芸のためならサポーターも泣かす
2012年Jリーグディビジョン1第12節
鹿島アントラーズ 7-0 コンサドーレ札幌
得点者:札幌/誰もいませんよ?
鹿島/岩政、大迫、山村、興梠、本山、ジュニーニョ、遠藤
はい。
なにから書いたらいいですかね。
何も書かなくていい気もしますけど。ダメですか。
ともあれ、いつもみたいに試合の流れを最初から追っていくのは、哀しくてジェラシーと言いますか、あなたにもチェルシーといいますか、とにかく書いてる途中で精神に深いダメージを負ってしまい、バーストポイント全損の上強制デリートとなりかねないのでやめておきます。
さて、鹿島アントラーズとは、これまで公式戦でたった1度しか勝ったことのないチームなんですが、特に鹿島のホームである鹿島サッカースタジアムとは極端に相性が悪くてですね。まぁ今まで「勝ったことがないスタジアム」ってのはいくつかあったりするんですけど(日本平とか磐田とか)、1997年のナビスコカップ以来過去5試合を行って、通算成績は0勝5敗、5得点19失点という見事な惨敗っぷりを見せていた鹿島サッカースタジアムでの戦績に、再び0-7というクラブ史上最多失点タイの記録が加わり、失点数は一気に26となりました。
もちろん鹿島は強いチームではありますけど、正直ここまでこてんぱんにやられるほどの差もないはず。この間のナビスコカップでもJリーグ最多シュート記録を作られた挙げ句に逆転負け喰らいましたし…。蛇ににらまれた蛙のごとき苦手意識があるんでしょうかね。しかも、普通5点も6点とられる時は、2008年10月5日のジュビロ磐田戦での前田遼一とか、2006年5月14日のヴィッセル神戸戦での朴康造みたいに、誰かにハットトリック喰らうパターンが多いモンなんですけど、7点取られて得点者が全員違うってのもアレですよね。しかもそのうちセンターバック2人とか。相性がいいとか悪いとかそういう話じゃないですよ。これはもうアレですよ。まさしく「後ろから前からどうぞ」って感じですよ。畑中葉子なんて知ってる人が多そうなのがうちのサポーターの怖いところですよ。
そんなわけで、ここまで完膚なきまで叩きつぶすのなら、せめてネタ作りのために大伍にゴール取らせてやれよこの鹿野郎! などと理不尽な逆ギレを見せたりする気持ちもないわけではないですが、そんなことよりもまたしても怪我人FCに新入団選手が加わってしまったのがどうにも困ったことです。怪我人FCは2得点をした選手を優先的に引き抜く傾向が強く、今回入団となった前田俊介選手は水曜日のナビスコカップ大宮戦で今季2得点目を挙げたばかり。しかもこれまた3ヶ月という長期契約を結びやがってくれました。ちょっとー、本当に困るんですけどー。
結果論を言ってしまえば、鹿島相手に急造3バックは無謀だったってことになっちゃうわけですが、とはいえメンバー的にはこうするほかなかったのでしょうね。特にジェイドノースが厄日かってくらいにダメぽな感じで、ほとんどの失点に絡んじゃっていたのが気の毒でしたね。これまでのプレイを見てきた限りでは、対人プレイはあまり強いほうではないみたいですけど、それでもあそこまで簡単にやられる選手でもなかったはずですし、そんな程度の選手が仮にもワールドカップ出場国の代表選手として名を連ねられるはずもないですからね(ジェイド自身はワールドカップには出ていませんが)。まぁドラゴンクエストのゴーレムだって寝てしまったら無害なわけですから、「ようせいのふえ」でも吹かれてしまったのかも知れませんね。もっとも、強引に倒すこともできちゃうわけですけど。
とはいえ、スコアほどの差があったかといえば、実際のところそうでもないとは思うんですよ。実際差があったのは、やっぱりメンタルの部分でしょうかねぇ。札幌が後半最初の失点で気持ちが切れちゃったみたいですけど、むしろ最後まで一切手を抜くことがなかった鹿島も大したものだと思います。相手の攻撃の要が既にいないという状況であれば、普通だったら4点目取ったあたりでよく言えば省エネモード、悪く言えばダレてしまうもんですけどね。そのあたりは調子が悪くてもさすがに王者というところでしょうか。最多シュート記録といい、ライオンはウサギを狩るにも全力を尽くすと言いますが、まさにそんな感じ。まぁライオンの雄は滅多に狩りをしませんけどね。そういえばその関連で思い出すのが「ライオンに襲われたうさぎが逃げ出すときに肉離れしますか? 準備が足りないのです」というイビチャ・オシム監督の言葉ですが、何人もの肉離れ者を出してしまっているチームを見てると、「ウサギが肉離れしたら喰われるだけ」というのが適切なんじゃないかというような気がしてきました。
まぁそんなことはともかくとして、札幌が失点するたびに「よっしゃ、今日はこのくらいで勘弁してやるわ」なんて捨て台詞を吐いてはまたボコられる池乃めだか師匠の姿が脳裏をよぎりました。芸の道は険しいですよね。