒したプレイがPKとされました。1点をリードしたまま折り返すのと、アディショナルタイムに追いつかれて振り出しに戻るのとでは雲泥の差。これで試合の行方がわからなくなるなぁと思っていたわけですが、このPKをGK高原が見事にストップ。すごいぞ高原、ATフィールド小さいとか言ってごめん。

 というわけで気分良く折り返した後半も引き続き札幌がペースを握りますが、GK野澤の好セーブに阻まれ得点なりません。どうもこの野澤とはアルビレックス新潟時代からあまり相性が良くないような気がします。天敵、というほどではないですが、そうですね。天敵から1本線を抜いて大敵くらいの感じここ2試合連続完封しているとはいえ、順位表をざっくり上下に分けた上のほうのチームの中では最も多い50失点という決壊しやすさが自慢の堤防を持つ札幌にとっては、アジエルがいないとはいえリーグ2位タイの攻撃力を持っている湘南を相手に1点を守りきれるということは考えにくいですから、なるべく早めに追加点が欲しいところですが、負けている湘南が黙っているはずも当然なく、ゴール近くまでボールを運ばれることが多くなってきます。ところがどっこい、そんな場面でも意外なところからこの試合のキーマンが現れました。そう、あの人です。後半25分、ペナルティエリアの中で村松が紀梨乃を倒したプレイでPKを宣告。まぁ前半の吉弘がPK取られた時点でまた似たようなことはあるだろうとは思ってましたけどね。確かに村松は紀梨乃のユニフォームを引っ張ってるんですけど、それでPKならその前に笛を吹くはずですし、そのあとのプレイなら村松の足は紀梨乃よりボールに先に触れていましたから、あれでPKはないよなー。
 で、このPKを蹴るのは紀梨乃。福岡戦でのぶっぱずしが記憶に新しいですが、今回はキッチリゲットしてこの試合2点目を奪いました。ひとまず待望の追加点をゲットした札幌が、その後の湘南の攻撃を凌ぎきって3試合連続完封で3連勝を達成。昇格争いにわずかな望みを残す勝利をもぎ取ったわけですが、試合に関しては一連のPKでなんとなく興ざめな感じで、なんか「J2を面白くしてやろう」みたいな魂胆が見え見えで、なんつーか「ドラマを作りたがるレフェリーがいる」と言ったのは新潟時代の反町康治監督でしたが、まさにそんな感じ。まぁ、ソリさんがそのセリフを言った時のレフェリーも家本主審でしたっけ。

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