« シュートは枠に | メイン | (´;ω;`)ウッ… »

2010年4月23日

ブレ上等

2010年Jリーグディビジョン2第6節
コンサドーレ札幌 1-1 柏レイソル
得点者:札幌/上里
     柏/ドミンゲス

 2週間近く遅れで生きるサイト・サッカー百鬼夜行です。こんにちは。

 チームにとっては最初の大きな山場となる首位・柏レイソルとの試合がやってきました。ここまで4勝1分無敗と前評判通りの強さを発揮している柏を札幌ドームに迎える札幌は、前節FC岐阜に完敗を喫し、現在のところ2勝2敗1分の7位といまいち勢いに乗れません。まぁ競馬新聞の馬柱に例えれば、記者予想で少なくとも◎か○ばかりが付くであろう柏に対して、札幌に付く印はせいぜい▲1つに△2つくらいがいいところであることを考えれば、現在の順位はある意味「前評判通りの実力を発揮している」と言えなくもないわけですけど、下位チームとの対戦が多かったことを考えるともう少し上の位置で柏とぶつかりたかったというのも本音。
 とはいえ、昇格候補筆頭の柏も状態が万全かといわれればそういうわけでもなく、大黒柱のフランサが右もも裏の肉離れで戦線離脱中。かつて札幌に所属していたことがないわけでもないアルセウもコンディションがいまいちなのか開幕戦に出場しただけで第2節ではベンチウォーマー、それ以降はベンチはおろか観客席ウォーマーとなり、当然今回の遠征にも帯同せずと、札幌においては「本当はアルセウなんて選手はいないのではないか?」という都市伝説っぷりに拍車をかける有様。J2に降格しても主力選手のキープには成功し、ここまで負けなしで来ているとはいえ、戦力的な面においては少なくとも昨年のセレッソなどよりは落ちますし、そのセレッソに去年最初に土をつけたのが札幌だけに、その再現に期待がかかります。
 さて札幌の停滞の要因は、5試合でわずか4得点ととにかく点が取れないこと。1試合平均して1点未満というのは、たとえ強固な守備陣を持っていたとしても安定して勝てる攻撃力ではないですし、実際のところ札幌の守備陣は強固どころか「屈強型」の本職センターバックが軒並み怪我で戦線離脱し、直樹や大ヒロ、藤山といった本来はセンターバックではないタイプの選手だけでやりくりしなければならない状態。事実セットプレイでも競り負けることの多いですから、今季になってGK高原の安定感が出てきたとはいえ、1点取るのがやっとという感じでは勝てるものも勝てません。せっかく近藤と内村という優れたストライカーとアタッカーを獲得したのに、これでは宝の持ち腐れというか拓郎の髪しぐれというか、まぁチャンスを迎えても狙ったように枠を外すのは何とかならないものかと思いますが、攻撃のチャンスはそう多くは訪れないことが予想されるこの試合、いかに少ないチャンスをモノにするかが重要になってきます。

 しかし試合が始まってみると、思った以上にチャンスも作れない状態。柏のネルシーニョ監督のサッカーはオーソドックスなブラジルタイプの4-4-2で戦術的にはそんなに目新しいものでもないのですが、基本的なところをキッチリとやってくる上に、ボールを動かすのが早いのでプレスのポイントを絞ることができず、札幌の選手は蜘蛛の子を散らすような大騒ぎ。スキがあるとすれば解説のノノも指摘していたとおりボックス型の中盤のサイドのスペースなんですが、逆にそこがサイドバックの小林祐三と橋本和の使うスペースになっており、押し込まれたままクリアするのが精一杯。何とかボールを奪って相手ゴール前までボールを運ぼうとしても、いつものようにパスミスや連携ミスでボールを失うか、もしくは柏の守備陣に阻まれる始末。それにしても真ん中に居座るパク・ドンヒョクと近藤直也はさすがにJ2では反則レベル。ここを破るのは至難の業といっていいほどで、5試合でわずか1点しか失っていないというのも納得の堅さです。ルカナンでも唱えないとなんとかなりそうにありません。それでも守備陣が身体を張り、また高原のファインセーブもあり水際で阻止して0-0のまま前半終了。

 後半開始、センターサークルやや敵陣よりで札幌がフリーキックを得ます。距離的にはゴールから約40メートルと直接狙うには遠い上に、人に合わせるボールも蹴りにくいゴール真正面の位置。通常ならチャンスとはなり得ないシーンでした。ところが、逆にそれが相手の油断を誘ったということもあるのかもしれません。この日久しぶりにスタメン復帰を果たした上里がこのボールに迷わず左足を振り抜くと、弾道の急激にブレたシュートはGKをあざ笑うかのように変化し、名手菅野もキャッチし損ねてゴールイン。北海道が輩出した偉大なるくるくるパー総理(※生まれは東京)の発言がブレるのは困りますが、こういうブレならいくらでも大歓迎。宮古島が輩出した偉大なるJリーガーのすごいフリーキックで何と札幌が先制します。
 このまま逃げ切ることができれば昨年に引き続き「余計なところで余計な力を発揮するチーム」として一定の評価を得ることができていたと思うのですが、まぁ世の中そんなに甘い話が多くあるはずもなく、実際は後半終了間際の41分にレアンドロ・ドミンゲスのミドルシュートが突き刺さり同点にされ、1-1で試合は終了しました。
 あと数分守り切れてさえいれば金星となっただけにもったいないという気もしますし、札幌の貧弱な守備力を考えればさらに追加点を取っておくべき展開だったとは思いますが、そうはいってもチャンスらしいチャンスといえば結局この上里のフリーキックのみ、というよりかはこのフリーキックも前述の通り普通ならチャンスとは言えなかったようなものを強引に得点にまで持っていったようなものなので、実質的には札幌にチャンスはほとんどなかったわけです。加えて前半から走らされてきた札幌のHPが目に見えて少なくなってきたことを考えれば、まぁ引き分けに持ち込んだのは力関係からすれば上出来だったと言えますし、「多くのチャンスを作りながら決められない」という格下に負けるときのパターンに陥りかけながらも、何とか引き分けにまで持ち込んだ柏の底力を褒めるべきなのかもしれません。いずれにしても現時点での実力差は、聖闘士でいえば琴座のオルフェと海ヘビ座の市くらいはありそうな感じです。
 そんなわけで6節が終わって2勝2敗2分という成績となった札幌、もう少しいろいろな面で奮起しないとこの先も似たような感じでいってしまいそうな感じですので、今一度褌を締め直してこう、ぎゅっとしてもらいたいものですよね。どの辺をぎゅっとするのかはお任せします。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
https://www.kingofsapporo.com/old/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/760

2016年2月

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29          

アーカイブ