2011年Jリーグディビジョン2第13節
サガン鳥栖 1-0 コンサドーレ札幌
得点者:札幌/いません
鳥栖/金民友
アビスパ福岡がJ1に昇格したとはいえ、まだまだ4チームが九州にあるJ2。つい2節前に九州(熊本)で試合をしたばかりだというのに、今節もサガン鳥栖とのアウェイ戦に臨むために再びチームは九州へ。以前も書いたように鳥栖は「J2オリジナル10」の中で唯一昇格を味わっていないチームですが、ということはつまりJ2で最も多くの試合を行っているチームということです。仙台くんはなんかすごくがんばってるし、山形くんだって「俺はまだ帰るわけにはいかないんです」と言って踏ん張ってるし、昔はあんなに弱っちかった甲府くんは見違えるほどたくましくなってるし、川崎くんももう手の届かないくらいビッグになっちまったし、大宮くんも実はお金持ちだったし、ついこの間までお得意様だと思ってた新潟くんには今は逆にカツアゲされる有様だし、FC東京くんも帰ってきたと思ったらすっかりセレブ気取りで感じ悪いし、大分くんもぼろぼろになって帰ってきたとはいえ一度でもあっちで光り輝いた時があったし…。昔は札幌くんもけっして主役級ではないものの、陵南高校で言えば3年の池上、男塾3号生で言えば卍丸、3年奇面組で言えば腕組くらいの、脇役ながらもちょっとは一目置かれる存在でしたけど、あれから10年以上経った今ではすっかり陵南高校で言えば菅平、男塾3号生で言えば独眼鉄、3年奇面組でいえば骨組くらいの立ち位置になっちゃってますからね。まぁ10年は長いですからね。子供の頃仲良しだったグループだって、10年あれば受験に失敗して引きこもってたり、すっかりギャルになってたり、秩父の山中を女装で駆けずり回ったりするようになるくらいですからね。
そんな中でも、気がつけばいつでも僕たちのそばにいてくれたのが鳥栖くんで、これまでのリーグ戦で札幌と最も多く対戦したチームです。しかし去年までの通算対戦成績は33試合で14勝6分13敗とかろうじて勝ち越してはいるものの、札幌が「五段階計画」というリセットボタンを押した2004年以降は7勝4分9敗と負け越しています。ところで五段階計画って何でしたっけ。
そんなわけで鳥栖くんにも立場が追い越されてしまったらしい札幌ですが、センターバックの一角である山下達也が、まどかマギカ3話を見たことによる(嘘)体調不良を訴えて欠場、その代役としてルーキー櫛引一紀が抜擢されました。コンサドーレというチームは残念ながら過去を通じて「日本サッカー界の強豪」であったことなどほんの一時期もありませんが、それでも早い時期から試合に出てレギュラーとして育った選手の中には、強豪チームに行って活躍するまでに成長した例は決して少なくありません。ただしセンターバックだけはどうも育てるのは苦手のようで、今まで生え抜きのセンターバックの選手がが、強豪チームへの移籍はおろかチームの定位置を確保した例もありません。もっとも、センターバックというのはその特性上、気軽に若い選手を試せるポジションではないですから、センターバックを育てるのが難しいのは札幌に限ったことじゃないのでしょうけどね。体調不良じゃなければこの試合でも普通にスタメンを張ってたはずの山下だって、札幌に来る前はセレッソで5シーズンほとんど試合に出れていなかったわけですし。それだけに櫛引にかかる期待は大きいですし、河合という経験が豊富な選手がいるうちに彼と組ませて、いろいろ試合の中で学んでもらうのは重要なことだと思います。
しかしこんな状況の中でも本来のポジションで使ってもらえないチアゴはいったいどうしてしまったんでしょうか。最初から大作戦要員なのか、それともホントに出すとやばいのか。確かに今回の相手のサガン鳥栖の場合では、豊田との空中戦には勝てそうですがキムミヌあたりにさくっと抜かれそうな感じではありますが…。
まぁどんなメンバーであっても、ちゃんとサッカーやってそれで勝ってくれればそれでいいんですけどね。世の中そう簡単にはいかないもんですね。というかですね。コンサドーレがやってるこれはそもそも「サッカー」と呼んでいいのかという根本のところから疑問が出てくるわけでして。熊本戦では27度という高い気温の中で足が動かず、シュートわずか4本という体たらくに終わっていますが、今節はそれを上回る29度もの気温の中で残した結果はシュート3本。昨今の世間の風潮に合わせるかのような節電サッカーです。現在まったく電気に事欠いていない、むしろ電気なんて東電に売るほどある北海道のチームであるコンサドーレ札幌が率先して節電を訴え、なおかつ選手が走らないことによるCO2排出削減を達成することによって、時代のオピニオンリーダー的な何かを目指しているのかもしれませんけど、それとて結果を残してこその話だと思うんですよね。節電だ節電だとエアコン切って熱中症にかかっちゃったら本末転倒ですよね。塩分の取りすぎは身体によくないからと言って、一切塩分を取らなかったら人間は死んじゃうんですから。過ぎたるはなお及ばざるがごとしと言うわけですし。
30度近い中で直射日光を浴びながら運動するのは想像以上につらいですし、場合によっては進退の危険もあるわけですけど、それでも走らないと勝てるものも勝てないですからねぇ。失点直後に三上のポストから突っ込んできた日高がシュートを放ったのはけっこう好きな流れだったんですけどね。あれがこの試合最後のシュートになるとは思ってもみませんでしたけど。
デビュー戦となった櫛引は、18歳のデビュー戦としては及第点かとは思いますが、まだレギュラー争いに名乗りを上げるほどでもないというところでしょうが。結果的には最少失点で済みましたけど、河合1人でかなりのピンチを摘み取ってましたしね。もちろんデビューの緊張もあったでしょうし、相手をしていたのが豊田陽平ですから吹っ飛ばされるのはしかたないとして、さりげなく危険なスペースを埋めたり、カバーもそつなくこなしてましたんで、これからに期待できる選手であることは間違いないでしょう。ベンチ入りを果たしたユースの奈良くんともども、伸びていって欲しいものです。
ちなみに鳥栖には「あんにゃろ」こと新居辰基が所属していますが、残念ながらベンチ入りもせず。そういえばあんにゃろの長女は明日5月26日が誕生日ですね。なぜ知ってるかって? そりゃ、俺と同じ誕生日だからですよ。おかげさまでハタチになります。
コメント (1)
パチンコの釘みたいな、動かない試合でした。
九州が暑いのは、言い訳ではなく厳然たる真実です。
暑さ対策としてサウナに入ってたそうですが、100度でじっとしている(運動していたとは思われない)のと、
35度程度で90分動くのは別物だと思うんですが、どうなんでしょうか。
力石徹のようにカッパ着て練習するくらいすれば良いと思うけど、理論的じゃないのかもしれません。
でも、カッパ着て練習したんだから暑い所でもイケる。そんな根拠ある錯覚くらいはあると思うんですが。
「理屈なんて後からついて来るんです。えらい人にはそれが判らんのです」ってジオンの整備兵も言っていませんでしたっけ?
投稿者: 魚鬼 | 2011年5月28日 16:36
日時: 2011年5月28日 16:36