« 理由があるとすれば、雰囲気? | メイン | 勝つに越したことはないのだけど »

2011年8月30日

いつもそんなにうまくいくわけがない

2011年Jリーグディビジョン2第26節
ファジアーノ岡山 1-0 コンサドーレ札幌
得点者:札幌/いなかった
     岡山/岸田

 4連勝で昇格圏内がもう手の届くところまでやってきた札幌は、今節はファジアーノ岡山とのアウェイ戦となります。金曜日の変則開催、この日行われるJ2の試合はこの岡山対札幌戦のみで、この試合に勝てば暫定ながら4位に浮上、スコアによっては3位に食い込むことも出来てしまいます。もっとも、そのためにはスコアの最低限が「5-1」と、得点力の残念な札幌にとってはまさに夢のようなスコアが必要で、土日に上位チームが勝てば結局は元の木阿弥、観阿弥世阿弥なんですけどね。ところで時東ぁみってどこへいったのでしょうね?
 実情はともかく世間的にはコンサドーレ札幌というチームはそこそこ実績があるわけで、そういうチームが息を吹き返してきているというのは上位チームにとってはイヤなものに違いありません。上位チームはなかなか負けないからこそ上位にいるわけですけど、勝ち続けることによって上位にプレッシャーを与えることが出来ますし、まだ千葉以外は直接対決が残されているわけですから、そういうチームと当たるまで取りこぼしをしないことも重要です。重要なんですよね。重要だったんですよ。はい。

 まぁそういう時にコロッと負けてしまうのがまたコンサドーレというチームなわけで。相手の岡山は20チーム中17位と順位的には下位にいますが、第25節終了時点での岡山のチーム総得点は24。失点が多いため下位に沈んでいますけど、6位のギラヴァンツ北九州や10位のロアッソ熊本よりも多くの得点を取っています。ちなみに札幌の得点数も24で、単純に考えれば札幌と同程度の攻撃力は有しているわけで、まぁその「札幌と同程度」ってのはすごいのがすごくないのかいまいち微妙な線ではありますけど、その札幌だってジェフ相手に4点取ったりしてるわけですからね。前節は14位の京都に苦戦したように、今のJ2は下位のチームだって「普通にやってれば勝てる」なんて程度の実力差はないわけです。
 別に札幌も「岡山なんてらくしょーだぜー」なんて思って試合をしていたわけではないと思いますけど、過密日程の影響か確かに動きは悪かったですね。といってもいつもこんなもんじゃないのかといわれれば、ソレを否定できるほど普段の動きがいいわけでもないような気もするんですが、そういう状態で勝てるほど甘い相手・試合でもなかったということでしょうね。

 岡山はジオゴさんへのボールを相当警戒していたようで、徹底的にマンマーク+彼にボールが入ると2~3人がかりで潰して自由にさせない、ということを徹底していました。さすがのジオゴさんといえどよってたかって来られてはキープも難しいのはしかたないですけど、ジオゴさんへのフォローが少なかったのが気になるところ。ジオゴさんに2人~3人つくということはそのぶん他のマークが減るということですし、それだけのマークを受けた状態でも周りに落とすくらいはできていたので、そこからボールを繋げられれば、もう少しチャンスも増えてたような気がします。あとはまぁ、前半に近藤がボールを奪ってのGKとの1対1を決めていれば…とか、うっちーが頭から使えていれば…とか、たらればレベルではいくらでも思うところはあるのですけど、この先どのチームだってまっさきにジオゴさんを潰しに来るでしょうから、ひとまず札幌もジオゴさんに頼りっぱなしだともうひとつ上の争いには加われないと思いますよ。いろんな意味でジオゴさんをうまく「利用する」方法をやっていきたいですよね。マークがきつければジオゴさんをおとりに使うとか、もう少しコントロールしやすいボールを出せるくらいの距離を保つようにするとか、他チームに「ジオゴさんにプレスかけると変な汁が出ますよ」とか風説の流布を行うとか。

 というわけで試合的な見所はあんまりなかったんですが、今節は他の試合も割と番狂わせが起こっていて、首位のFC東京と2位の徳島ヴォルティスがそれぞれがカターレ富山と大分トリニータに敗戦、3位の栃木SCが愛媛FCに引き分け、そして4位のジェフユナイテッド市原・千葉も京都サンガFCに敗戦、6位のギラヴァンツ北九州が湘南ベルマーレに引き分けと、上位陣6チームで勝ったチームはありませんでした。3位との勝点差がちょっと開いたものの、全体的には上位がよりだんご大家族になってきています。まぁそれだけにここで勝っておけば…という思いもないわけではないですが、こういうことが起こってしまうのが今のJ2でもあるんですね。絶対に勝てるチームはない代わりに、絶対に勝てないチームもない。もちろん、勝負所できっちり点を取る、あるいはしっかり守るといったことがどれだけ出来るかどうかが順位の差に繋がっているんだと思いますし、そういう意味では札幌は現時点ではまだそこまでの力を持っていないのかも知れませんが、昇格争いのプレッシャーの中に身を置くことは確実にチームのプラスになるはず。
 以前も書いたことがあるかもしれませんが、札幌って「毎年昇格争いにはあんまり絡んでないのに、たまになんか思い出したようにいろいろとすっげーうまくいって優勝しちゃう」ってパターンですよね。たとえるなら田代富雄(大洋)のホムーランみたいな感じで。まぁ「昇格できなかった」という結果だけ問うのであれば4位も16位も同じっちゃ同じなんですけど、その過程として「頑張ったけど、最後に力尽きました」ってのと、「もう箸にも棒にもかかりませんでした! てへぺろ!」ってのじゃ、だいぶ印象が違うわけですからね。主にスポンサー様に対しての。それに、昇格争いのプレッシャーに身を置いて戦った経験ってのは、実際上に上がってから生きてくると思うのですよ。まぁ何しても落ちるときは落ちるんですけどね。
 そんなわけで、こういう試合は金輪際最後にして欲しいと思うわけでして、どっちかというと内容はともかく個人的にはオモシロい人たちのオモシロパフォーマンスを見たいと思ってる次第で、でもオモシロのためにはやっぱり勝たないといけないですからね。せっかくオモシロ人間が増えたんですから、盛り上げて欲しいところです。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
https://www.kingofsapporo.com/old/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/865

コメント (1)

>田代富雄(大洋)のホムーラン
オモロいので訂正しないでください(笑)。

2016年2月

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29          

アーカイブ