前半戦を1勝1分15敗という圧倒的な成績で終え、対戦相手に「これが本当にJ1チームなのか」という恐怖を与えるほどの弱さでリーグを席巻したコンサドーレ札幌。主力選手が次々と故障していく中でこれ以上のどん底はないと思われた矢先に、さらに悪いことにアルビレックス新潟戦で負傷交代した河合竜二が、全治6週間であることが判明。後半戦での巻き返しに少しの期待をかけることも許さないスキのなさを見せています。
そんなわけで何もかもがどん底な札幌なのですが、テコ入れとして新キャラ投入は常套手段ということで、以前から「ウィンドーが開いたら補強する」と矢萩社長直々に公言していたとおり、そのウィンドーが開く7月20日を前にしていくつか動きがありました。まずFWキリノの湘南ベルマーレへの完全移籍、そして韓国Kリーグの全北現代からDFキムジェファン選手の期限付き移籍が相次いで発表されています。
対戦が一回りして、どこのチームもだいたい戦術部分が固まってきて、その過程で使いどころが難しくなった選手や、あるいはポジションごとの選手層の関係で試合に出られなくなった選手が出てきます。夏の移籍ウィンドーはそういう選手が主な狙い目になるのですが、相手が同一カテゴリだと敵に塩を送ることをいやがって貸したがらないこともあるそうです。こちとら怪我人だらけで学徒動員せざるを得ないチームなのですから、控えどころか主力を貸してくれたって塩分が足りることはないと思うんですけど、まぁ逆にそれなら「とりあえず枠を1つ埋めててくれ」というのもまた正直なところかも知れませんしね。
かといってJ2から主力引っこ抜くマネが出来る財力があるわけでもなし、となれば残るは助っ人に活路を求めるしかなく、メディアでも既に「攻撃的ポジションのブラジル人2人と韓国人DFを獲得予定」という記事がありました。しかしご存じの通り助っ人を獲るためには現状埋まっている枠を空けなればならず、そのためキリノとジュニーニョは他クラブへ移籍、アキレス腱を断裂し少なくとも今季の復帰は出来ないホスンは契約を残したまま登録を抹消することで枠を確保する方向と報道されていました。
で、本日になって湘南・札幌両クラブからキリノの移籍が発表。スウェーデン1部のユールゴーデンから加入した2009年に19得点を挙げ大活躍を見せましたが、2年目以降はグロインペイン症候群を発症したこともあってなかなか思うような活躍が出来ず。それでもJ2ならまだまだ活躍が出来る選手だと思いますので、頑張って欲しいですね。
そしてキムジェファン選手。1988年5月27日生まれの24歳、全州大学時代にユニバーシアード韓国代表に選ばれ、その時にホスンとチームメイトだった模様。2011年に全北現代に加入しましたが、1シーズン半でリーグ戦3試合、ACL2試合と、あまり試合には出られなかったようです。もっとも、全北は2011年にKリーグ優勝、ACL準優勝しているので、大卒選手がすぐに試合に出られるようなチームではないということなんでしょうね。そして、その強豪チームで現在レギュラーを張っているのが趙晟桓だったりします。元気そうで何よりです。
報道通りであればあと2人選手が来る予定のようです。今回の補強についてはちょっといろいろと思うところもあるのですが、それはまた別の機会にでも書くことにして、来るからには活躍して欲しいと思います。
それにしても、2009年のコンサドーレ札幌って、Kリーグ優勝チームでレギュラーを取れる晟桓がいて、Jリーグ優勝チームでレギュラーを取れるダニルソンがいて、キリノが19点取って、なおかつ(前半だけでしたけど)クライトンがいたのに昇格できなかったんですね。