2011年Jリーグディビジョン2第10節
コンサドーレ札幌 1-0 ザスパ草津
得点者:札幌/やっと宮澤さんが
草津/おりません
開幕から中断期間を挟んで3試合が経過し、未だ勝利がない上にただの1ゴールすら取れていない札幌は、今節は初勝利と初ゴールをかけて札幌ドームにザスパ草津を迎えてのホームゲームとなります。前節FC東京戦での引き分けで開幕連敗こそストップできたものの、Jリーグ全38チーム中未だに得点のないチームは札幌だけ。湘南ベルマーレ戦、東京戦と強豪相手の試合が続いた割には、開幕戦のガッカリな内容に比べてだいぶマシにはなってきてはいるんですが、点が取れない限りは勝てないし、この先も試合のたびごとに「Jリーグで唯一得点のない」という形容詞がついて回るのはいい加減卒業したいところ。
というわけで札幌のために草津さんには是非エサになって欲しい、といいたいところですが、現在2勝1敗で6位につける草津は、18位の札幌から見れば格上チームです。いくらまだ3試合しか消化していませんけど、なんとなく今年のJ2は例年以上に群雄割拠状態になりそうな雰囲気で、前節時点でまだ3戦しかしてないにもかかわらず、既に全勝チームが1つだけ、しかもそれがFC東京でも湘南ベルマーレでもジェフユナイテッド千葉でも京都サンガFCでもなく栃木SCである、ということから見てもその混迷っぷりは感じられると思います。
ちなみにJリーグ公式サイトで記録の残る2002年以降で「開幕からの無得点試合記録」を調べてみたところ、その栃木SCの「5試合」というのが最長でした。3試合程度で騒いでいるようじゃまだまだ札幌も甘いですね。
まぁそんな感じで各チームの実力差が小さくなってきている今のJ2、もはや確実に勝てる相手など存在しない代わりに、絶対勝てそうもない相手など(たぶん)いないとも言えるわけで、そんな中キャンプ中に骨折して長く戦列を離れていたサイドバックの日高拓磨が復帰したのは好材料。ただしいきなりスタメンでの起用にはノブリンも慎重なようで、前節FC東京戦と同じスタメンで臨みます。
対する草津は所属選手が大量に退団する一方、昨季8得点を挙げたラフィーニャや司令塔の熊林慎吾、心臓部である松下裕樹と櫻田和樹のダブルボランチといった中心選手は健在、FW萬代宏樹の補強にも成功し、開幕戦こそ栃木SCに敗れたもののその後は連勝、前述の通り2勝1敗の6位につけています。
まず立ち上がりにリズムを掴んだのは札幌。左サイドの定位置を掴んだ近藤を中心に攻めの形を作ります。しかし、3試合連続でゴールを拒否されている負のオーラは伊達ではなく、前半10分にサイドを突破した近藤から素晴らしいクロスが上がり、アンドレジーニョがどフリーで飛び込みますが、ボールは頭ではなく肩に当たってあさっての方向へ。「あ~、この人ヘディング練習してないんだなー」という感じの残念シュートでした。小柄なブラジル人選手にはありがちですけどね。それにしても点が入らない時ってこういうもんなんですね。取れるときは砂さんのフリーキックだって入ってしまうくらい簡単に点が入るもんなんですけど、取れないときは本当にこんなものですね。
こういうビッグチャンスを外した後ってえてして流れを渡してしまうものであり、実際試合も五分五分あたりに落ち着いてしまったのですが、それでもサッカー的には家本主審がノノ風にいえば「戦わせてくれる」ジャッジをしたくれたため、迫力あるぶつかり合いと、それでいてほとんどラフプレイのない見応えのある試合内容。前半のイエローカードは両チーム合計でなんとゼロ。どうしたんだ。ピンチらしいピンチも37分にアレックスのヘディングシュートを、僕らの味方クロス・バー選手が防いだシーンくらいで、一方それでも草津の守備陣も集中を切らすことなく、やっぱり点は取れずに0-0で折り返し。
後半も流れはあまり変わらず。立ち上がりに宮澤がミドルシュートを放ちますが、草津GK北のファインセーブで防がれ得点ならず。あれだけギリギリのコースを突いても入らないのが今の札幌。北ってあんなにいいキーパーでしたっけ。関係ないですけど前節、ザスパ草津対ロアッソ熊本で、「北対南」のGK対決があったんですね。
しかし札幌は変身を2回残しているのです。別に戦闘力は53万もありませんけど、まず第1段階の変身としてMF砂川誠を投入。これによって前線でボールが廻るようになった札幌、それまであまりいいところがなかった三上も徐々に存在感を見せるようになりますが、それでもゴールが遠いのは変わらず。そして相変わらずいつの間にか怪我をしていていつの間にか復帰する日々を続けている岡本ヤスの交代を経て、いよいよ第2段階、もはや恒例ともなったチアゴ大作戦。いや恒例と言ったって大作戦なんてもう何でもいいから点が欲しいという時にしか使わないものであり、ただ単に札幌は今のところ毎試合何でもいいから点が欲しい状態であるというだけの話なんですが、大作戦なんてはっきり言えば苦肉の策、もっと言ってしまえば単なるギャンブルであり、そうそううまくいくくらいなら最初からそれでやればいいと思うのですが、たまにはうまくいってしまうのがギャンブルらしいところで、後半41分、砂川のクロスをチアゴが頭で豪快に決めてついにゴールが生まれた…と思ったらチアゴのファウルを取られノーゴール。アレがファウルならほとんどのゴールがノーゴールじゃねぇの、と思ったものの、今の札幌は主審すら味方につけられない、というか点を取ってはいけない雰囲気なのかもしれません。
本気でそろそろ「4試合連続無得点おめでとうございます\(^o^)/」という準備を始めかけた後半ロスタイム、それでも攻め続けた札幌が得たコーナーキックのチャンス。一度はクリアされたものの、2回目のコーナーキックで砂川の蹴ったボールを山下が叩きつけ、GKがはじいたところに宮澤が詰めてようやく今季初ゴールをゲット。そのまま逃げ切り今季初勝利もゲットしました。
点が取れないことばかりが注目されていましたが、これで2試合連続完封、湘南戦を含めても3試合で1失点と、なんやかやでわりかし守備もしまってきた感もあるので、この調子をキープしてもらいたいものですね。