第90回天皇杯全日本サッカー選手権大会2回戦
コンサドーレ札幌 4-1 グルージャ盛岡
得点者:札幌/岡本 x 2、砂川、近藤
盛岡/市村
今年も日本3大タイトルのひとつである天皇杯全日本サッカー選手権大会の時期がやってきました。今年で第90回となるこの大会、1921年に行われた第1回(当時の名称は「ア式蹴球全国優勝競技会」)から全ての大会を見てきた、なんて人はたぶん戸籍上にもいないんじゃないかと思いますが、9月5日はその天皇杯の2回戦が行われ、ここからシードのチームが登場、コンサドーレ札幌は札幌厚別公園競技場で岩手県盛岡市に本拠地を置くグルージャ盛岡(東北1部リーグ)と対戦、岡本の2ゴールと砂川、近藤のゴールで4-1の勝利を収めました。
日本サッカー界がまだアマチュアメインだったころは年度最大の大会だった天皇杯も、Jリーグが誕生しカレンダーがJ中心になってからは、そのリーグ戦との兼ね合いで生じてきた問題の解決やチーム増加、日程などへの対応のため、現在でも開催要項や日程面でさまざまなレギュレーションの変更が行われています。前回大会でシードチームはカテゴリに関係なく2回戦からの登場となりましたが、今大会では2回戦の日程が10月から9月に変更となっています。
前日にキリンチャレンジカップが行われたため代表選手こそいないものの、まだリーグ戦が佳境に入っておらず、ナビスコカップ勝ち残り組以外のJチームにはそれなりに余裕のある状況に加え、第1回戦が行われた9月3日からわずか中1日での2回戦開催。プロアマ混在の天皇杯の醍醐味と言えばジャイアントキリング、NHKゴリ押しのアニメのタイトルではなく本来の意味での「強豪打破」で、下位カテゴリのチームが上位カテゴリのチームを食ってしまうことですが、そうでなくても格下の1回戦突破チームにとっては厳しい条件が重なったためか、苦戦したJチームもあったものの下位カテゴリとの対戦となったのは27試合ありましたが、そのほとんどが順当な結果に終わり、番狂わせと呼べる結果を挙げたのはソニー仙台(ベガルタ仙台に1-0)、町田ゼルビア(東京ヴェルディに1-0)、そしてコンサドーレ札幌の3チームでした。
すみません言い過ぎました。
さて、試合内容については近藤のゴールと失点シーンが隠蔽されたNHKの天皇杯ダイジェストくらいしか見ていなかったので何とも言えませんが、試合の報道やノブリンのコメントなんかを見る限り、相手の時間を作られてしまうなどあまり手放しでは喜べない結果だった模様。トーナメントでは内容よりも結果が全てとはいえ、中1日の地域リーグチームを相手に後半アディショナルタイムで失点と、ある意味「どこが相手でも自分たちのサッカーを貫いた」と言えなくもないですね。なんだかなぁ。
ところでこの試合の相手となったグルージャ盛岡は第1回戦で、北海道代表の札幌大学と対戦して3-2で勝利し2回戦に駒を進めてきたのですが、優勝チームが天皇杯の地域代表となる知事杯全道サッカー選手権大会決勝において、その札幌大学と争ったのがコンサドーレ札幌ユースU-18でした。札幌ユースを2-0で破った札大も盛岡とはだいぶ力の差はあったみたいですから、もしユースが出場していても1回戦の壁は突破できなかったと思いますが、公式戦での「兄弟対決」はちょっと見てみたかった気がしますね。もちろん、いくらトップが不甲斐ないとはいえ、ガチンコ勝負でやってプロが高校生に負けるはずもないのですけど、もし実現していたら厚別のアウェイ側スタンドを埋めるコンサドーレサポーターが見られたんじゃないかと思うとちょっと残念だったりしますね。
というわけでとにかく3回戦に駒を進めた札幌ですが、その次の相手は中京大に3-0で快勝した名古屋グランパスです。昇格への望みが限りなく薄くなった今、せめて天皇杯には希望を持ちたいところなのですが、J1首位が相手ってのはちょっと厳しそうですね。ピクシーがリーグ戦に全力投球するために天皇杯に手を抜くようなことをしてくるとも思えませんし。期限付き移籍中のダニルソンとの対決にもなりますが、どうあれ札幌は全力でぶつかって欲しいですね。それで勝てれば大きな自信になると思います。2007年の昇格だって、その前年の天皇杯ベスト4進出と無関係ではないと思いますから。