そーで賀正
メリー。
さて今年もやって参りましたお正月。もう過ぎてますけど。
人生において新しい年というのはひとつの区切りとしてちょうどよいので、「今年の抱負」などを掲げるのが新年恒例となっている方も多いことでしょう。まぁ数ヶ月も経てば何を抱負にしたことすら忘れているのが一般的なわけですが、プロサッカーチームにおける抱負は、それぞれのチームの立ち位置による違いはあるにせよ、たとえば「リーグ優勝」だったり「○位以上」、あるいは「J1残留」や「J1昇格」などの単純明快なものから、はたまた「逮捕者を出さないようにする」とか「できればロスタイムに失点しない」とか、「プリキュアの新シリーズのキャラデザってぶっちゃけありえなくないですか?」という細かいものまで様々ながら、どれも抱負がイコール目標となっているものが多いですから、「忘れる」ということはないと思います。「なかったことになる」ことはあっても。
そしてわれらがコンサドーレ札幌の抱負は、年明けに公式サイトに掲載された矢萩社長の挨拶からは「集客アップ」が最大の目標となるのでしょうか。もちろん昇格は目指していくことには変わりないと思いますが、親会社を持たない札幌の場合、チームの総予算に対してホームゲームのチケット収入が大きなウェイトを占めますから、予算上でのノルマが達成できなければ死活問題に直結しますし、逆に目標値を上回ればその分黒字額も増え、あんなことやこんなこともできるようになります。たとえば大物選手の獲得を目指して年末の有馬記念にぶっ込んで大損こいたり、それを取り戻そうとして東京大賞典でさらに傷口を広げ、年明けの金杯で泥沼にはまるなんてのも夢ではなくなるのです。
そんなわけで「とにかく赤字回避、そしてなるべく昇格争い」というのが抱負っぽい札幌の今季の陣容としては、年が明けてMFダニルソンの名古屋グランパスへの期限付き移籍と、同時にサンフレッチェ広島の元北朝鮮代表MF李漢宰の獲得が正式発表されました。このあたりは単純な穴埋めなのでしょうが、その一方で、昨季途中加入して3ゴールを挙げたMFハファエルが契約満了に伴い退団。紀梨乃と趙晟桓が契約更新となり助っ人総入れ替えの事態は免れましたし、新加入の漢宰もいい選手だとは思いますが、助っ人レベルで言えばクライトンのいた昨季よりはスケールダウンした感は否めません。漢宰は準外国籍枠、晟桓はアジア枠ですから、外国籍枠はあと2つ余っているので、理論上はシーズン途中で2人の外国籍選手の補強が可能となるわけですが、おそらく物理的にはハファエルを残すお金もなかったんでしょうから、その元手を稼ぐためにも、お客さんをいっぱい呼ばなければいけません。ゴン中山の加入で注目度自体は上がっていますから、それをどう生かしていくのかが鍵となるでしょう。
もっとも、今季からリーグの移籍金条項が撤廃されたこともあってか、例年以上に各チーム主力級の移動が多く、特にJ2で得点ランキング上位に名を連ねた選手は(チームごと昇格した選手も含め)多くの選手がJ1へ移籍していく中でも、5位(19ゴール)の紀梨乃の残留に成功し、8位(18ゴール)の内村の引っこ抜きに成功した札幌は、チーム強化費が昨年を大きく下回る中で最大限の補強はしたとは思いますが、昇格争いから早々に脱落する要因ともなった守備についてはメンバー的にはほぼ手つかずといった陣容で、どこまで昇格争いに食い込んでいくことができるか、といったところですかね。