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2010年9月 アーカイブ

2010年9月 3日

そろそろいつもの年の流れ

2010年Jリーグディビジョン2第24節
愛媛FC 2-1 コンサドーレ札幌
得点者:札幌/古田(札幌ユース)
     愛媛/石井(札幌ユース)、内田(広島ユース)

 とりとめのない会話というのはいつの間にやら脱線に脱線を重ねているもので、飲み会なんかでも散々盛り上がった後に「そういえば最初何の話してたっけ?」と振り返ったら、今話してる話題とは全然何の繋がりもない話だったってことはよくあります。でも、どういう会話の流れでそうなったかというのを思い返してみたりすると、ここでああなってこうなってそうなった、ってのが納得できたりするんですが、話してる本人たちは繋がっていても、端から聞いてると全然繋がっていなかったりするんでしょうね。まぁ会社の会議なんかと違って他愛のない会話ってのは別に何らかの結論を出す必要もないわけですし、たいていその場のノリで会話してたりしますから、そんなもんなんでしょうね。
 厳しい残暑が続く8月最後の日曜日に行われた愛媛FCとの第24節。見事に逆転負けを喫したコンサドーレが繰り広げた流れも繋がりも統率もあったもんじゃないサッカーを、「雑談サッカー」と呼ぼうと思います。来週には忘れてると思いますけど。

 対戦時点で6勝7敗9分勝点27で12位、ここ5試合で1勝しかしていない札幌と、5勝9敗8分勝点23で14位、ここ9試合勝ち星のない愛媛。お互い同じような成績で同じような状況にあって、サッカーとしてはいまいちパッとしない内容でしたけど、それでもどっちがより強く勝とうとしていたか、どっちがサッカーをやろうとしていたかは一目瞭然でしたね。札幌にとってはあまり相性の良くないニンジニアスタジアムでのアウェイ戦、キックオフ時点で気温29.5度・湿度63%と厳しいコンディションだったこと、そしてひいきチームはそのぶんだけ厳しい目線で見てしまうことを差し引いたとしても、ひどいとしか言えない試合でした。古田のゴールで先制したとはいえ、あれも相手DFのミスからボールをかっさらってのもので、まぁ相手のミスを見逃さずにものにすることは大事ですけど、それ以外にチャンスらしいチャンスもほとんどなかったですし。藤山の退場についてはちょっと厳しすぎるような気もしましたが、90分を11人で戦えたとしても点を取ることは難しかったと思います。負けるべくして負けたと言えるでしょう。忙しくてあまり文章を書く時間を取れないってのは単なる自分の都合ですが、後半戦6試合で既に4敗目、しかも内容もおしなべてしょぼい試合が続いているとなると、さらに書く気も失せてなんだか本当にショボーンな感じです。
 ホントになんなんでしょうね。確かに選手層としてはリーグトップクラスなんて言えるわけではないですけど、それでも上位3チームあたりはともかく、ロアッソ熊本やアビスパ福岡あたりと比べて明白に劣っているわけでもないですし、やってるサッカーも(少なくとも方向性としては)間違っているわけでもない、以前も書きましたがさすがに昇格争いをバリバリできるほどじゃなくても、5~6位くらいにはいてもおかしくないくらいの力は持ってると思うんですよね。少なくとも中位以下をちょろちょろしてるようなチームではないはずなのに、後半戦に入って成績は上がるどころかむしろ下がる一方。やっぱりメンタルの問題なんでしょうかね。やる気がないとか勝とうとしてないというわけじゃなく、やっぱ全体的におとなしいですよね。そのあたりは選手が替わって監督が替わっても全然変わらないのはなぜなんでしょうねぇ。若い選手が中心のチームなのだから、もっとこう中学生男子のような、些細なこともすぐにエロい方向に結びつけてしまう妄想力のような、あるいは辞典で一生懸命エッチな単語を探す本能に嘘をつかない情熱のような、みなぎるエネルギーみたいなのがあってもいいと思うんですけど。

 どっかの総理や財務相みたいに悪くなっていく様を注意深く見守っていくだけってのは困るので、なんとかして欲しいものです。どうにかなるかはわかりませんけど。

2010年9月 7日

ひとまず勝利

第90回天皇杯全日本サッカー選手権大会2回戦
コンサドーレ札幌 4-1 グルージャ盛岡
得点者:札幌/岡本 x 2、砂川、近藤
     盛岡/市村

 今年も日本3大タイトルのひとつである天皇杯全日本サッカー選手権大会の時期がやってきました。今年で第90回となるこの大会、1921年に行われた第1回(当時の名称は「ア式蹴球全国優勝競技会」)から全ての大会を見てきた、なんて人はたぶん戸籍上にもいないんじゃないかと思いますが、9月5日はその天皇杯の2回戦が行われ、ここからシードのチームが登場、コンサドーレ札幌は札幌厚別公園競技場で岩手県盛岡市に本拠地を置くグルージャ盛岡(東北1部リーグ)と対戦、岡本の2ゴールと砂川、近藤のゴールで4-1の勝利を収めました。

 日本サッカー界がまだアマチュアメインだったころは年度最大の大会だった天皇杯も、Jリーグが誕生しカレンダーがJ中心になってからは、そのリーグ戦との兼ね合いで生じてきた問題の解決やチーム増加、日程などへの対応のため、現在でも開催要項や日程面でさまざまなレギュレーションの変更が行われています。前回大会でシードチームはカテゴリに関係なく2回戦からの登場となりましたが、今大会では2回戦の日程が10月から9月に変更となっています。
 前日にキリンチャレンジカップが行われたため代表選手こそいないものの、まだリーグ戦が佳境に入っておらず、ナビスコカップ勝ち残り組以外のJチームにはそれなりに余裕のある状況に加え、第1回戦が行われた9月3日からわずか中1日での2回戦開催。プロアマ混在の天皇杯の醍醐味と言えばジャイアントキリング、NHKゴリ押しのアニメのタイトルではなく本来の意味での「強豪打破」で、下位カテゴリのチームが上位カテゴリのチームを食ってしまうことですが、そうでなくても格下の1回戦突破チームにとっては厳しい条件が重なったためか、苦戦したJチームもあったものの下位カテゴリとの対戦となったのは27試合ありましたが、そのほとんどが順当な結果に終わり、番狂わせと呼べる結果を挙げたのはソニー仙台(ベガルタ仙台に1-0)、町田ゼルビア(東京ヴェルディに1-0)、そしてコンサドーレ札幌の3チームでした。

 すみません言い過ぎました。

 さて、試合内容については近藤のゴールと失点シーンが隠蔽されたNHKの天皇杯ダイジェストくらいしか見ていなかったので何とも言えませんが、試合の報道やノブリンのコメントなんかを見る限り、相手の時間を作られてしまうなどあまり手放しでは喜べない結果だった模様。トーナメントでは内容よりも結果が全てとはいえ、中1日の地域リーグチームを相手に後半アディショナルタイムで失点と、ある意味「どこが相手でも自分たちのサッカーを貫いた」と言えなくもないですね。なんだかなぁ。

 ところでこの試合の相手となったグルージャ盛岡は第1回戦で、北海道代表の札幌大学と対戦して3-2で勝利し2回戦に駒を進めてきたのですが、優勝チームが天皇杯の地域代表となる知事杯全道サッカー選手権大会決勝において、その札幌大学と争ったのがコンサドーレ札幌ユースU-18でした。札幌ユースを2-0で破った札大も盛岡とはだいぶ力の差はあったみたいですから、もしユースが出場していても1回戦の壁は突破できなかったと思いますが、公式戦での「兄弟対決」はちょっと見てみたかった気がしますね。もちろん、いくらトップが不甲斐ないとはいえ、ガチンコ勝負でやってプロが高校生に負けるはずもないのですけど、もし実現していたら厚別のアウェイ側スタンドを埋めるコンサドーレサポーターが見られたんじゃないかと思うとちょっと残念だったりしますね。

 というわけでとにかく3回戦に駒を進めた札幌ですが、その次の相手は中京大に3-0で快勝した名古屋グランパスです。昇格への望みが限りなく薄くなった今、せめて天皇杯には希望を持ちたいところなのですが、J1首位が相手ってのはちょっと厳しそうですね。ピクシーがリーグ戦に全力投球するために天皇杯に手を抜くようなことをしてくるとも思えませんし。期限付き移籍中のダニルソンとの対決にもなりますが、どうあれ札幌は全力でぶつかって欲しいですね。それで勝てれば大きな自信になると思います。2007年の昇格だって、その前年の天皇杯ベスト4進出と無関係ではないと思いますから。

2010年9月16日

さつまの竪琴

2010年Jリーグディビジョン2第25節
大分トリニータ 1-2 コンサドーレ札幌
得点者:札幌/藤田、内村
     大分/東

 土曜日に試合をやっても日曜日に試合をやっても木曜日過ぎないと更新しないサッカー百鬼夜行です。もうすぐ10周年です。

 間に天皇杯を挟んでのJ2第25節は、大分トリニータとのアウェイ戦。といっても大分ではなく鹿児島県にある鴨池陸上競技場での試合。札幌としては2008年9月23日、J1(!)第26節大分戦以来の鴨池です。常に先手を取られる苦しい展開の中、アディショナルタイムに大伍のゴールで追いついたと思ったら直後に決勝ゴールを許して2-3で負けちゃった試合です。得点者の中に並ぶウェズレイだのアンデルソンだのエジミウソンといった助っ人選手の名前が、わずか2年前のことなのに既に懐かしく感じられる今日この頃。札幌は天皇杯ではグルージャ盛岡にキッチリ勝利を収めましたが、リーグ戦では後半戦まだわずか1勝だけ。今更「ここから奇跡の昇格だ!」なんて、いい加減使い古されたセリフですが「奇跡は起こらないから奇跡って言うんですよ」といった感じなので、「せめて一桁の順位でシーズンを終えたい」という、競馬で言えばメインレースですってんてんになった日の最終レースの心境、つまりせめて交通費くらいは稼いで帰りたいといった感じ。たいていの場合、負けますけどね。

 そして対する大分も状況的には似たようなもんで、前節までの成績は7勝10敗5分、勝点26の14位。6勝8敗9分で勝点27で12位の札幌よりも下にいちゃってます。経営問題を抱える大分はJリーグからの借金返済と債務超過が解消するまでどんなに好成績を挙げても昇格できないとはいえ、現役韓国代表キムボギョンや現在8ゴールで得点ランキング6位につけるチェジョンハンらは力のある助っ人選手ですし、日本人選手のレベルも決して低いわけではないし、自分が見てきた範囲では皇甫官監督も特に悪いサッカーをやっているわけでもない。もちろんサッカーの試合において、選手の力量の差が戦力の決定的な差ではないことは、少佐に教えてもらわずとも我々は十分知っているわけですけど、一発勝負のトーナメントならまだしも長いリーグ戦の場合は、あまりそのあたりの紛れは起こりにくいもの。今の札幌も同じですが、少なくともこの順位にいるようなチームではないはず。逆に言えば経営問題の余波はかくも大きいものなのか、ということなんでしょうかね。まぁだったら今すぐお家取りつぶしになるようなほど深刻な事態でもないのにいっこうに勝てない札幌は何なんだって気もしますけど。

 そんな両チームの試合だったわけですが、試合を観てるとその原因がどこにあるにせよ、お互い「成績が上がらない理由」はよくわかる試合でしたね。結果だけを見れば札幌が前半に先制されながらも後半逆転し2-1で勝利という試合でしたけど、内容に目を向ければ札幌が勝てたのが不思議なくらいの一方的な内容。札幌側の視点に立てば「札幌が大分の猛攻に晒されながらも、1失点に抑えてて数少ないチャンスをモノにして見事に逆転」とも言えるわけですけど、逆に大分にしてみれば「前半だけで10本、トータルで18本ものシュートを放ち、決定的なシーンも多かったにもかかわらず1点しか取れなかった」ということになります。札幌もイケイケの時間に点が取れずに、終盤に追いつかれて勝てるはずの試合に引き分けたり、追いつけずに負けたりして取れたはずの勝点を失うことも多く、もっとも今ではその段階も優に超えてイケイケの時間すら作れない試合も多いですけど、とにかく両チームともそういう試合の積み重ねの結果がこの順位、ということなんだと思います。やりきれないね。泣き出しそうな窓際のブルー。ブルーと言えば、昔どっかのテレビ局がサッカー日本代表に「ブルース」という愛唱を定着させようとしてものの見事に滑ってましたね。かといって「サムライジャパン」もどうかと思いますけど。そもそも愛称なんていりませんよね。
 話が逸れましたが、まぁ点が取れないときって完璧に崩してほぼ間違いなく1点もの、なんてところでも相手GKやDFのファインプレイでゴールならず、なんて時はありますし、実際この試合の札幌もGK高原のファインセーブや守備陣の身体を張ったブロックでピンチを脱したシーンは数知れず、高原がこんなに頼もしく思える日が来るなんて、小瀬でびびりオーラを出しまくっていた5年前のあの姿からは想像も付きませんでしたよ。つーかつい最近までゴールマウスで「出来れば俺のところに飛んでくるな」みたいな雰囲気を醸し出してたのに、最近じゃ「俺が波田陽区に似ている間はゴールを割らせない」なんて雰囲気を身に纏ってますもんね。変われば変わるもんですね。

 そんな感じで全体としては札幌がずっとサイドも中央も好き放題に蹂躙されるという見所の少ない試合だったのですが、それでも征也のゴールシーンはお見事でしたね。左サイドから崩して得点を取るのは右サイドバック、まぁ厳密に言えば後半から3バックにしてたので征也の位置はサイドバックよりは高めでしたけど、逆サイドの選手がゴール前につっこんできて点を取るってのは自分の好きな得点のパターンなんで、ああいうシーンをもっと見たいと思いますね。なんて思ってたら征也怪我しちゃいましたけど。あとPKゲットに繋がったカウンターも速かったですね。ああいうのがちゃんといつも出来ているなら、順位をもう少し上げるのはそんなに難しくはないと思うんですけどねぇ。

2010年9月28日

9人じゃ無理

2010年Jリーグディビジョン2第27節
柏レイソル 5-1 コンサドーレ札幌
得点者:札幌/古田
     柏/北嶋、レアンドロドミンゲスx2、工藤、茨田

 19日から23日まで実家に帰っており、しかも19日の厚別でのサガン鳥栖戦はちょうど試合の最中に飛行機に乗っていたため、まだ少ししか見ていません。なので先に柏レイソル戦から書こうと思います。
 その前に今更ながらとても大きな勘違いをしていました。これまで18節のジェフユナイテッド市原千葉戦で前半戦区切りとして書いてましたが、実際はその次の19節横浜FC戦が前半戦最終試合で、後半戦の開始は20節のファジアーノ岡山戦でしたね。まぁこのサイトでの間違いとか勘違いとか思い違いとかホタテ貝なんかは今に始まったことじゃないっつーか、言い訳ですけどハタチを十何年もやってるといろいろなところが衰えてくるものでして。
 でまぁ、それを踏まえての話となりますが、前節鳥栖に敗れ後半戦7試合目にして早くも4敗目を喫した札幌は、中2日でアウェイでの柏レイソル戦を迎えました。前節鳥栖戦で出場停止だった内村が戻ってきたものの、怪我人リストに25節大分トリニータ戦で右足首を捻挫し全治3週間の藤田征也が加わってしまい、相変わらず戦力は整わない中での首位との対決。かといって柏も別に万全の状態というわけでもないのですが、それでももともとの戦力が札幌とは段違い。ちょうどうまい具合か、どうかはわかりませんが世代交代も順調に進んでおり、第21節で東京ヴェルディに敗れ今季初黒星を喫したものの、その後はその影響もほとんどなく、前節はアウェイでの千葉ダービーで退場者を出しながらもジェフユナイテッド市原千葉に競り勝ち、J1昇格に向けて盤石の体勢を築いています。
 モビルスーツに例えてみれば札幌が「だいぶ壊れかけたハイザック」だとすれば、柏は「大気圏内で強化人間が乗っていないギャプラン」といったところで(両方ティターンズの機体ですが)、普通のパイロットではGに耐えられないためその性能を十分に発揮できないとはいえ、カスタムタイプの可変MAであるギャプランと量産MSのハイザックでは基本性能自体が段違いなのあり、しかもその上壊れかけてるならなおさら相手になるはずもなく、せめてバーザムくらいにはなりたいものだと思いつつも、実質旧世代機であっても放映当初から出番のあったハイザックと、性能は高くても洗濯洗剤みたいな名前をつけられた挙げ句ぜんぜん出番に恵まれなかったかわいそうなバーザムではどちらが幸せだったんだろうかと思いもして、多少説明を入れたところでわからない人にはまったくわからないたとえなのはいつものことなのであり、わかったところで何の得にもならないのもいつものことだったりします。

 まぁそれだけ力に差がありますよってことだけわかってもらえればそれでいいのですけど、力の差があってもそれが結果にそのまま現れるとは限らないのがサッカー。日立台での試合は過去6試合で2勝4敗(うち1敗は1998年のPK負け)と相性は良くありませんが、ここ最近の2戦(2006年と2008年)は連勝中。しかも、1年でわずか4勝だけという異次元の弱さを誇っていた2008年にも勝っています。奇しくもこの日の天気はその2008年と同じ大雨。雨中の試合は技術の差を少なくします。まぁストイコビッチみたいな超一流の選手にとってはあまり関係ないんですけどね。
 実際、場所によっては水たまりが出来てボールが止まってしまうほどのピッチコンディションで行われたこの試合、ここ最近は特にアウェイでは一方的に攻められることが多かった札幌ですが、ここ最近悩まされていたクソ暑さもようやく収まってきたこともあるのか、首位を相手に一進一退…は言い過ぎとしても一進二退くらいの内容を見せます。柏もやはりボールコントロールに神経を使わざるを得ないようで、そのぶん札幌のプレスも比較的効いています。それでも隙あらばシュートを狙ってくるのはさすがに柏といったところですが、GK高原が落ち着いたセーブを見せ無失点に抑えます。もしかしたら行けるかな? と思っていたんですけどね。皮肉にも、札幌にとっては恵みだったはずの雨によって、札幌は暗闇の底に叩き落とされることになります。

 もうあと少しで前半も終わろうというアディショナルタイム、水たまりで止まったボールに対してつっこんでいき、小林祐三と接触した上里一将に対して、岡部主審はイエローカードを提示。既に1枚カードを受けていた上里はこれで退場となります。確かにレフェリーはアレな感じでしたが、そもそも時間帯と場所を考えれば、そこまでリスクを負ってボールを取りに行くような場面でもなかったはず。もちろんわずかなプレイの差が試合の明暗を分けることだってありますし、ボールがそこにあればつっこんでいくのは犬として当然の習性ですから、一概に「不用意なプレイ」と切って捨てることも出来ないのですが、前半15分に似たようなシーンで藏川洋平がカードを受けていたことは頭の隅に置いておくべきだったと思います。
 ともかく後半45分を10人で戦わなければ行けなくなった札幌。前回の対戦でも得点をもぎ取っている上里の長距離砲が欠けてしまったことが大きかったですね。そうでなくてもリーグトップの守備を誇る柏から多くの得点を挙げられる可能性はそう高くないですから、単純に人数が1人減った以上に痛かったと思います。

 数的不利となったノブリンは藤山を外し近藤を入れて3-4-2の布陣にします。しかし結果論とはいえ外すのであれば藤山ではなく宮澤ではなかったでしょうかね。どのみち3バックにするのであれば、藤山を中盤で使ったほうが雨でもあんまり関係ないレアンドロドミンゲスを抑えるのに好都合だったような気がします。まぁスコアレスドローを狙うよりも点を取って勝つほうを優先したんだとは思いますが、結果としてその宮澤までもが退場してしまったことが誤算でした。古田のビューティフルゴールで1点差に迫ったときはまだ逆転までは無理でも追いつける空気はあったんですが…。再度のPK+宮澤の退場で完全にその目も失われてしまいましたから。10人ならまだしも9人というのは、大破したハイザックで挑むようなもんですよね。

 PKの判定については…まぁしかたないですね。レフェリーがアレな感じだったのは確かですが、吉弘のプレイもちょっと心証は悪かったですし(雨で急に止まれなかった、というのもあるでしょうけど)、宮澤も思いっきり見事にレアンドロドミンゲスのユニフォームを引っ張ってましたし。失点も4点目5点目はもうどうしようもない感じでしたから、まぁこれはこういう日もあるとあきらめるしか。

 とはいえ、スタンドのサポーターは3点目を取られた直後からさらにボルテージが上がってましたからね。あれだけされたら…たとえ9人になったとしても選手は手を抜けないですよね。そういった後押しもあって、最後まで足を止めなかったことは褒めてあげていいと思います。願わくば…たとえJ2とはいえもう少しレフェリーのレベルが上がらないと、やっぱりJリーグは世界は目指せないと思ったりもしました。

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