« ひとまず勝利 | メイン | 9人じゃ無理 »

2010年9月16日

さつまの竪琴

2010年Jリーグディビジョン2第25節
大分トリニータ 1-2 コンサドーレ札幌
得点者:札幌/藤田、内村
     大分/東

 土曜日に試合をやっても日曜日に試合をやっても木曜日過ぎないと更新しないサッカー百鬼夜行です。もうすぐ10周年です。

 間に天皇杯を挟んでのJ2第25節は、大分トリニータとのアウェイ戦。といっても大分ではなく鹿児島県にある鴨池陸上競技場での試合。札幌としては2008年9月23日、J1(!)第26節大分戦以来の鴨池です。常に先手を取られる苦しい展開の中、アディショナルタイムに大伍のゴールで追いついたと思ったら直後に決勝ゴールを許して2-3で負けちゃった試合です。得点者の中に並ぶウェズレイだのアンデルソンだのエジミウソンといった助っ人選手の名前が、わずか2年前のことなのに既に懐かしく感じられる今日この頃。札幌は天皇杯ではグルージャ盛岡にキッチリ勝利を収めましたが、リーグ戦では後半戦まだわずか1勝だけ。今更「ここから奇跡の昇格だ!」なんて、いい加減使い古されたセリフですが「奇跡は起こらないから奇跡って言うんですよ」といった感じなので、「せめて一桁の順位でシーズンを終えたい」という、競馬で言えばメインレースですってんてんになった日の最終レースの心境、つまりせめて交通費くらいは稼いで帰りたいといった感じ。たいていの場合、負けますけどね。

 そして対する大分も状況的には似たようなもんで、前節までの成績は7勝10敗5分、勝点26の14位。6勝8敗9分で勝点27で12位の札幌よりも下にいちゃってます。経営問題を抱える大分はJリーグからの借金返済と債務超過が解消するまでどんなに好成績を挙げても昇格できないとはいえ、現役韓国代表キムボギョンや現在8ゴールで得点ランキング6位につけるチェジョンハンらは力のある助っ人選手ですし、日本人選手のレベルも決して低いわけではないし、自分が見てきた範囲では皇甫官監督も特に悪いサッカーをやっているわけでもない。もちろんサッカーの試合において、選手の力量の差が戦力の決定的な差ではないことは、少佐に教えてもらわずとも我々は十分知っているわけですけど、一発勝負のトーナメントならまだしも長いリーグ戦の場合は、あまりそのあたりの紛れは起こりにくいもの。今の札幌も同じですが、少なくともこの順位にいるようなチームではないはず。逆に言えば経営問題の余波はかくも大きいものなのか、ということなんでしょうかね。まぁだったら今すぐお家取りつぶしになるようなほど深刻な事態でもないのにいっこうに勝てない札幌は何なんだって気もしますけど。

 そんな両チームの試合だったわけですが、試合を観てるとその原因がどこにあるにせよ、お互い「成績が上がらない理由」はよくわかる試合でしたね。結果だけを見れば札幌が前半に先制されながらも後半逆転し2-1で勝利という試合でしたけど、内容に目を向ければ札幌が勝てたのが不思議なくらいの一方的な内容。札幌側の視点に立てば「札幌が大分の猛攻に晒されながらも、1失点に抑えてて数少ないチャンスをモノにして見事に逆転」とも言えるわけですけど、逆に大分にしてみれば「前半だけで10本、トータルで18本ものシュートを放ち、決定的なシーンも多かったにもかかわらず1点しか取れなかった」ということになります。札幌もイケイケの時間に点が取れずに、終盤に追いつかれて勝てるはずの試合に引き分けたり、追いつけずに負けたりして取れたはずの勝点を失うことも多く、もっとも今ではその段階も優に超えてイケイケの時間すら作れない試合も多いですけど、とにかく両チームともそういう試合の積み重ねの結果がこの順位、ということなんだと思います。やりきれないね。泣き出しそうな窓際のブルー。ブルーと言えば、昔どっかのテレビ局がサッカー日本代表に「ブルース」という愛唱を定着させようとしてものの見事に滑ってましたね。かといって「サムライジャパン」もどうかと思いますけど。そもそも愛称なんていりませんよね。
 話が逸れましたが、まぁ点が取れないときって完璧に崩してほぼ間違いなく1点もの、なんてところでも相手GKやDFのファインプレイでゴールならず、なんて時はありますし、実際この試合の札幌もGK高原のファインセーブや守備陣の身体を張ったブロックでピンチを脱したシーンは数知れず、高原がこんなに頼もしく思える日が来るなんて、小瀬でびびりオーラを出しまくっていた5年前のあの姿からは想像も付きませんでしたよ。つーかつい最近までゴールマウスで「出来れば俺のところに飛んでくるな」みたいな雰囲気を醸し出してたのに、最近じゃ「俺が波田陽区に似ている間はゴールを割らせない」なんて雰囲気を身に纏ってますもんね。変われば変わるもんですね。

 そんな感じで全体としては札幌がずっとサイドも中央も好き放題に蹂躙されるという見所の少ない試合だったのですが、それでも征也のゴールシーンはお見事でしたね。左サイドから崩して得点を取るのは右サイドバック、まぁ厳密に言えば後半から3バックにしてたので征也の位置はサイドバックよりは高めでしたけど、逆サイドの選手がゴール前につっこんできて点を取るってのは自分の好きな得点のパターンなんで、ああいうシーンをもっと見たいと思いますね。なんて思ってたら征也怪我しちゃいましたけど。あとPKゲットに繋がったカウンターも速かったですね。ああいうのがちゃんといつも出来ているなら、順位をもう少し上げるのはそんなに難しくはないと思うんですけどねぇ。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
https://www.kingofsapporo.com/old/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/788

2016年2月

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29          

アーカイブ