2010年Jリーグディビジョン2第15節
コンサドーレ札幌 3-1 カターレ富山
得点者:札幌/大ヒロ、ミヤヒロ、小ヒロ
富山/苔ロ
既に毎年の定例句となっていますが、札幌に遅い春を告げる厚別開幕戦がやって参りました。北の大地を長い間閉ざしていた有希…じゃなくて雪もすっかり融け、だいぶ温かくなってきた今日この頃、とはいえ成績のほうはと言えばあまり温かくはなく、現在19チーム中15位というコンサドーレ札幌。確かに昇格を狙うにしてはちょっと物足りないものの、かといってここまでしょぼい順位に甘んじるほどの戦力ではないはずなんですが、怪我人が多いことも相まってこんな成績。ここのところ藤山と直樹のセンターバックも仲良くなってきたようで、だいぶ安定してきてはいるんですけど、ようやくという感も否めません。やっぱ開幕前のテストマッチ、足りなかったんじゃないでしょうかね。まぁそんなことを今更いっても仕方がないので、とにかく今は一つでも上の順位へ行かなければいけません。厚別開幕というイベントは気分を一新するにはいい頃合いかもしれません。
そんなわけで厚別での開幕戦の相手はカターレ富山。J2参入初年度の昨季は15勝20敗16分、勝点61の13位と、昨季の新規参入組3チームの中ではもっとも上の成績を上げていたのですが、今季はあまり積極的な補強を行わなかったためか昨季ほどの勢いに欠け、前節の段階で3勝9敗1分の17位と低迷。特に失点数は26とリーグワーストで、勝点を伸ばせない要因となっています。とはいえ得点数こそ札幌よりも多い14得点と元日本代表黒部光昭や元U-22代表苔口卓也らを補強した効果が出ており、この試合では黒部は欠場ですが、その名前にそぐわずポジションは右寄りというMF朝日大輔を中心に、スピード豊かな苔口と石田の2トップは厄介な存在です。
そして相変わらず怪我人が多くメンバーのやりくりにも苦労している札幌は、ユース所属のMF三上陽輔をスタメンに大抜擢。彼については今季の熊本キャンプに帯同していますからノブリンもどんな選手かは知っているでしょうが、今トップで活躍している征也や古田らの同時期と比べれば、さほど注目されていた存在というわけでもなかったですし、キャンプで見たときも確かに光るものはありましたがそこまでの存在感があったわけでもなく(ゴンにFWとしての心得を自分から仰ぎに行ってたそうですが)、GK松原修平くん、MF菅原康介くんらとともに3月19日付で二種登録された時も、そうでなくても人数の足りないトップチームの保険的な意味合いのほうが強いのだろうと思ってましたからね。ベンチ入りを飛び越してまさかスタメンで出してくるとは思いませんでした。
若いチームだけに戦い振りの不安定さが指摘されている札幌ですが、かといってベテランの砂川を入れてもあまり変わらなかったことで、ノブリンはだったらもっと若くしてやろうと思ったのかもしれません。
まぁいずれにしても高校生にすら頼らなければいけないこの状況で、周囲のプロ選手たちの奮起に期待したいところですが、やはりというか何というか試合は富山ペースで進みます。富山の動きだしがいいのでプレスが後手後手に回り、ディフェンスラインが下がってしまい、ラインが間延びしてさらに中盤の主導権を握られる悪循環。何とか最後のところではじき返すもののセカンドボールはほとんど拾われる始末で、前半13分には右サイドの角度のないところから苔口にシュートを叩き込まれて先制を許してしまいます。確かに見事なシュートではありましたけど、守備の人数は揃ってたのに付ききれていなかったのは困ったもの。今週アントニオ猪木が来道してノブリンと対談していましたけど、ついでに選手に片っ端からビンタを入れてもらうべきだったかもしれません。
追いつきたい札幌ですがやはり攻撃はちぐはぐで、ボールを持っても相手の密集地帯で強引にパスで崩そうとしたりドリブルで行こうとして潰されるか、とりあえずロングボールを蹴って紀梨乃を走らせて何とかしてもらおうという攻撃ばかり。何とかしようと気ばっかりせいている感じ。流れが悪いときは割り切って引いてしまって、相手のラインを引き込んで紀梨乃の走るスペースを作るってのも手だと思うんですけどね。それでも三上が左右に開いてボールを引き出そうとした近藤や紀梨乃に目もくれず迷わずシュートを打ったり、紀梨乃の突破から古田がシュートを打ったり(シュートは行方不明になりましたが)とそれなりにチャンスは作っていたのですが、それがやっと実を結んだのが前半42分。左サイドでボールを受けた西嶋が中に切れ込んでペナルティエリアの外から思い切り右足を振り抜くと、これがゴール右隅に決まり同点に追いつきます。とりあえず23日に長女が生まれたばかりの近藤のためにチームみんなでゆりかごダンス。
試合を振り出しに戻した札幌は、後半風下に立ちながらもペースを取り戻します。そして後半5分、コーナーキックからのクリアボールを三上がヘディングで競り勝ち、ゴール前に戻したボールを宮澤がうまくトラップして反転しつつシュート、これが決まって逆転に成功します。そして本日2回目のゆりかごダンス。
こうなると気分的にずいぶん楽になった札幌は遅まきながらホームらしいところを見せるようになります。25分には奮闘する後輩に先輩らしいところを見せたい古田がペナルティエリアやや手前で相手を交わし、フリーになったところですかさず左足を振り抜くと、シュートは一直線にゴール右隅に突き刺さり3点目。高校生Jリーガーとして期待されながらゴールには恵まれなかった古田がようやく挙げたプロ初ゴール。本日3回目のゆりかごダンスかと思いきや、チームメイトみんなによる「芳賀ラッシュ」で停滞祝福を受けていました。ちなみにどさくさ紛れに三上君もラッシュしてたかどうかは確認できませんでしたがどうだったんでしょうか。
そんなわけでヒロのヒロによるヒロってちょうだい今日もまた、という感じのヒロ3連発で厚別開幕を飾りました。あと岳也の解説っぷりは声の感じもしゃべり方も内容もノノっぽくて良かったです。