2012年Jリーグディビジョン1第13節
コンサドーレ札幌 1-3 サンフレッチェ広島
得点者:札幌/内村圭宏
広島/佐藤寿人、山岸智、森崎浩司
世が世なら元号のひとつでも変えることを検討しないといけないくらいのチーム史上に残るボロ負けを喫した札幌は、今節はホーム厚別に戻り、現在リーグ2位、9得点でゴールランキングトップを突っ走る佐藤寿人を中心に、リーグ3位の23点という攻撃力を誇るサンフレッチェ広島を迎え討ちます。札幌にとってほとんどのJ1チームは2008年以来の対戦ですが、広島は2008年シーズンはJ2で戦っており、この1シーズンで札幌はJ2降格、逆に広島はJ1昇格しているために、広島と対戦するのは広島が最初にJ2に降格した2003年以来実に9シーズンぶりとなります。その前回の対戦は2003年10月4日の広島ビッグアーチでの試合。さすがに9年前ともなると両チームとも大幅にメンバーが異なっていて、その時の試合にも出ていたのは広島が森崎兄弟、札幌が砂川誠だけ。広島のスタメンに中山元気がいたり、ベンチに林卓人がいたり、札幌のメンバーの多くが既に現役を退いていて、時代の流れを感じさせますね。アニメだって9年前と今とじゃキャストの顔ぶれが全然違いますもんね。
J1はこの試合を最後に、ワールドカップ最終予選のための2週間の中断期間に入ります。ナビスコカップがあるとはいえ、怪我人を多く抱える札幌にとっては貴重な中断期間。まぁたった2週間程度ではどうにもならないくらいの重傷者も多いのですけど、ここをなるべくすっきり迎えるためにも、是非とも勝って締めたいところです。
とはいえ、勝ちたいと思って勝てるなら苦労はしないわけで、メンバー不足はいかんともしがたい状態。岩沼が離脱したままではあるものの、前節採用した3バックはどう見てもうまくいってなかったため、結局は(おそらくノブリンも使わずに済ませたかったであろう)高木純平を左サイドバックに持って来ました。右サイドは日高拓磨、ダブルボランチは河合竜二と前貴之。高柳、如来、宮澤とボランチのできる選手が軒並み故障中とはいえ、河合主将の下で研鑽を積む前くんを見てると、なんだかピッコロさんと悟飯くんを見ているみたいな感じですよね。サイドは古田寛幸と近藤祐介、そしてトップ下に内村圭宏、で、前節で負った怪我が予想以上の重傷だったマエシュンの代わりの1トップには大島秀夫という布陣…ですが、マエシュンの欠けたピースはどうやっても埋めようがなく、大島がどうこうではなくマエシュンの代わりなどいないというのが正直なところなんですよね。といっても少なくとも3ヶ月は彼はプレイできないので、いないのであればいないなりの攻撃を模索していかなければなりません。
おし、試合の内容には触れずにずいぶん字数を稼いだ。
だってね。特に触れることもないんだもんよ。いつも通り戦って、いつも通りにやられるいつもの試合。なんで勝てないかっていったらミスが多いことに尽きるわけですが、いつも書いているようにこればっかりは一朝一夕でなんとかなるものではないのですよね。選手たちだってミスするつもりでミスしているわけではないですから。
それに、キックミスとかパスミスとかシュートミスとか明らかに目に見えてわかるミスだけでなく、たとえばワンタッチで繋げば通るところを2~3タッチしてしまったがためにスペースがなくなってしまったとか、スペースに出したパスが通ったんだけど、微妙にずれて受け手がトップスピードのまま受けられなかったために相手のディフェンスが間に合い止められてしまったりとか、そういう細かい部分のミスも地味に影響していたりします。逆にディフェンス面でも、最初のところの対応を間違ってしまったばかりにその後の対応が後手後手に回ってしまい、結局バタバタしたまま決められてしまうということもあります。例えるなら、ギャルゲーで最初の選択を間違ってしまったがために、連鎖的な反応が起こってしまって意中のヒロインを攻略するどころか「女々しい野郎どもの詩」を聴く羽目になる、といった感じでしょうか。
実際1点目なんてそんな感じでしたよね。佐藤寿人はもちろんとても優秀なストライカーなんですけど、それでも彼のゴールに至るまでの過程は「ああ、そんなプレイを繰り返してりゃやられるよね」というものでしたし。逆に3点目は明らかなチョンボなんですけど。まぁ直接フリーキックの時の壁役なんて、はっきり言わなくても人間の盾ですし、しかもプロの選手が思い切り蹴ったボールが飛んでくるんですから、確かに怖いと思いますけどね。昔スーパーサッカーでやってましたけどプロ選手のシュートスピードはだいたい100km/h~120km/hくらい。もっとも、この数値はコースとか何も考えずにただ思い切り蹴り込んだ時のものですので、コースや曲がりを意識してコントロールしたキックはもう少し遅いとは思いますが、別に気休めにもならないでしょうね。とはいえ、避けた壁の間をボールが抜けてきたら、いくら何でもさすがにぎーさんがかわいそうです。「修羅の門」での海堂晃さんのボウガン修行じゃあるまいし。あれなら最初から壁がないほうがなんぼかマシです。せっかく内村の内村らしい内村シュートで内村ゴールが決まっていい内村ムードになってたんですけどね。「あと1点取れば攻めて負けないですむけど、時間的にもあと2点はちょっと無理」ってか感じになっちゃいましたよね。はっきり言って、あれで台無し。英語で言えばノースタンドです。
よかった探しをするなら、内村にようやくらしさが戻ってきたことくらいでしょうか。去年も夏になってから調子を上げてきましたね。夏にならないと調子が上がらない「夏☆しちゃってるBOY」なのでしょうかね。もっとやれる選手だと思いますので、これからやっちまってほしいと思います。