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2010年4月 アーカイブ

2010年4月 5日

連勝したはいいけれど

2010年Jリーグディビジョン2第4節
コンサドーレ札幌 2-0 ファジアーノ岡山
得点者:札幌/こんどッチx2
     岡山/なし

 3節目にしてようやく初勝利を挙げた札幌は、今節は札幌ドームでホーム初勝利を狙います。相手はファジアーノ岡山。手塚聡監督のもと、地域リーグからわずか2年でJ2まで駆け上がってきた岡山ですが、2部とはいえプロリーグであるJ2の壁は厚く、昨季は18チーム中18位と最下位に終わり、手塚監督は退任。後任として影山雅永ヘッドコーチが監督として就任しました。
 この影山監督、経歴を見ると磐城高校から筑波大学を経てJSL時代の古河電工に加入とあります。磐城高校といえば県内トップの進学校なんだそうです。そうすると影山監督は一般入試で筑波大に進学したってことなんでしょうね。だとすると道内トップの進学校からやはり一般入試で筑波大学に進学し、プロサッカー選手になってやがてネ申となった選手をと同じパターンですね。ちなみに自分にとっては影山で神といえばヒロノブです。「夢光年」は名曲ですよね。
 で、その影山監督で筑波大学で同期だったのが現在コンサドーレ札幌に所属している中山雅史なんですが、Jリーグで抜群の知名度を誇るゴンを迎えてもこの日の札幌ドームの観客数は1万2千人弱と、0-3で惨敗したホーム開幕戦(21,071人)からほぼ1万人の減。ゴンがいようがカズがいようが澪がいようが、肝心の試合がしょぼければお客さんが来てくれるはずもなく、まったくもって困ったものです。ひとまずこの試合はキッチリ勝利を収めたいところ。

 そんなわけで試合については、前半36分に西嶋からのクロスを近藤が身体ごと押し込んで先制し、後半38分にもカウンターから近藤が1人でドリブルで持ち込んで追加点をゲット。守備陣も無失点でおさえて札幌が勝利しています。一応形の上ではキッチリ勝利という感じではあるものの、内容的にはスコアほど完勝ではなく、特に後半に入ってからは去年最下位の岡山に押し込まれる時間が続くなど、相手のシュートミスに助けられたという感は否めないのもまた事実。これで札幌が波に乗れるかといわれれば微妙といわざるを得ないですね。
 もっとも、単純な戦力面の話に絞れば、昨季6位に終わったチームから今季どれだけの上積みがあるかといわれれば、客観的に見て大して上積みはできていないのですよね。お金のない中で近藤と内村を獲得できたのは充分だとは思いますし、この試合でも彼ら2人は存在感を充分に見せてくれたわけですが、それでもクライトンやダニルソンが抜けた穴を埋められるかどうかというくらいだと思います。ダニルソンもクライトンも確かに2人とも扱いの難しい選手ではありましたが、それでも彼らの実力はJ2では図抜けていたのもまた事実なわけで、それを考えると少なくとも大幅なプラスにはなっていないというのが妥当なところかと思います。まぁクライトンは去年の途中からすでにいませんでしたけどね。
 もちろん既存選手の成長面はプラスされるでしょうが、他チームだって去年と同じままというわけではないですからね。そう考えるとまぁ、現実問題として「相手を圧倒して勝つ」というチームではないのでしょう。あとは戦い方の問題なんでしょうけどね。
 まぁそうはいっても1点目の形はよかったですから、ああいう形で点が取れるようにあとはもっとクロスの精度を高めていけば、もう少し安定した戦いができると思うんですけど、こればっかりはすぐにどうにかなるようなもんでもないと思いますんで、少しずつでも向上させていって欲しいと思います。といい続けてもう何年経ったかわかりませんけど。千里の道も一歩からとは言いますが、札幌の場合なぜだか三歩進んで二歩下がるのが好きなチームですので、千里の道のりは長いですね。

2010年4月13日

シュートは枠に

2010年Jリーグディビジョン2第5節
FC岐阜 3-0 コンサドーレ札幌
得点者:札幌/…
     岐阜/のりおx2、しんすけ

 最近忙しくて全然更新できてません。一応生きてます。おちこんだりもしたけど、私は元気です。いや別におちこんではいませんけど。

 2連勝でようやくエンジンがかかってきたように思われる札幌は、今節はFC岐阜とのアウェイ戦に臨みます。昨季の岐阜は18チーム中12位。2008年以降の参入組の中ではもっとも上の順位に食い込みましたが、札幌との直接の対戦成績は3試合で札幌の3勝、それも3-0、2-0、4-2といずれの試合においても札幌の完勝と言える結果になっており、札幌にしては珍しく相性のいい相手。
 昇格を目指す、というのが単なる夢物語でないとして、その実現のために開幕前にノブリンが言っていた「勝点75」を達成するには、36試合で得られる最大勝点は108ですから、落とせる勝点は33。単純計算では25勝11敗、だいたい5勝2敗ペースであれば目標値を達成することができます。しかし実際は引き分けもあるので「負けられる試合」はもっと減ります。スタートの「出オチ」状態で現在のところ2勝1敗1分と、まぁ今後次第では決して最悪というわけでもないですけど、この後に控えている柏レイソルをはじめとして難敵も多いですから、なるべく取りこぼしは避けたいですし、お得意様相手ならなおさら勝たなければいけない試合だったんですが、実際のところは3連勝で弾みをつけるどころか開幕5試合目にして早くも「くそゲー・オブ・ザ・イヤー」の有力候補にノミネートされそうな有様でした。

 前半からなんだかふわふわした感じで、「ふ・わ・ふ・ら」はうしろ指さされ組のファーストアルバムの名前であって、俺は断然岩井由紀子派なのであり、当然実家にはLPレコード(!)がまだあるわけであり、オレは岩井由紀子と誕生日が同じなわけであり、当然そんなことは試合とはまったく関係ないのですけど、何しろパスは繋がらない、セカンドボールが拾えないのナイナイシックスティーン。笑わせるぜ靴箱にラブレターなんて。守備も前線へくさびのパスを簡単に許して押し込まれる有様で、それでも隙を突いて相手のゴール前に迫るシーンもあるものの、シュートが全然枠に飛ばずに何となく風貌が池内に似ているGK野田恭平の守るゴールをこじ開けることはできず。前半は0-0で折り返したものの、高原のファインセーブがなければ失点していてもおかしくない内容。
 で、後半も何となくピリッとせず、7分にはせんでもいいファウルで与えたセットプレイから西川に頭で合わせられ先制点を献上。その後ようやくケツに火が付いた札幌が攻め込むシーンも多く見られますが、やっぱりシュートが枠に飛ばずに得点を決めることができず、しびれを切らしたノブリンが残り10分の段階で全交代枠を使い切り、さらに3バックにして打開を図りますが、うまくいかないときというのはとことんまでうまくいかないもので、逆に後半38分にはコーナーキックからの流れで嶋田にミドルシュートを決められ突き放されてしまいます。さらに悪いことに後半40分過ぎにはキャプテン直樹が負傷退場してしまい、10人での戦いを余儀なくされた札幌が2点のビハインドをひっくり返せるはずもなく、追いつくどころかロスタイムにカウンターから西川にダメ押しを食らって万事休す。岐阜に初黒星を喫すると同時に今季早くも2敗目となってしまいました。

 もっとも、前回も書いたとおりチームとしての力量はお世辞にもリーグ上位とは言えないわけで、あとは戦い方次第でどこまで行けるかというくらいなのですが、戦い方といっても現実問題として力の劣るチームが昇格争いに絡むためには、過去そうだったように「ひとまず専守防衛で得点に関しては変態ストライカーになんとかしてもらう」くらいしかないんですよね。ただ今の札幌がそういうサッカーからの脱却を目指している以上は今のやり方でやっていくしかないわけで、あとはプレイの精度を上げていかないといけないのですよね。ただミスするな、といわれてミスがなくなるような単純な話でもないですから、少しずつでも技術を上げていくしかないのでしょうね。時間はかかると思いますけど、とりあえずセットプレイの弱さとシュートがちっとも枠に飛ばないのは早急になんとかして欲しいものです。

 しかしそれ以上に残念なのは、前節岡山戦から紀梨乃の髪型が元に戻ってしまっていたこと。せっかくあそこまでのボリュームになったんですから、もっとすごいことになればセットプレイの時などで相手はマークしにくいでしょうし(主に視界的な意味で)、何もしないでもドリフのコントができる(主に爆発的な意味で)という意味では、もったいないですね。それに、頭部の保護という意味でも安心(主にクッション的な意味で)ですから、切らないほうがよかったんじゃないでしょうか。少佐だってヘルメットがなければ即死だったわけですし。とはいえ、アフロが過ぎると母ちゃんにこういうパーマは変だと言われてしまって死なないといけなくなりますから気をつけないといけませんね。

というわけでこの試合で岐阜に負けたことによって、札幌が虎視眈々と狙っているJリーグ史上初の「全Jリーグチームに負けたことがある」記録の達成にまた一歩近づいたわけですが、残るは栃木と岡山と北九州。覇権を争ってる横浜FCも確かまだ岡山と北九州には負けてないはずですから、負けられませんね!

2010年4月23日

ブレ上等

2010年Jリーグディビジョン2第6節
コンサドーレ札幌 1-1 柏レイソル
得点者:札幌/上里
     柏/ドミンゲス

 2週間近く遅れで生きるサイト・サッカー百鬼夜行です。こんにちは。

 チームにとっては最初の大きな山場となる首位・柏レイソルとの試合がやってきました。ここまで4勝1分無敗と前評判通りの強さを発揮している柏を札幌ドームに迎える札幌は、前節FC岐阜に完敗を喫し、現在のところ2勝2敗1分の7位といまいち勢いに乗れません。まぁ競馬新聞の馬柱に例えれば、記者予想で少なくとも◎か○ばかりが付くであろう柏に対して、札幌に付く印はせいぜい▲1つに△2つくらいがいいところであることを考えれば、現在の順位はある意味「前評判通りの実力を発揮している」と言えなくもないわけですけど、下位チームとの対戦が多かったことを考えるともう少し上の位置で柏とぶつかりたかったというのも本音。
 とはいえ、昇格候補筆頭の柏も状態が万全かといわれればそういうわけでもなく、大黒柱のフランサが右もも裏の肉離れで戦線離脱中。かつて札幌に所属していたことがないわけでもないアルセウもコンディションがいまいちなのか開幕戦に出場しただけで第2節ではベンチウォーマー、それ以降はベンチはおろか観客席ウォーマーとなり、当然今回の遠征にも帯同せずと、札幌においては「本当はアルセウなんて選手はいないのではないか?」という都市伝説っぷりに拍車をかける有様。J2に降格しても主力選手のキープには成功し、ここまで負けなしで来ているとはいえ、戦力的な面においては少なくとも昨年のセレッソなどよりは落ちますし、そのセレッソに去年最初に土をつけたのが札幌だけに、その再現に期待がかかります。
 さて札幌の停滞の要因は、5試合でわずか4得点ととにかく点が取れないこと。1試合平均して1点未満というのは、たとえ強固な守備陣を持っていたとしても安定して勝てる攻撃力ではないですし、実際のところ札幌の守備陣は強固どころか「屈強型」の本職センターバックが軒並み怪我で戦線離脱し、直樹や大ヒロ、藤山といった本来はセンターバックではないタイプの選手だけでやりくりしなければならない状態。事実セットプレイでも競り負けることの多いですから、今季になってGK高原の安定感が出てきたとはいえ、1点取るのがやっとという感じでは勝てるものも勝てません。せっかく近藤と内村という優れたストライカーとアタッカーを獲得したのに、これでは宝の持ち腐れというか拓郎の髪しぐれというか、まぁチャンスを迎えても狙ったように枠を外すのは何とかならないものかと思いますが、攻撃のチャンスはそう多くは訪れないことが予想されるこの試合、いかに少ないチャンスをモノにするかが重要になってきます。

 しかし試合が始まってみると、思った以上にチャンスも作れない状態。柏のネルシーニョ監督のサッカーはオーソドックスなブラジルタイプの4-4-2で戦術的にはそんなに目新しいものでもないのですが、基本的なところをキッチリとやってくる上に、ボールを動かすのが早いのでプレスのポイントを絞ることができず、札幌の選手は蜘蛛の子を散らすような大騒ぎ。スキがあるとすれば解説のノノも指摘していたとおりボックス型の中盤のサイドのスペースなんですが、逆にそこがサイドバックの小林祐三と橋本和の使うスペースになっており、押し込まれたままクリアするのが精一杯。何とかボールを奪って相手ゴール前までボールを運ぼうとしても、いつものようにパスミスや連携ミスでボールを失うか、もしくは柏の守備陣に阻まれる始末。それにしても真ん中に居座るパク・ドンヒョクと近藤直也はさすがにJ2では反則レベル。ここを破るのは至難の業といっていいほどで、5試合でわずか1点しか失っていないというのも納得の堅さです。ルカナンでも唱えないとなんとかなりそうにありません。それでも守備陣が身体を張り、また高原のファインセーブもあり水際で阻止して0-0のまま前半終了。

 後半開始、センターサークルやや敵陣よりで札幌がフリーキックを得ます。距離的にはゴールから約40メートルと直接狙うには遠い上に、人に合わせるボールも蹴りにくいゴール真正面の位置。通常ならチャンスとはなり得ないシーンでした。ところが、逆にそれが相手の油断を誘ったということもあるのかもしれません。この日久しぶりにスタメン復帰を果たした上里がこのボールに迷わず左足を振り抜くと、弾道の急激にブレたシュートはGKをあざ笑うかのように変化し、名手菅野もキャッチし損ねてゴールイン。北海道が輩出した偉大なるくるくるパー総理(※生まれは東京)の発言がブレるのは困りますが、こういうブレならいくらでも大歓迎。宮古島が輩出した偉大なるJリーガーのすごいフリーキックで何と札幌が先制します。
 このまま逃げ切ることができれば昨年に引き続き「余計なところで余計な力を発揮するチーム」として一定の評価を得ることができていたと思うのですが、まぁ世の中そんなに甘い話が多くあるはずもなく、実際は後半終了間際の41分にレアンドロ・ドミンゲスのミドルシュートが突き刺さり同点にされ、1-1で試合は終了しました。
 あと数分守り切れてさえいれば金星となっただけにもったいないという気もしますし、札幌の貧弱な守備力を考えればさらに追加点を取っておくべき展開だったとは思いますが、そうはいってもチャンスらしいチャンスといえば結局この上里のフリーキックのみ、というよりかはこのフリーキックも前述の通り普通ならチャンスとは言えなかったようなものを強引に得点にまで持っていったようなものなので、実質的には札幌にチャンスはほとんどなかったわけです。加えて前半から走らされてきた札幌のHPが目に見えて少なくなってきたことを考えれば、まぁ引き分けに持ち込んだのは力関係からすれば上出来だったと言えますし、「多くのチャンスを作りながら決められない」という格下に負けるときのパターンに陥りかけながらも、何とか引き分けにまで持ち込んだ柏の底力を褒めるべきなのかもしれません。いずれにしても現時点での実力差は、聖闘士でいえば琴座のオルフェと海ヘビ座の市くらいはありそうな感じです。
 そんなわけで6節が終わって2勝2敗2分という成績となった札幌、もう少しいろいろな面で奮起しないとこの先も似たような感じでいってしまいそうな感じですので、今一度褌を締め直してこう、ぎゅっとしてもらいたいものですよね。どの辺をぎゅっとするのかはお任せします。

2010年4月29日

(´;ω;`)ウッ…

2010年Jリーグディビジョン2第8節
コンサドーレ札幌 1-2 水戸ホーリーホック
得点者:札幌/上里
     水戸/作田作田

2010年Jリーグディビジョン2第9節
ヴァンフォーレ甲府 4-1 コンサドーレ札幌
得点者:札幌/上里
     甲府/マラニョンマラニョンマラニョン、秋本(notこまち)

 都合により2試合まとめてお伝えいたします。

 前節試合のなかった札幌は、第8節はホームゲームで水戸ホーリーホックと対戦。同じ茨城県内にホームを構えるJリーグ最強の鹿島アントラーズに比べ、J2の中でも予算規模は下から数えたほうが早いと言われる水戸。毎年他のチームからカモにされ続けてきましたが、昨季はシーズン半ば過ぎまで昇格争いに絡むほどの躍進を見せました。さすがに終盤は息切れしてしまったものの、それでも18チーム中8位とJリーグ参入後初めて順位表の半分から上の順位に食い込んでいます。しかも、チーム史上初めて勝利数が敗戦数を上回り(21勝20敗10分)、7位の東京ヴェルディとの勝点差もわずか1ですから立派なもの。
 しかしながら貧乏チームの宿命か、その躍進の原動力となった高崎寛之と荒田智之の2トップが揃ってJ1に移籍(浦和からの期限付き移籍だった高崎は復帰)。開幕戦こそライバル(ケンミンショー的に)栃木SCに競り勝ったものの、その後は前節福岡に1-0で勝利するまで勝ち星がなく、やはり昨季ほどの勢いはないようです。とはいえ、勝てていないと言っても第2節から第6節までの5試合の失点数はわずか3。今季通算でも4失点しかしておらず、これはリーグで3番目、7試合消化のチームの中では首位柏レイソルの2失点に次いで2番目の少なさです。要するに勝てていないのは7試合で4得点と単純に点が取れていないからであり、やはりJ2屈指の2トップが丸ごと抜けてしまった穴は大きいようです。

 これまでの経緯から言えば、相手が水戸だと勝って当然とまでは言いませんけど、「何となく勝てるだろう」みたいなイメージをどうしても持ってしまいがちなんで、「水戸に負けた」というのはけっこうダメージが多そうな気がしますけど、実際のところ今季の水戸ホーリーホックというチームは簡単にいってしまえば「点は取られないけど点が取れない」チームなのです。
 そして札幌は札幌でそんな水戸より1試合少ない6試合で、得点は1点多いだけの5得点、そして失点は水戸の倍の8失点と、「点は取れないけど点を取られる」というチーム。そんな両チームがぶつかり合って得られた結果はまさにその通りというか、1試合に1点取るのがやっとという水戸に2得点を許すことができるチームも今のところ札幌くらい。そう考えれば極めて順当な結果だったということなんでしょうね。いつまでも弱い水戸じゃないぞ、と。水戸を含めたJ2全体のレベルが上がってるのか、それとも札幌がそのくらいのところまで舞い降りていったのか、その辺はわかりませんけど、いずれにしてもこの試合で浮上のきっかけを掴みたかったのに、逆にみっとみとにされちゃったわけです。
 まぁもともと水戸とはそれほど相性がいいというわけではないんですけど、やっぱりホームゲームでこういう試合はやっちゃいけないですよね。単に「ホームで負けた」ということもそうですけど、とりわけ札幌の数多い弱点のうち最大のセキュリティーホールとも言えるセットプレイの弱さを如実に露呈してしまっては、失う勝点はこの試合での3だけじゃなくなる可能性もあります。この先当たる相手にしても、格上のチームはともかくとしても下位チームだって「ひとまず守ってセットプレイ取ればいける」という戦略を取ってくることが充分に予想されますからね。まぁ下位チームっつっても現状では札幌より下位のチームを探すほうが難しかったりするんですが。

 で、そんな懸念が次のアウェイ・ヴァンフォーレ甲府戦でも現実のものとなってしまいました。Jリーグでも移籍金制度が撤廃されたためか、「J2で活躍して個人的にJ1昇格」というパターンがずいぶん多かった今季ですが、そんな中でもJ1復帰を目指す甲府はマラニョンやダニエル、金信永といったJ1でも充分やれそうな主力選手たちを残すことに成功したばかりか、元J2得点王パウリーニョや、昨季サガン鳥栖に途中加入し15得点を挙げたさまよえるインド人ハーフナー・マイクを獲得するなど派手な補強を敢行。開幕から5節まで1試合休みを挟んで4試合で1勝2敗1分と出だしこそつまずいたものの、第6節以降は3連勝、6位にまで順位を上げています。札幌との勝点差は5。勝ったところで逆転できるわけではありませんが、昇格争いのライバル…などと言うのも既に薄ら寒い状況ではありますけど、昇格候補の勝点は削れるときに削っておくべき。だったんですけど。
 結果は削るどころか大量4失点で削られまくってさようならというレベルの大惨敗。中盤の不用意なプレイからカウンターで失った1点目は仕方がないにしても、またしてもセットプレイで追加点を許し、さらに上里が強烈なミドルシュートを突き刺し、3試合連続となるゴールを挙げて1点を返してからの追い上げムードの中で再びセットプレイであっさりと突き放されてしまう有様。その後も天敵ダニエルの壁を破ることができないまま逆にアディショナルタイムにマラニョンにハットトリックを許しておしまい。戦力自体に確かに差はありますし、苦手の小瀬ということもあって勝つのは難しいかもという覚悟はしてましたけど、それでも1-2くらいが順当かと思ってたんで、正直ここまでひどいゲームになるとは思いませんでした。心情的な部分とは別の冷静な部分では、今年の昇格はひとまずあり得ないと確信するに充分な試合だったと思います。

 関係ないですけど、このマラニョンという名前も本名ではなく、出身地のマラニョン州から取った登録名らしいですね。「カリオカ」や「パウリスタ」など、ブラジル人には出身地がニックネームとなって、それがそのまま登録名になる選手も少なくありませんが、日本では出身地がニックネームになることってほとんどないですよね。「大阪」くらいでしょうか。ええ、それが言いたかっただけなんですけどね。

 まぁよかった探しをするとなれば、そんな状態で3試合連続で無理矢理ゴールをねじ込んだ上里一将の変態シュートは大したもんですね。確かにどんな屈強なセンターバックがいようとも、そのプレイの及ばないところからシュートを放てばよいわけですからね。札幌にとって大きな武器であることは間違いありません。
 とはいえあんなシュート、麻雀で言えば嶺上開花ですからね。いくら上里でも1試合に何本もあんなシュート決められるわけはありません。翻数でいえばタンヤオも平和も嶺上開花も同じ一翻なのと同じように、すんごいシュートもこぼれ球プッシュも1点は同じ。滅多に来ない嶺上開花より平和3回上がったほうが断然いいに決まってます。何度も嶺上開花できれば別ですけど、そんなことできるの咲くらいですからね。俺だって嶺上開花なんて今まで1回くらいしか上がったことありませんよ。まぁ弱いんですけど。

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